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自民の小選挙区は「西高東低」

2009年08月31日 15時36分24秒 | 政治って?
小選挙区の獲得議席の分布を見ると、ある傾向が判った。それは、西高東低である、ということだ。小選挙区で勝利した自民党議員は、大半が西側に分布しているのである。これは明治維新の流れを汲むという、政治的傾向なのであろうか?それとも偶然なのか?

自民党の小選挙区勝利数は62議席、うち、中国・四国・九州で31議席、残りの地域に31議席、ということになっているのである!恐るべし、薩長、土佐(これは時代錯誤か、笑)。


まず、大都市圏とか選挙区数の多い地域(10議席以上)で見てみよう。
小選挙区の自民党勝利数/配分議席数を以下に示す。

北海道: 1/12
埼玉: 0/15
神奈川: 3/18
千葉: 2/13
東京: 4/25
愛知: 0/15
大阪: 1/19
兵庫: 1/12
福岡: 4/11

こうして見ると、都市圏での大敗北が明確に判る。九州というだけの理由で、福岡の大健闘が光る。3分の1以上を占めているからね。他は、もうボロボロ。埼玉と愛知は合計30議席のうち、一つも取れなかったという完全なる完敗。

今度は、自民が過半数の議席数を占めた都道府県を見てみよう。

福井: 3/3
鳥取: 2/2
島根: 2/2
高知: 3/3

これが自民完勝の4県。

青森: 3/4
山口: 3/4
愛媛: 3/4
熊本: 3/5
宮崎: 2/3
鹿児島: 3/5

過半数を獲ったのは青森を除けば、中国・四国・九州グループだね、と。まさしく「西高東低」の傾向が表れていますよね。


今度は、自民党が一つの議席もない都道府県を挙げると、

 岩手、秋田、福島、埼玉、山梨、新潟、長野、愛知、静岡、滋賀、長崎、大分、沖縄

の13県。次は、1議席しか獲得できなかった都道府県を挙げてみる。

 北海道、宮城、山形、茨城、栃木、石川、三重、大阪、兵庫、京都、奈良、和歌山、広島、徳島、香川、佐賀

の16道府県。


ま、これでは勝てないはずだわね。


最後に、敗者復活で、じゃなかった比例で復活した面々は意外な方々が入っていますな。今後の党内運営とか総裁や執行部選びなどに関しては、復活組は余計な口を突っ込まないようにした方がよいのではないのか?肩身が狭い、というのもあるだろうし、そもそも落ちてた人たちなのだから、選挙民には選ばれてはいないわけで。

主だった面子で目についたのは、

 小池、与謝野、額賀、甘利、鴨下、野田聖子、伊吹、高市、中川秀直、町村、武部

とかかな。こうしてみると復活された方々は、中々にしぶといですな。ぶっきーが生き残るとはね。惜敗率で77%前後に僅差の議員がひしめいていたのに、伊吹はしぶとく復活したのさ。惜敗率の1%程度の違いで、当落が分かれたのだ。真っ先に切られていいよね、って感じなのが、伊吹だったのに。武部も復活しなくても良かったのに、残念。中川昭一の方がまだマシだったんじゃないのか。



勝ち上がりの人たちの中では、谷垣や石破は総裁選経験者なので、党内の軸になる可能性はあるね。

石破は総裁には向かない人ではないかと思うけど(笑)。キモカワ系男子というか、オタ系議員というか、そっち方面で頑張れ。石原とか勝栄は、ひょっとしてチャンス到来とか思ってるかもしれないが、お呼びじゃないのでTVタックルみたいな俗番組でもやってりゃいい。後藤田や河野太郎なんかも、中々勝負強いな。



民主党の未知数

2009年08月31日 10時54分32秒 | 政治って?
遂に結果が出た。
国民の望んでいたものとは、「閉息の打破」だった。90年代初頭から続いてきた、閉息を打ち破れるのは「新たな政権」という思いを強めたからなのかもしれない。残念ながら私の選挙予想は、またしてもハズレだった。民主党が300議席を確保するなどとは、到底信じられなかったが、都議選の流れはそのままだったということなのであろう。国民の眼からすると、保身に走る自民党の情けない姿に「愛想が尽きた」という心境であったのかもしれない。

