Cycle Log

トライアスロンのトレーニング、レース、機材、その他色々

最速ヒルクライマー5人が教えるヒルクライムトレーニング

2019-03-03 | 書評


 最速ヒルクライマー5人が教えるヒルクライムトレーニングを読了。もともと、あまり買うつもりの本ではなかったが、本屋でパラパラとめくってみたらかなり役に立つ話が書いてありそうなので、そのままレジに持っていき、すぐに読んでみた次第。

 今まで読んだ自転車関係のトレーニング本としては一番良かったかも。一言で要約すれば、「ヒルクライマーはSST10min×2をやりCTL100を目指しなさい」みたいな。トレーニング内容としては10分走を採用している人が多かったが、全く休養日を作らず毎日3時間トレーニングしている人もいれば、休養日を週に数日取っている人もいて、考え方は結構違う。巻頭には5人の対談もあって面白かった。出来れば、食生活やバイクのセッティングについても知りたかったが、トレーニングの内容だけでもこれだけ取材してまとめているのは立派、労作だと思う。

 去年買った「最強ホビーレーサー6人が教えるロードバイクトレーニング」は、トレーニング内容としてはLSD推しだったけど、私の場合LSDをやるだけの十分な時間を取れなかったので、成果はイマイチだった、特にヒルクライムについては。当分の間は、目標がヒルクライムレースなこともあり、SSTでFTPを向上させていきたい。














最速ヒルクライマー5人が教える ヒルクライムトレーニング
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日東書院本社

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最強ホビーレーサー6人が教えるロードバイクトレーニング

2018-06-20 | 書評
 ツール・ド・宮古島の前に、街の本屋に寄って立ち読みしたら面白そうだったので、そのまま買ってしまった、やめておけばいいのに。レース前に他人のトレーニング方法など読んだところで、あれをやっておけばよかった、これはやってなかったと後悔が出そうなので。が、かなり参考になり、意外に励まされる内容だったので、レース前でも買って良かったと結論した。

 本書は、有名強豪レーサーのトレーニング方法が紹介されているもの。そりゃすごいんだろうなと思って読んでみるのだが、誤解を恐れずに言えば、そんなにものすごいわけでもない。皆さん、多忙なサラリーマンで、時間をやりくりしながらトレーニング時間を捻出している感じ。そのトレーニング内容も、パワートレーニングのメニュー通り、強度を保って、インターバルで、だとかというわけでなく、体調とか気分に合わせてやりくりしているし、なぜかLSDがすごく人気。むしろ、トレーニングのモチベーションを保つため、工夫しているんだなという印象。個人的には、松木さんの章が一番参考になった。

 本書はまた、トレーニング内容でなく、各レーサーがペダリングの際にどんなことに気をつけているかなどの、技術的な部分もある程度フォローしているのがまた良い。

 タイトルだけ見ると、有名強豪レーサーのトレーニング内容に(まあ、大なり小なり脚色はあろうが)打ちのめされてしまいそうな本であるが、むしろトレーニングに行き詰まった時にこそ、励ましとして読める本。編集者の佐藤喬さんはまた良い本を作ったなと思う。














最強ホビーレーサー6人が教える ロードバイクトレーニング
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日東書院本社

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ロードバイクホイール徹底インプレッション2018

2018-03-08 | 書評
 自転車雑誌の記事の中でも、サイクルスポーツの、自転車道とホイールインプレは資料として保存している。バイシクルクラブみたいに、記事をまとめてムックとして出してくれると保管スペースが削減できるのだが(と言いつつ、今年1月以降は電子書籍で購入しているのでスペースが増えることはなくなった)。そんな中、サイスポのいつもの2人がインプレした、ホイールのインプレムックが発売されたので早速購入した。

 前置きのみならず、度々同じ趣旨のことが言われているのだが、インプレなんてあくまで個人の感覚の話なので絶対評価は不可能、だから記事を信じ込み過ぎないで、とのこと。その上で、自分たち2人が一般ライダーよりもインプレを書くメリットは、たくさんのホイールに乗ってきた経験と可能な限り試乗条件を統制していることとのこと。私はこの意見に試乗者の良心を見るが、逆に言えば、あくまで個人の感想であるというエクスキューズのもとに(こき下ろすまではしないが)結構好き勝手に言いたいことを言っており、それだけにかえって信用できるインプレだなとも感じる。

