廣島パイレーツ・チャンネル

広島の名も無き”田舎侍”が地元プロスポーツを中心に色々と書いて行く過激なスポーツコラムや、広島の市政や街づくりについても

ハードボイルド時代劇 『筆殺仕立人』 第弐話:本

2008-04-06 23:23:23 | Weblog
 私はライバル・横浜と戦うべく横川の町から太田川の川べり(寺町側)を歩いて市民球場へ向かう。 川べりの桜並木はほぼ満開になっており、木の下は花見客が一杯いた。 去年の開幕の頃も桜は咲いていたが、こんなに人がいたっけ... いつの間にかこの桜並木が有名になったとでも言うのだろうか? 世の中分からない事が多いが、とにかく広島の桜もやっと満開になった事だし、開幕から湿りっ放しのカープ打線もいい加減”満開”になって欲しいものだが。 思ったのだが、打てないなら打てないでそれならとにかく盗塁を狙えば良いのでは? 現在、カープの三塁ベースコーチをされている高さんはどちらかと言えば守備固め等で活躍された選手で、現役時代に盗塁とかほとんどやっていないのではと思うのですが、それならそれで盗塁する判断は選手に任せ、出塁したり代走に起用されたらアウトになる事など恐れずとにかく走る。 打線が低調だと言うのなら打席の打者がヒットを打つ確立より、自分が盗塁成功する確率の方がわずかに高いと合理的に考えてアウトなど恐れず走って何か活路を見出すべきだと思います。

                  

 そうこうしている内に市民球場はもうすぐだ。 私は相変わらず人の居ない中華庭園で応援用の赤Tシャツに着替えて市民球場に乗り込む。 入ってみると試合開始40分前にも関わらずライトスタンドはほぼ一杯で、私は席を探すのに一苦労させられた。 それでも私一人くらいどうにか潜り込んだけど。 そして試合開始30分前になり、両チーム先発メンバーが発表された。 先発投手はカープが長谷川投手で横浜は高崎投手だ。 高崎投手は先週、大阪での開幕カードに先発したものの序盤で打ち込まれてノックアウトを食らっていたのだが今週も投げるのか。 それだけ期待されていると言う事なのか。 カープはここ数日同じ打順だな。 横浜も基本は同じだが捕手が斉藤(俊)なる選手になっているな。

 試合は始まった。 昨日まで打てない上にエラーで若い投手の足を引っ張っていた同じ野手陣とは思えない打線の爆発に加え、再三の攻守で長谷川投手を救っている。 特に前田選手は横浜・吉村選手の”ホームラン”をフェンスに手を掛けて目一杯伸ばしたグラブでもぎ取り、クロスゲームをワンサイドゲームに変えた大殊勲だったな。 昨日のサヨナラ勝ちで吹っ切れたのか、突然の大変身でカープ打線は一日にして5分咲きから一気に満開になった。 一方、大敗した横浜は投手陣が厳しいな。 特にあのヒューズと言う投手はとてもクローザーを任せられるとは思えないし、イーグルスが先発要因だった青山投手をクローザーに配置転換して躍進の原動力とした様に、誰か適任者を探してクローザーを固定するべきでは。

 ただ、大敗の中にも石井(琢)選手は10点差以上付けられた中で内野ゴロを打ち、それが一瞬の差で一塁アウトになった際、ヘルメットをグラウンドに叩き付けて悔しがるなどあの闘志があればまだまだ横浜は大丈夫でしょう。 ホームランを打った吉村選手(前田選手に捕られて一本損したかも)や内川選手など若手が元気だし、後は四番の村田選手が復調すればチームも乗って行け...と思ったがやはり投手陣を何とかしないと。

                   

 カープの方は打つわ打つわで17点、打てない打線に慣れているからか、突然の打線爆発に機械が付いて行けずにスコアボードが故障し、8回は結局何点入っているのか分からなくなる椿事まであった。 ライトを守っているアレックス選手も満塁ホームランを打ったのでその次の守備に就く際に私は一人立ち上がって拍手するアメリカ型のスタンディングオベーションで迎えた。 本来ならワンサイドゲームでやる事では無いのだが、満塁ホームランだったので景気付けくらいしてもバチは当たらないだろう。 私の他にも立ち上がって拍手する観客も居て、アレックス選手も帽子を取ってお辞儀し、恐縮していたみたいですが...

