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Fukushimaの2010年6月の事故は、NISAの検査期間中だった件

2011年04月01日 18時45分34秒 | おかしいぞ
幾度も取り上げて申し訳ないが、昨年6月のFukushima第一原発2号機停止は、原子力安全・保安院の検査があった時だったようなのである。

福島第一原発(1F)の事故原因は本当に「Tsunami」だったのか?


で、経産省の文書を見つけた。

>http://www.nisa.meti.go.jp/oshirase/2010/files/220729-5-4.pdf

この検査報告書によると、保安検査実施期間から、6月17日は除外されているのだ。
それは、都合の悪い事象が発生していたからであり、東電とNISAが一体となって隠蔽工作を行ったようにしか見えないのである。

日程表では、6月7日から始まっており(p9)、1号機は3月と6月初旬に検査が行われた。第24回定期検査報告書では、3号機の「原子炉停止時の保安検査」が6月17日から21日となっていた(燃料取り換え時の保安検査は22日~29日)。
別添の日程表でも6月17日は検査日に入っていた(p4)。
この3号機に係る検査報告書は7月2日付だった(1号機のものは6月11日付)。


ところが、p10にある日程表では、6月15日だけが出ているのである。何故か16日~18日の部分がすっぽりと抜け落ちているのである。この3日間だけ何もしなかったのか?3号機の検査はやっていたはずなのに?
疑問に思うのも当然なのではないか?
最初の第一回保安検査報告書には6月17日部分がないのは、何か理由があるのではないのか?


因みに、5号機の安全保護系の作動確認、という試験が行われたようなのである。
これは、以下のように記述されている。

検査の結果、定期検査中の安全保護系の作動確認は原子炉保護系インタロック機能検査及び原子炉保護系設定値確認検査としてマニュアル及び検査要領書によって適切に管理され、実施されている。運転中の安全保護系の機能健全性はマニュアル、試験手順書等に従い、定例試験及び日常点検によって適切に管理され、実施されていることを確認した。
なお、定例試験は5 号機のスクラムテストスイッチによるサブチャンネルトリップ試験について、中央制御室で手順書に従い試験が実施されていること、定例試験手順書の不備が認められなかったことを確認した。


それと、抜き打ち検査として、「非常用電源ディーゼル発電機6A」の手動起動試験が行われたようである。


2号機は6月17日にスクラムから外部電源切替失敗となって、非常用ディーゼル発電を起動したがポンプ作動せず、隔離時冷却系で水位回復、というのが東電の発表であったはずだ。

3/12>福島第一原発事故~昨年の事故教訓を無視した東電の責任は重大

この記事中で紹介したように、2号機の全電源喪失というのは考え難いわけである。外部電源が失われたのはどうして?
ましてや、NISAの検査期間中であって、3号機は検査中だったわけだろう?
外部電源が全て失われていたとは、到底考えられない。非常用ディーゼル発電機を動かす必然性が判らないもの。
2号機のスクラムでも、電源は確保できる上、ディーゼル発電が行えたのなら、隔離時冷却系ではなく、高圧注水系を用いればいいはずだからである。


さて、ここで考えられるストーリーとは何か?
チェルノブイリ事故は、実験中に起こったという教訓が思い出されるわけである。つまり、いつもとは違った運転とか操作を求められると、ミスを犯したり、思わぬトラブルを招いたりする、ということである。


まず考えられるのが、NISAの試験が2号機で行われたのではないのか、というものである。で、試験実施によって、操作のミスか何かが発生し、実際の原子炉が停止に至ってしまい、その後のリカバリーも危うくしくじる一歩手前だった、と。
そうすると、NISAとしては、「検査を合格」とはできず、後々のプルサーマル計画の段取りに大きく影響してしまう、と。
そうなると、このミスはなかったことにしょう、といったことが起こり得るのかもしれない、という推論である。東電のNISAの一体となった関係というのがあるなら、ないとは言い切れないかもしれない。


他には、元々3号機のスクラム時の対応をNISAから通告されていたので、運転員たちが予行演習と思って、こっそり2号機で試そうとしてしまった、とか。
そうすると、うっかりミスをしてしまい、本当に緊急停止となってしまった上に、非常用電源のディーゼル発電をすべきではないところ、テストされる項目に入れられていたことから、これをやってしまった、と。
そうすると、外部電源が生きているので、ポンプ電源はそちらを優先するような機構とかになっているなら、非常用ディーゼル発電でポンプを起動しようとしてもできない、ということになってしまい、そうして、高圧注水系が動かせないという事態となり、みるみる水位が下がっていき、遂には隔離時冷却系で水位回復という事態に陥ってしまった、とか。


要するに、東電もNISAも検査期間中であったことを隠し、その時に発生した「非常にマズイ事態」を隠そうとしてしまったのではないだろうか、ということである。それは、年後半に予定されていた、プルサーマル計画をどうしても推進したかったから、というものではなかったか。
この時の、スクラム時の対応について、もう一度厳しく点検しトレーニングを積ませていたなら、1Fは果たして今のようなことになっていただろうか?

困った事象が発生して、これの責任所在をなくし、誰も見ない・知らないという、そういう腐った根性の組織だからこそ、今回のような事態を招いたのではないのか。悪かった部分にきちんと対処しよう、ということができないからだ。ミスを自ら認めることができない組織だからだ。


昨年のこの事件について説明がない限り、NISAや東電は信じることはできない。

もしも、真実を明らかにしてしまうと、当時の東電やNISAの人たちの責任論に発展する、ということがあるとしても、これを隠し続けることの方が問題だろうと思う。他の原発に深刻な影響を与えることになる。現在稼働している原子炉に、悲惨なバッシングを招くことになるだろう。