 内容について、主役はカーボンクリンチャー。一部のアルミクリンチャーを除いてはサイスポのホイールインプレで紹介されたホイールは取り上げられておらず、最近出始めのカーボンクリンチャーがメインになっている。個人的にはまだ、練習用はアルミクリンチャー、決戦用はカーボンチューブラーと思っているので、あんまりカーボンクリンチャーには興味が湧かず(基本的には軽いホイールが良いホイール)。どちらかと言えば、トライアスロン用にディープリムのカーボンチューブレスが出れば欲しいなと思うくらい。ボーラ・クリンチャーを筆頭に完成度の高いカーボンクリンチャーも出ているという紹介のされ方だが、最近話題のローヴァルCL(X)50が取り上げられていないのは不足だと思う。あと、個人的に気になっているVisionの紹介がなかったのは寂しい。カーボンクリンチャー(チューブレス)については当面様子見となりそうである。

 一方、アルミクリンチャーについては、シャマルとレーシングゼロの評価がやはり高いのだが、特にシャマルミレは是非乗ってみたいなと思わせるべた褒め具合。しかしながら、買うならチューブレス対応のシャマルミレを待ちたい。今使っているキシリウムプロエグザリットも気に入っているところであるし。マビックのチューブレスホイールもかなり良いようで、キシリウムプロエグザリットは既に旧世代化しつつあるようだ。

 インプレの基調はやはりマビック、カンパニョーロ(とフルクラム)の老舗メーカーのホイールは良いというところ。私が乗っているアンカーには似合わないが、どこかでボーラに乗ってみたいと思う。

 一方で、ホイールの良さとは、リムの軽さやスポークの張りによる剛性などの各要素の総和なのか、それとも総合的なバランスなのかという問題について、個人的に考えもする。サイスポの2人は後者の立場のようだが、よく言われるボーラのリムの(相対的な)重さをどう考えれば良いのだろうか。
 定評があるのはボーラウルトラ35チューブラーだが、私にはマイナーだがリムハイトが高くかつ重量の軽いスピード40Tの方が良いホイールに思える。2つの違いはリムと組み方の違いなので、基本的には軽くて固いスピード40Tの方が登れる良いホイールと思うが、人気があるのはボーラ。スポーキングによるしなりがあり、リム重量のため巡航時にスピードが落ちにくいところにみんな好みを見出すのかなと。どちらにも乗ったことのない私が言うのも意味がないのだけど……。どちらか選べと言われれば、私はスピード40T(かコスミツクアルチメイト)。














ロードバイクホイール徹底インプレッション2018 (洋泉社MOOK)
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洋泉社

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ロードバイク最速チューンナップ&メンテナンス徹底ガイド

2017-12-05 | 書評


 毎年、シーズンオフのこの時期には機材関係の面白い本が出ているような気がする。今年はこれ、なるしまフレンドの小畑郁さん監修のチューンナップガイドである。ロードバイクのメンテナンスについての本は数多あれど、チューンナップを主眼にした本は珍しい。しかも、監修がレーサーとしても有名な小畑さんなのが良い。

 内容としては、ジオメトリの読み方など基本となるものから、シマノコンポをベースにカンパニョーロのブラケットを取り付けたり、ハンドルにテニスラケットのテープを巻き付けたりというマニアックなチューンまで色とりどり。
 個人的には、フレームやハンドル、コンポーネントを含めた剛性の話(剛性を抑えた方がダンシングしやすいなど)、各社のホイールの設計思想、チェーンのメンテナンスが特に面白かった。特に、チェーンの注油の重要性は今まで思っていた以上だったので、今後気をつけようと思う。他にも、ディスクブレーキのことだとか、現役のメカニックに最新の機材がどういう風に映っているのか分かって大変興味深かった。さらっと読めてしまうが、良い本と思う。













ロードバイク 最速チューンナップ&メンテナンス徹底ガイド (洋泉社MOOK)
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洋泉社

