ショップが主催の大規模試乗イベント彩湖モードへ。初来訪となる彩湖まで、RT9で2時間弱かけて来た。久しぶりに環八を走ったが、タクシーにクラクション鳴らされたりしんどかった。
試乗コースは彩湖を一周する5kmくらい。登りは短い急坂が3本あるだけなのでヒルクライムの性能を見ることは出来ず、巡航性の高いバイクの印象が良くなりがちなコースだった。
YONEX AEROFLIGHT 540(エアロフライト)
いきなりすごいロードバイク。エアロロードなのにとにかく振りが軽い、大したホイールも履いてないのに。ダンシングは勝手にバイクが倒れていく程。巡航性も高く、踏み心地も良い。スプリントもイケイケ。ネガは、ちょっとしたDA完成車が買える程の値札。
YONEX CARBONEX 500(カーボネックス)
小さめサイズしかなかった。今回、乗った中では一番普通のロードバイクだった印象。ネガもないが、特筆すべきポジもなかった印象。まあ、今回はヒルクライムがないので、本来の性能を活かせるコースでもなかったし。
BMC TimeMachine01Disc 540(タイムマシーン)
デザインの割に、非常にオーソドックスな乗り心地のロードバイク。登りはそこそこ。安定感があり、踏み応えが良くと巡航性は流石に高めでスプリントもそこそこ。試乗後、スタッフさんにどうでしたかと聞かれ、回転数よりもトルクで走ると良い感じですね、と言ったら当たっていたようで、そういうコンセプトのバイクです、という返答をもらった。ブランド自体、そういうアナウンスをしていたと思うが、ロードレースというよりもグランフォンド向けのバイクである。ツールを入れるためのボックスも標準付属だし、ロングライドを楽しむのに良いなと思った。
BMC TeamMachine SLR01Disc 540(チームマシーン)
今回の本命バイク。リッチー・ポートにはこのバイクでもっと活躍してほしかったな。タイムマシーン程ではないけど、チームマシーンも安定感高め。一方、当然ながら巡航性よりも運動性に性能を振っているので、登りも良い。今回の試乗のチョイ乗りでは、鮮烈なインパクトがない分BMCのバイクは割りを食っている感じもするが、踏み心地がよく練られており、長く付き合っていく程に愛着が湧くのではないかと、振り返って思った次第。なお、タイムマシーンよりもチームマシーンが好きという点で、スタッフさんと意見が一致した。
ここまで乗って、お昼ご飯を食べて休憩。セブンイレブンで買って来たパンを食べて、ピクニック気分。好日。
(写真を撮り忘れた)
SCOTT FOIL RC Disc 520(フォイル)
超巨大スポーツカンパニーの参加に入った、という意味で資本力の強さで気になる最近のSCOTT。とは言え、設計がちょっと古くなってきたかなと思っていたフォイルがすごく良かった。エアロロードなのに登りをするすると振りも軽く登ってくれる。また、当然ながら巡航性が高く高速を維持しやすい。スプリントも行け行け。走りの質で言えば、今回最も好みだったかも。
SCOTT Addict RC Disc 520(アディクト)
フォイルが良かったので、乗る予定になかったアディクトも追加、乗った順番としてはもっと後半だが、記事の都合上、フォイルの直後に記述。フォイルと比べるとしなやかな感じで、登りではパーンとパワーで登っていくよりももっとしなやかに登っていきそうな感じ。巡航性も悪くないが、やっぱりフォイルの方が好きかな。
Capter2 Tere Disc 530(テレ)
ニールプライドのデザイナーのマイク・プライドが立ち上げた新ブランド。ちょうどプレゼンを聞けたのだが、マイク・プライド自身が170cmと比較的小柄なため、自分の身長のサイズ(Sサイズ)で一番カッコ良くなるようデザインされているとか。特にその恩恵はエアロロードのRERE(レレ)で大きいと。また、カーボンは東レ製を使用し、中国の最先端の工場で生産し、その近くに在庫しているため、品質の割に安く出来ているとか。
TEREは、オールラウンドロード。軽量性とエアロ性を両立していると。発表した後、ドイツの大ブランド(キャ○オン?)にデザインを模倣されたとか。性能は巡航性も運動性(登坂)も水準以上で、飛び抜けているとは言わないがかなり良い感じ。これで30万円なので、今回のコストパフォーマンス賞である。ネガは、チャプター2というパッとしないブランドネームくらいだろうか。なお、プレゼンしていた西洋人のスタッフはこのバイクにスピナッチバーを付けてトライアスロンのバイクパート90km超を40km/hオーバーで駆け抜けたとか。