 さて、試合も勝った事だし、私も最後に一仕事だな...

                   

「横浜の高崎投手でしょうか?」

「そうですけど、あなた誰? サインはちょっと今は勘弁して...」

「闇の仕立人、”駿河守”だ。 この刀のサビになってもらうぜ。」

「仕立人!? ちょっと待って、何で俺が斬られ...」

「甘えるんじゃないわ!」

 





「......峰打ちでござんす。」



 あんたは寺原投手と同じ九州の出身だろう。 だったら彼の体験を聞けば良いのさ。 勝手に私が代弁するが、彼は「ホークスに居た頃、投げたかった。 とにかく投げたかった。 お前は贅沢なんだよ。」と思っているのではないか。 寺原投手がかつて居たホークスは毎年の様にアマチュアの有力新人が入って来て、高卒から入って育った寺原投手はなかなか先発で投げるチャンスをもらえなかった。 元々ホークスファンだったみたいだが、入団はドラフトのクジで決まって別に自分で決めて入ったチームじゃ無い。 出番に恵まれない中、結婚し、子供が出来て「このままクビになってたまるか、絶対に生き残ってやる! 一度でいいから先発で投げるチャンスを下さい! 結果を出せる様、毎日練習しているのですから。」と当時は思っていたのだと私は考えているのだけど。 あんたは投手が足りない今の横浜のチーム事情の中で”仕方なく先発をやらされている”と思っているんじゃないの? 横浜の投手コーチはもちろん、寺原投手もそんなあんたをもどかしく思っているのではないかと勝手に想像しますけどね。

 本当は大矢監督を斬るはずだったのだが、こんな試合展開では気が乗らないので次に夏に対戦した時に取っておく事にします。 ドラフト逆指名なんて中途半端で下らない事をやって若い選手を甘やかしたプロ野球のツケがこんな所に出ているのかも。 とにかく、”エリカ様”に報告して引き上げるとしましょう。


「”エリカ様”、仕立完了しました。 これより撤収します。」

             

 とにかく今季初めての野球の仕立も無事完了しました。 休む間も無く来週はドラゴンズとの試合がある。 開幕カードで一勝も出来なかった借りは来週末に倍にしてお返ししてやらないと...





                 続く







                 キャスト



駿河守/ナレーター     管理人さん




港星の先発投手       高崎健太郎(横浜投手)

鯉の先発投手        長谷川昌幸(カープ投手)



ハマの斬り込み隊長     石井卓郎(横浜内野手)

港星のクラッチヒッター    仁志敏久(横浜内野手)

ハマのキャプテン       相川亮二(横浜捕手)

ハマの流星          内川聖一(横浜外野手)

男・村田            村田修一(横浜内野手)

ハマのしぇからしか砲    吉村祐基(横浜内野手)



鯉のストッパー        B・コズロースキー(カープ投手)

鯉の中継ぎエースA     横山竜士(カープ投手)

鯉の中継ぎエースB     岸本秀樹(カープ投手)

鯉の新星           天谷総一郎(カープ外野手)

鯉の斬り込み隊長      梵英心(カープ内野手)

サムライ前田         前田智徳(カープ外野手)

鯉女房A           石原慶幸(カープ捕手)

赤ゴジラ           嶋重宣(カープ外野手)

鯉の主砲           栗原健太(カープ内野手)

喜田.GO          喜田剛(カープ内野手)

アレックス          A・オチョア(カープ外野手)

スライリー          ????(カープ公式マスコット)

カープファンの町娘      ????(会社員)


横浜ファンの皆さん

カープファンの皆さん



ハマの水先案内人      大矢明彦(横浜監督)

マーティー監督        M・ブラウン(カープ監督)





エリカ様            ?????(女優)





                 スタッフ


製作              管理人さん

脚本              管理人さん

演出              管理人さん

音楽              無し

殺陣              管理人さん

美術              管理人さん

資料協力           週間ベースボール

撮影協力           広島市
                 広島市民球場
                 広島カープ球団
                 横浜ベイスターズ球団
                 広島城
                 横川胡子神社

監督              管理人さん





 この物語は一部フィクションであり、実在する人物、団体、地域とは関係無い...ところが含まれております。


 ...異常です。
コメント
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