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本音のホイール論

2017-05-05 | 書評
 安定の佐藤喬編集。編集者で本を選んで良いほど、自転車乗りにとって良い本を出してる方。今回はホイールについて。

 元シマノの技術者であり、独立してSacra-cyclingを立ち上げた田中良忠氏を迎えて著された本書。ホイールの技術的な面を田中氏、フィーリングなどの面をライターの吉本司氏を担当している。
 田中氏の考えとしては、ホイールで一番重要なのは剛性で、軽量性などは2の次。剛性に一番貢献するのはリム。アルミスポークやスポークの結線に特に優位性はない。などなど、大阪のホイール屋さんのブログを教科書にしてきた私にとっては混乱させられる内容も多い。誰に、なんのためのホイールを作るかという視点の置き方の違いかなとは思うのだけど。
 ところで、俗に「ホイール(リム)の軽量化は他の部分の軽量化の7倍の効果がある」とまことしやかに言われるけど、計算によれば2倍程度の効果しかないらしい。これくらいの数値なら、私のような体重が重めのライダーは軽量を突き詰めたホイールよりも剛性の高いホイールで押し切ってしまった方がいいのかなとも思う。各地の坂や峠で出しているベストタイムもほとんどC50で出したものだしね。
 本書については、今まで意外となかった、ホイールについての基本的な考え方や見方がまとまった良い本と思う。書かれていることの部分々々について批判する人もいるだろうけど、それも含めてこういう本が出て良かったのだと思う。こういう本が出たのも、田中氏のような技術者が企業から在野に放たれたという奇貨あってのものだけど。

 余談ながら、SACRAホイールについては(細かい性能や数値はともかくとしても)良いホイールだなと思っている。正直なところ、ロードバイクの見栄えを気にする僕にとっては、シマノやマビックといった大手ブランドホイールを履かせていることについての純正感みたいなものは譲れないのでSACRAホイールを買う予定はない。
 けれど、実業団に登録してクリテリウムやサーキットレースに出走し日常的に落車のリスクにさらされている人には、安価で十分な性能を持った手組のカーボンホイールは良い選択肢になるのだと思う。落車一つで、数十万の出費が発生したり、骨折などして救急車で運ばれる趣味というのも恐ろしい世界だが。














ロードバイク本音のホイール論
クリエーター情報なし
洋泉社

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勝つためのロードバイクセッティング

2017-05-04 | 書評
 連休を期に読み返し。安定の佐藤喬編集企画。
 この本は、日本の強豪アマチュア・ロードレーサーのバイクセッティングを取材し解説するというもの。ロードレースの部(ツールドおきなわを想定)とヒルクライムの部(全日本マウンテンサイクリングin乗鞍)の二部制。ヒルクライムの部はよくわからないので、ロードレースの部について。

 各ライダーの機材選びを見てると、剛性や軽量性、空気抵抗の低さなどよりも、まずは脚を残すためのバランスに配慮しているのが印象深い。ツールドおきなわという長距離、平坦長い、下りも多いというレースの特徴が出ている模様。廃盤になったTIME ZXRSを何名かが用い、ハブ回転が良い代わりに、重く横剛性の低いゴキソホイールが人気だったりする、しかもクリンチャー。路面抵抗やチェーン抵抗にも配慮がなされている。
 ピナレロF8やスペシャライズド・ターマックなど世界のレースでプロが乗り活躍するフレームや、今のところ世界最高ホイールのライトウェイトはあんまり人気がない。プロとアマチュアの世界は違うということだろうか。
 理論や数値よりもバランスやフィーリング重視の機材選びが意外となされてあて、その結果、機材に最適解みたいなものはなく、わりとバラけるのだなというのが印象。いろいろ自分で試してみろということか。