Pinarello F10 Disc 530
ツールドフランス連覇の大正義バイク。恐竜の骨みたいなフレームだと常々思っている。乗ってみると、登りも平坦も進みに進み、スプリントもかかるがそれらが万全の安定感で支えられていて、何をしても破綻しない。踏み心地も整っていて意外なほどオーソドックスな乗り味。さすがのスーパーバイクである。
LOOK 785 BLADE RS 529(ブレード・アールエス)
奇抜なバイクの多いルックのなかではオーソドックスなロードバイクでかつ、組み替えればTTバイク様にも使えるということで気になっていたバイク。
踏んだ感じは、本日乗ったバイクの中ではかなりゆったりしている。また乗り心地もゆったり目。登りでダンシングをしてみると……あれ、バイクが倒れない。腕力で振ってようやく倒れるくらい。スプリントでもそんなに伸びない……。グランフォンド向けのバイクだなと結論。ルックらしい尖った感じが欲しいなら別のラインナップなんだろうなあと。シートポストにトライアスロン向けにボトルケージの穴が開けてあったり、レースバイク的なピュアネスには欠ける印象。
というか、このバイクには低圧のチューブレスタイアが穿かされていたので、その印象が強く出たのかもしれない。割と高圧気味のタイヤが好みだもので。リムブレーキの乾いた感じのフィーリングはかなり良かったのだけど。
なぜかこれの返却時に、ショップのスタッフさんにコルナゴのコンセプト(今回なし)は良いフレームですとアナウンスを受けた。
Specialized S-Works Venge Disc 540 (ヴェンジ)
アマチュアレーサーの熱い視線を受けるヴェンジ。乗り始めからして、雰囲気が違う。登りのダンシングも軽く、ペダルがすっと滑らかに下りる。平坦でもペダルがすっと下りる感じは変わらず、巡航でもスプリントでもスピードが上限知らずに伸びていく。凄いバイクだ。ロードバイクをうまく進ませる、というような面白みはないがとにかく速い。
Specialized S-Works Tarmac Disc 560(ターマック)
540をお願いしたら、あなたの身長だとこれでしょうと560を出されてしまった。まあ、ミドルサイズの方が試乗の需要多いからなあ。
サイズが大きく前傾が緩いものの、ヴェンジもそうだったがターマックも非常にかっちりした印象。スペシャのバイクはフレームがたわむとかしなるとかいう感じがなく、とにかくペダルが下りる。その上で、ヴェンジと比べるとダンシングのヒラヒラ感が印象。蛇行しそうなほどバイクが軽やかに倒れていく。コンタドールごっこが出来る。巡航性ではヴェンジ以上にペダルを下ろすためがなく、踏んだら踏んだだけ進む印象。その分、巡航とスプリントの最高速度はヴェンジに劣る印象だが、個人的な好みではこちらかな。スペシャはホイールや各種ベアリングの良さもあるのだろうけど。
ディスクブレーキについて
今回の裏テーマ、ディスクブレーキ。初めて使ったけど、やっぱりかっちりしている。その上で、ワイヤータイプは唐突に効き、油圧タイプはしっとりコントローラブルに効く。でも、フィーリングはまだリムブレーキの方が好きかなあ。ブレーキそのものよりも、ディスクブレーキ型のスルーアクセルの安定感が印象的。フレームとホイールに一体感が出てきて、コーナーでも曖昧な感覚が減る。
総評
やっぱり10min程度で長めの登りもない試乗では確かなことは言えないが、鮮烈な印象を受けたのはエアロフライトとスペシャの2台、それとフォイルかなあと。走れば買うとか、安ければ買うとかいうわけでもないけれど。残念だったのがアンカーの試乗車のサイズが小さ過ぎて乗る気にもならなかったこと。
あと、これだけ試乗すると自分の好みも見えてきた。ダンシングはヒラヒラと軽く、平坦では1時から3時くらいの踏み応えがあるというのが理想か。今回の中ではエアロフライトかターマックが理想に近かったかなと思う。
また環八をRT9で2hかけて帰宅。色々乗ったけど、やっぱり自分のバイクは良い。