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東電(原発)擁護派は経済を知らないのか?

2011年04月22日 20時05分45秒 | 社会全般
今回の東電が招いた「Fukushima」原発の結果を見れば、その経済的損失は膨大になるであろうことは、一目瞭然であろう。
直接的には、避難地域の方々への補償に始まり、原子炉が使えないことやその処理費用などが加算される。
他にも、放射能漏れの恐怖等で日本忌避、日本製品忌避、そこまで行かないまでも輸入制限・規制、放射能検査の義務付け(証明書取得)のコスト、等々が更に上乗せされるわけである。

つまりは、広範に損失が及ぶということになるわけである。原発事故によって受けた損失が大きいのは間違いないのである。


東電が愚かなのは、地震の大きさや津波の大きさが想定できていたかどうか、その対策が届いていたかどうか、ということが本質なのではない。1000年に1度の災害だったかどうかが焦点なのでもないのだ。
単純に、今回の経済学的損失に比べれば、はるかに安価な対策を講じておく選択ができたにも関わらず、それを実施してこなかった、ということにあるのである。

別に、天文学的な対策コストがかかるという話ではない。それほど高度な対策は求めてないのだ。
対策コストが高くなって他の発電方式にコスト競争で負ける、というのなら、そのこと自体が経済学的比較において、原子力は劣っている・負けている、というだけのことだ。ああ、擁護派は、あえて劣っている方を選ぶのが合理的、とでも主張するつもりだろうか?(笑)


また例で考えてみよう。

自分が商品の運搬業を行っているとしよう。
商品には非常に壊れやすいものがあって、これをとりあえずタマゴとしよう。タマゴを運搬する時には、常に割らないように注意万全で運ぶ、ということになる。そして、これまでにも、小さく割れることなんかはあったわけだが、トラック満載の全てを割るといった経験はなかったわけである。
これをもって、「我々のタマゴ運搬は万全である、安全対策はバッチリだ」と豪語してきた、ということだ。まあ、割らずに運べる自信だけはあった、ということなのだ。

でも、タマゴが割れることだってあるんじゃないか、という指摘には、見向きもせずに来たのだ。「こうなればタマゴが割れるよ」と再三再四注意を促されてきたにも関わらず、「いやいや、大丈夫さ、そんなことは100年に1度も起こりやしないぜ」と言ってきたのだ。
でも、普通の思考力を有する人間ならば、運搬するタマゴが大量でそれが割れると大変な損害を被ると判っているなら、例えば「保険を掛ける」といったことを考えるのは普通なのではないのか?

ところが、だ。この保険料が惜しい、ということでケチったら、運搬していたタマゴをほぼ全部割ってしまって、会社が潰れる程に割れたんだ(笑)。こういうのをマヌケ、と呼ぶのではないのか?

保険料が1万円だとして、タマゴが割れて蒙った損害は1億円とかなら、普通の人なら「どうして、その1万円をケチったりなんかしたんだ!」って思うのではありませんか?
まともな思考力を持つ人間ならば、保険料を1万円払ってでも、損失を回避した方がいいと思うのではないのか?

しかも、運搬中にタマゴが割れた、ということを知っていたのだぞ?
全然割れたことがない、ということではなかったのだ。世界中で、いくつか割れていたし、割れる個数は少なかったから良かったものの、それでも「割れた」という事例はいくつもあって、学ぶことができたのである。
その上、自分自身でだって、過去にいくつか割る事故を起こしてきたのだ。そうなのであれば、「もっと大量に割れたら払えない程の損失を蒙るので、保険に入ろう」とか思うのが普通でしょう?

ところが、天下の東電さんは違った、ということなのだよ。


直近では、幾度も言うが、昨年6月の2号機スクラムがあったばかりだ。あの時の反省があれば、すぐさま「ああ、危ないな、こういうのは大量に割れる危険性があるな」ということが分かる事例だった。
政府幹部が言った、「1円を惜しんで拾おうとして、100円玉を落としたようなもの」とかいう比喩があったと思うが、まさしくそんな感じだ。

今回の膨大な損失を考慮すれば、もっと安い保険料で済んでいたはずのものを、わざわざ保険料を惜しんで賠償金を払うことにした、ということなのだよ。


もっと安価な保険に入っておけばよかった、というのは、どういうものがあったか。
電源喪失時の動きと対処法のトレーニングがまず挙げられる。これがまず問題だった。他には、非常用ディーゼル発電機に関する対策である。浸水等に無力というのと、同じような場所にあることがリスク分散にはなってなかった。非常用バッテリーについても同様。
もっと根本的対策を考えるなら、フォルスマルクの事例を検討し、電源の複系統化をする、というものだった。所内電源(原子炉間)、外部電源、等について、よく検討して対策を講じておけば、電源復旧の際に効果が期待できていたかもしれないのだ。この程度のことは、普通の発想の持ち主であれば、ごく当たり前のことなのではないかとしか思えないのである。


一般家庭で、電化製品を全部直列に繋ぐか?
電子レンジが止まったら、テレビも冷蔵庫も洗濯機もエアコンも全部ダメになる、なんてことはあるか?
そうじゃないでしょう?
並列というのは、そういうことでしょう?
レンジが壊れて使えなくなっても、「他は生きている(使える)」という意味でしょう?