勝つためのロードバイクセッティング (タツミムック)
クリエーター情報なし
辰巳出版

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ロードバイクトレーニングの科学

2017-01-15 | 書評
ロードバイクトレーニングの科学 (洋泉社ムック)
クリエーター情報なし
洋泉社


 「ロードバイクの科学」というという本もあるが(こちらはこちらで名著)、今回は「ロードバイクトレーニングの科学」。ロードバイクトレーニング、と銘打ってはあるが、フィジカル、メンタル、機材、サプリメントと各章は様々な内容で、各テーマについて各回の第一人者が監修した内容が載っているという構成。編集者は、知る人ぞ知る佐藤喬氏。2014年全日本選手権に取材した「エスケープ」を書いたり、自転車雑誌にコラムの連載を持っていたり、栗村修関係の本やコラムの編集をしている方。
 この本は、具体的なトレーニング方法が書いてあるというよりは、ロードバイクについての最近の知見を集めた内容が記されている。例えば、筋肉についてはウォークライドの須田晋太郎、フレームについてはアンカーの中西安広が担当という風に。読んですぐに役に立つ内容が書いてあるというよりは、ロードバイク競技全般についての理解を深める為にちょっと考えさせる内容が多い。表や図が多く分かりやすいよう配慮されている。ロードバイクにまつわる科学についてのコラム集という感じ。そういう意味では、タイトルからすると肩透かしかもしれないが、とても面白かった。

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CYCLE SPORTS(サイクルスポーツ)2017年2月号の覚書

2016-12-23 | 書評
CYCLE SPORTS(サイクルスポーツ)2017年2月号
クリエーター情報なし
八重洲出版


 「ペダリング最終回答」なる特集を読んでの覚書。サドルの後ろに座り、骨盤を立てて、ハムストリングを使い、ケイデンス高めで、抜重のタイミングに注意したトレーニングを、冬の間にローラー台で集中してやろう。このところ、骨盤を寝かす練習ばかりしていたので(低い姿勢を取れる人は、どうやってあの姿勢を取っているのか分からん)。昔は、(バイクラの影響で)骨盤を立てた走り方をしていたはずなのだが、すっかり忘れてしまった。

 それと、今月のサイスポに自分の写った写真が載っていた、ちょっと嬉しい。

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Bicycle Plus(バイシクルプラス)vol.18

2016-12-21 | 書評
BICYCLE PLUS(バイシクル プラス) Vol.18 (エイムック 3557)
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エイ出版社


 「輪行の達人」という特集が気になって読んでみた。ツールドおきなわで飛行機輪行を経験したこともあって、輪行によるツーリングに興味を持ち始めたため。もともとは、フレームに傷がついたり、バイクが痛むのが嫌なので輪行を避けていたくらいなのだが。

 輪行特集だけあって、輪行袋の収納方法が何通りか写真入りで説明されていて、とても分かりやすかった。今まで雑誌の輪行特集があっても、写真が不足しててどうやってバイクを固定しているのか分からないことも有ったが、これでもかというくらい写真が載っていて、大変助かる。紹介される輪行袋の収納方法も、編集者がやってみたという教科書的なもの(だけ)ではなく、輪行マニアの実践的なやり方が幾通りも紹介されているので、自分に合った方法を選んだり、あるいはいくつかのやり方を組み合わせたりすることが出来るので尚更良い。他、半分広告みたいなものだが、各社の輪行袋等のグッズのインプレも参考になった。しいて足りない点を挙げれば、このムックに取り上げられている輪行は電車輪行だけで、飛行機輪行の話がないことかな。他、筧さんの酷道ツーリングとか、サブ的な読み物も結構面白かった。

 ムックとは別の話だが、シートバッグという大型のサドルバッグに荷物を積み込んだ1泊2日のツーリング(輪行に限らず)に興味を持ち始めている。自宅から日帰り自走で行ける場所はほとんど走ってしまったのと(西は御殿場、北は秩父、南は城ヶ島)、一年間レースをかじってみて(ほんとにかじっただけだが)一区切りがついたため。あと、車で旅行って、高速道路走っているばかりだし、意外と高くつくよねというとこ。まずは、今年の全日本選手権のコースだった、大島へ船輪行によるツーリングとか良さそうかも。

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月末の楽しみ

2016-10-21 | 書評


月末の楽しみ、サイクル雑誌3誌。
サイクルスポーツには、僕らの岩島店長の勇姿。
バイシクルクラブの新しい先生は、宮澤元選手か、一周回ってきた感じ。
そして、バイシクル21は情熱の斜め上路線(参考になる面白い記事、結構あります)。
CYCLE SPORTS(サイクルスポーツ)2016年12月号
クリエーター情報なし
八重洲出版

BiCYCLE CLUB (バイシクルクラブ)2016年12月号 No.380
クリエーター情報なし
エイ出版社

BICYCLE21 2016年 11 月号 [雑誌]
クリエーター情報なし
芸文社

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サイクルスポーツ2016年6月号「独走力」特集についての覚書