振り返ると、安倍政権が続いていたなら、或いは福田総理の時に一気に解散にうって出ていたなら、麻生政権誕生直後に解散していたなら、といった「if」が去来するかもしれないが、100人落選くらいで済んでいたのかもしれない。自民党は、その100人落選を受け入れられずに大騒ぎをして、混乱を招いた挙句に支持基盤からも見放され、更なる犠牲者の上積みを達成できた、というわけである。だからこそ、自公合わせて200近い議席を失ったのだ、ということ。まさしく土砂降りの台風ド真ん中の時に、雨宿りの軒先を離れていったようなものだ。そうして損害は確実に拡大し、当初被害見込みの倍近くの議席を失った。自業自得である。

今回選挙の第一の立役者といえば、やはり小沢ということになろう。小沢が民主党の空中分解を食い止め、群雄割拠状態だった党内グループを掌握し続けたということだろう。それ故、選挙に勝つ、政権奪取、という、「共通目標」を明確に掲げることができ、この旗印の下に民主党内の勢力を結集できたのが、勝因と言ってもいいのではないか。小沢は「選挙に勝つ」という結果を体現したからこそ、この旗印に疑念を抱かれることもなく結束が緩むということもなかったのである。何といっても、最大の成果は07年の参院選だったろう。あれが民主党内に「政権奪取は可能」という確信のようなものを植えつけたのだ。


今後政権を担う民主党は、どの程度の実力の持ち主なのか、誰にも判らない。これまで主食にしていたご飯を止めて、急に「毎日パンを焼くことにしよう」というくらいの大きな変化なのだから。早い話が、「やってみなけりゃわからない」ということになってしまうだろう。これまでパンを焼いたことなど一度もないのに、主食をパンにするには相当の勇気がいるのである。だが、大勢の国民はこれを選択した。それくらい現状に飽き飽きしているということなのであろう。果たして民主党はうまくパンを焼けるのか、それが心配の種なのである。


これまで政権運営をしたことのない民主党がその立場になった時、まず状況を把握し理解するのに時間を要するであろう。これまでの仕組みや流れを知り、その場に馴染んでゆくには多少なりとも時間はかかるものである。だが、政治は待ってはくれない。日々、対処を求められる。判断や決定の連続を強いられる。情報を十分知らない、慣れてもいない、という中にあって、実行するしかないという状況になるであろう。その時に、果たして正しく判断ができているか、決定は正しいのか、ということが問題になってくるだろう。

例えば、いわゆる「宙に浮いた年金、消えた年金」問題というのが以前は民主党の突破口だったが、自分たちが責任者となったら、これを迅速に解決に結び付けられるかどうか見物ではある。彼らは、安倍政権下で1年でやると約束したのにできなかったと責めていたのだが、期間限定で即座に解決すると約束してくれるかもしれない。民主党が政権を獲ったのなら、少なくとも1年以内に終わるはずであろう(安倍政権下での進捗は若干なりともあったろうから、ずっと有利だ)。

雇用問題についても、来年春くらいまでに失業率の改善が達成できなかったら、民主党には「派遣批判」などする資格などないのではなかろうか。それくらいのスピード感を持ってやらないと、今の経済情勢は厳しいということだ。批判するのと、実際やるのでは、大きく違うということを実感するだろう。そして、思いのほかうまくできない、ということを痛感することになるであろう。毎日ご飯を炊いていて馴れていたのを止めるのだから、初めからパンがそんなにうまく焼けるようになるはずないということだ。その時に、国民が失望に耐えられるかどうかというのが、今後の課題となるであろう。

それとも、思った以上に民主党がうまく運営して、すぐさま結果を出すかもしれない。そういう可能性は、ないわけではない。多くの国民がそういう期待を抱いたからこそ、民主党に賭けてみようと思ったのだろうから。


まずいパンを口にした時、後悔することをまず覚悟しておく必要があるだろう。