この「他は生きている」ということが、どうして本職の電気屋さんに判らなかったのか、というのが不思議なのですよ。
もし、複系統化を実施するのにコストがかかるとか、原子炉を止めて工事しなくちゃならない、とか、そういう損失が発生するとしても、それは保険料という意味合いでしかないはずでしょう?その程度のコストで済むなら、そうしておくべきだった、ということなのに、それを惜しんでもっと膨大な損失を蒙った、ということなのですよ、東電は。

要するに、経済学的センスに決定的に欠けていた、ということなのでは。それくらい愚かな選択をしてしまった、ということなんですよ。プルサーマル推進を選択したのも、損害額をわざわざ拡大させた、ということなのですよ。
タマゴ運搬業者の例で言えば、例えば「庭飼育の有名地鶏の生んだタマゴ」みたいな高価なタマゴを運搬することにしたのに、それでも保険に入るのはもったいないから止めておこう、ということにしたわけだよ。「ちょっと待てよ、今度から高価なタマゴを運ぶから、安全度を確認しておこう」みたいに、よく考えればよかったものを、それをしなかったんだよ、東電も、行政も。
本当に「今ここで、保険に入らなくても大丈夫か」ということを、誰も検討したりしなかった、ということなんですよ。


はるかに安い対策費で済んだものを、取り返しのつかない膨大な損失に変えてくれた、ということです。
東電の言い訳は、「少年が自転車で走っていたら、自転車のタイヤで小石が跳ね上げられ、その小石が窓ガラスに当たって、その音に驚いたカラスが急に飛び立ち、そのカラスを見た猫が急に飛びかかろうとしてジャンプしたら、散歩中の犬が猫を追いかけようと勢いよくリードをぶっち切り、道路を横断してきたので、慌てた私はトラックのブレーキを踏んだが止まらなかったので、パニックになってハンドルを切ってしまって電柱に激突してしまいました、そうしたら運搬中のタマゴは全部割れました、こんな犬が突然飛び出してくるなんて想定できませんでした、だから責任ないよ、悪いのは全部少年かカラスか猫か犬です」みたいな話なんですよ。
そりゃ、想定できんわな(笑)、こんなの。
これで「想定外だったから、悪くない」という擁護派も、本物のアホかなと思う。


タマゴは割れたことがある、対策はいくつかある、割れた場合の保険もある、ということに違いはないわけで。ちょっとの思考力のある人間ならば、誰でも考えつく程度の話だったのですよ。


福島第一原発事故~昨年の事故教訓を無視した東電の責任は重大

Fukushimaの2010年6月の事故は、NISAの検査期間中だった件

続々・Fukushimaは人災か~隠蔽される福島第一原発の疑惑



続・土壌改良なんて、そう簡単にできるのか?

2011年04月22日 18時27分55秒 | 社会全般
昨日の記事に挙げたような、「ひまわり」や「菜種」でCsを吸い取らせる作戦も考えられているようです。

汚染土壌浄化「ヒマワリ作戦」…復興の象徴にも (読売新聞) - Yahoo!ニュース

(一部引用)

1986年のチェルノブイリ原発事故でも土壌浄化にヒマワリや菜の花が使われた。放射性セシウムは肥料の一つであるカリウムと性質が似ており、カリウムなどの肥料を与えなければ、ヒマワリなどはセシウムを取り込みやすい。
収穫したヒマワリは、焼却処分すると煙が出て放射性物質が拡散する恐れがあるため、堆肥作りに利用されている「高温好気堆肥菌」でヒマワリを分解させる計画だ。この菌による分解で、ヒマワリの体積は1%程度になり、放射性廃棄物の量を減らすことができる。


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焼却すると拡散するから、細菌による分解を使え、と。
なるほど。

やっぱり、高濃度地域は土を剥ぎ取る作戦だと、その土の処分に困るからね。ヒマワリなら、そんなに難しくはなさそう。

現実的なのは、こっちだろうと思うのだけれど。
これも想定の範囲内の話ではある。

”腐海”完成

ヒマワリは放射性物質の吸収効率が高い、という話は出ていたからね。



話は大きく飛ぶが。
アニメ「小公女セーラ」のエンディングは偶然「ひまわり」というタイトルの物悲しい曲なのだが、この歌が好きだった。
素晴らしい歌である。


『弱虫は 庭に咲く
ひまわりに笑われる
どんな時も太陽を 見つめてる~』

そうなんだよ。
ひまわりを思い出そう。
希望はある。



BPの巨額賠償訴訟

2011年04月22日 13時11分50秒 | 社会全般
少し前から気になっていたのだけれども、メキシコ湾の原油流出事故の顛末というか、どうやって流出を止めることができたのか、というのを、もうちょっと詳しく知りたいな、と。是非とも、ドキュメンタリーとかでやって欲しい、と思います。

で、BPは責任追及をされていたわけですが、掘削会社とかにも責任はあるよ、ということで提訴したみたいです。

英BP、原油流出事故の責任めぐりトランスオーシャンなどを提訴 | ワールド | Reuters


まあそうでしょうな。気持ちは判りますし。
そもそもは、BOPがきちんと機能してさえいれば、あんなことにはならなかったはずでしょうから。


で、一番の関心は、海底での作業のこととか、流出を止めたパイプとキャップがどういった構造になっていて、どんな作業・操作で止められたのか、ということですね。強烈な流出圧とか、それをどう対処したとか、そういうのが知りたいのですね。まさに「プロジェクトX」状態ですもんね。

それと、以前に当方が素人考えの余計な提案などを書いたものですから、結果がとても気になるのです。

メキシコ湾原油流出事故対策についての雑感

続・メキシコ湾原油流出事故対策についての雑感


キャップとか、言うのは簡単だが、現実に作業する人たちは本当に大変だったろうと思うんですよ。しかも、最初のハットタイプだったかの巨大な被せモノが失敗に終わったので、それからどういう改良を加えたのか、といったことも興味津々なのですよね。

ホント、どうやったのかな、と。