2016-04-24 | 書評
 今月号のサイクルスポーツ誌に、僕がここ数ヶ月研究していたことの答えのほとんどが書かれていたので覚書として記す。
 僕のライディング・フォームは、エ◯ゾ早川全盛期のバイシクルクラブ誌がその基礎にあるので、引き足を積極的に使いながらくるくると90rpm以上で回すものであった。そのため、セッティングもサドルが後ろ気味で背中を丸めて走ってきたが、最近はむしろ速く走るためにペダルを踏む乗り方の方が主流になってきたように思う。おそらく踏む方がレースなのでは主流の乗り方だろうと考えていたのだが、実際にどうすれば良いのかなかなか答えが出なかった。踏む、正確には体重を乗せるペダリングのヒントとしてきたのは、一つはいわゆるやまめの学校式のおじぎ乗り、もう一つが千葉のサイクル◯リーダムの店長が最速店長の連載や日記で伝える走り方である。
 おじぎ乗りは、体重をペダルに交互に乗せ続けることで「夢の永久機関」と呼ばれる体重で勝手にペダルがくるくると回る乗り方を目標としている。この乗り方については、僕はうまく再現ができなかったことと、主催者が述べるステム高めサドル低めのセッティング等が納得できなかったので、頭に留めはしたものの実践はしていなかった。(なお、やまめの学校の理論と理想はとても面白いので、一読を勧める)
 サイクル◯リーダムの店長の記事や発言については、まとまったものが出ていないので、HPの日記などから概要を拾ってきた。
・ハンドルとサドルの落差は大きい方がいい。(その方が有効なエアロポジションが取れ、体重がハンドルに乗らないからか)
・自分の教える乗り方なら、42km/hはそこそこ筋肉がある人であれば誰でも維持できる。鍛えれば45km/hも行ける。
・主動力は大腿四頭筋。ハムストリングスとか尻とか腰とかいろいろ言うけれど、結局全部大腿四頭筋で踏むことのバリエーション。
・とはいえ、筋肉を使うことよりも体重を使うことが大事。自分の筋肉だけで走ったら、37km/hも出ない。
・ケイデンスは低め(高くできる人もたまにいるが)。そのため、心拍数はあまり上がらない、最終局面まで心拍は取っておく。
・自分の乗り方には、ボーラのしなり方が合っている。
・腹筋をたくさんしている。
 
 やまめとサイクル◯リーダムについては、ペダルに体重を乗せるということ以外対照的であり、僕にとっては夢みたいなこの二つの乗り方を結び実現する方法を考えていたが、今月号のサイクルスポーツ誌の特集に、宇都宮ブリッツェンのプロ選手の乗り方ということで答えが書いていた。
 記事の表現に沿えば、僕の乗り方は「レベル2:後ろ気味に座って接線方向に入力する」の乗り方で脚を前に蹴り出し引き足にトルクを感じる乗り方であった。この乗り方のメリットはペダリングにトルクがムラなくかかり続けるので、ヒルクライム(や負荷をかけた固定ローラー)のような負荷がかかり続ける状況に強いことと、ハムストリングスという中程度の出力を長時間出し続けられる筋肉が主体なので、持久力があることである。僕が、体重が重い割にそこそこに登れる理由の半分はこれである。エン◯早川が勧めていた乗り方も、一応これに分類されるのであろう。(この乗り方も習得に結構時間がかかると思われるが)
 一方、今回重要なのが「レベル3:瞬間的に入力してあとは惰性に任せる」乗り方である。3時に体重をぽんと乗せペダルを押し下げ、引き足は腸腰筋でネガティブトルクが出ない程度に脚を持ち上げる。慣性を感じ、任せる。ケイデンスは80rpmがもっとも調子が良い。胴回りが逞しい。まさにサイクル◯リーダム的である。さらに、固定ローラーで手放し前傾をすることで、ペダルに体重が乗りペダルが勝手にくるくると回り出す、というやまめの学校と全く同じことも言っている。サイクル◯リーダムとやまめの学校は異質なもので、正直なところ繋がるとは思っていなかったが、同じものを目指しているのかもしれない。
 早速、固定ローラーで手放し前傾をやってみたが、僕はさっぱりできなかった。サドルから前にずり落ちてしまうのと、上体が支えられなかったためである。まずは、腹筋を含めた体幹を鍛え直すことだなと。それに、大腿四頭筋で体重を乗せて踏むという意識がなかなか持てないので、ローラーでイメージトレーニングが必要だ。
 興味のある人は、写真もふんだんに使って説明されているのサイクルスポーツ誌を読んだ方が早い。保存版。
 なお、おそらく負荷をかけた固定ローラーに乗り続けると「レベル2」になりやすいと思われる。引き足も積極的に使わないと、全然ペダルが回らないので。
 さらに、この「レベル3」乗りの究極はおそらくペテル・サガンがツール・デ・フランドルでカンチェラーラから逃げ切った際の高速巡航。腕を上ハンに預け、上半身を脱力しているのだが、脚がおそろしく軽くクルクル回っていた。過酷なレースの最終盤でかなり脚にも来ていたはずだが、体重をペダルに乗せることで、「夢の永久機関」を実現し続けることで効率的に走っていたのだろう。世界チャンピオン恐るべし。
 
サイクルスポーツ 2016年 06月号
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八重洲出版

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BICYCLE21を買ってみた。

2016-03-21 | 書評
 たまに、自転車屋で見かける(そしてAmazonにレコメンドされる)BICYCLE21を買ってみた。きっかけは、リオ五輪に出場確実になった、ブリヂストン・アンカーの内間康平選手が表紙&特集されているからだ。
 表紙に毎回「V」が並ぶ男くさい雑誌で、インターハイとか実業団レースとかを狙うかなりニッチな層に向けた雑誌である。実際、読んでみると内容も硬派、表現も「ばく進」とか「アンカー戦士」とか男くさい(笑)。マイナーパーツの広告が並び、(テレビにも映らない)日本のプロロードレースの記事が掲載され(ヨーロッパレースの記事はない)、フレームやパーツのインプレ記事はほとんどない。とはいえ、日本のプロロードレース界や自転車交通事情など、重要なことを真面目に書いている。
 市村雅敏元選手のパーツインプレとか、栗村修先生の連載など、バイシクルクラブやサイクルスポーツが物足りなくなってきたくらいの人には、おいしい記事が結構ある。特に、日本のプロロードレース界に興味を持つ人には良さそう(僕も、ブリヂストン・アンカーを応援しているのでちょっとかじっているのだ)。
 思ったより読みやすいので、しばらく購読してみようかなあと。
 
BICYCLE21 2016年 04 月号 [雑誌]
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芸文社

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宮澤崇史のプロの理論でカラダを速くするロードバイクトレーニング

2016-02-01 | 書評
 最近ロードバイクのトレーニング本をよく読んでいる。プロの名を冠した本は、そのプロの実体験をもとに書かれているだけあって、その考え方や割り切りが非常に参考になる。この宮澤崇史元選手の本では、「フレームは見た目で選べばいい」というふうに。
 この本は宮澤元選手がかねてから言い続けている「骨で踏む」技術を軸に効率的に速く走る方法について書かれている。「骨で踏む」とはつまり、自分の体重を骨に乗せ(筋肉をなるべく使わずに)ペダルを踏む技術のことである。この特徴的な表現を除けば、トレーニング本として目新しいことは書いてないように思うが、それだけに中級者くらいを中心に大切なことがポイントを押さえて書いてあるようにも思う。自分なりに、気になったポイントを挙げれば、
 ・スピードに「乗る」こと
 ・パーツの選び方
 ・感覚の重視
 ・固定ローラーの活用
 ・トレーニングメニューと筋トレ方法の紹介
といったところ。あまり理屈ばかり重視するのではなく、身体の調子や感覚に気をつけながら基本を身につけるようにという意見が僕には刺さるものだった。
 それ以外にも、選手としての体験や割り切りも適宜触れられており、読み物として面白い部分がある。トレーニング本としてもそうだが、プロの自転車選手の考え方に触れられることにも価値がある本だと思う。
 ……当たり前だが、魔法のように急に速くなる方法はない。

宮澤崇史の理論でカラダを速くするプロのロードバイクトレーニング
クリエーター情報なし
日東書院本社

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