今日はドラゴンズとの戦いの為に市民球場へ行く日だ。 いつも通り横川の町から歩いて市民球場に向かうつもりだったが、家を出るのが思いのほか遅くなって座る場所があるのか不安になったので仕方が無く横川駅から路面電車で市民球場へ。 何か去年も同じドラゴンズ戦でこんな事があった様な気がする。 同じ電車にドラゴンズの法被を着た子供が乗っていたのだったな。 そんな事を考えながら球場へ向かう。 球場前の電停で下車し、球場前で配っていたカープのフリーペーパー『ホームラン』をもらう。 月刊誌とは言え地元チームのフリーペーパーが出来ると言うのなら、例えばサッカーみたいなマッチデープログラムを作って各入口で配ってはどうかとも思いますけど。 野球版のマッチデープログラムとは三連戦単位で作り、両チームの主な一軍登録メンバー、今回の三連戦で先発が予想される先発投手、そしてこの三連戦の見所などを紹介する。 経費は地元企業の広告を募るとか...
そんな事を考えながら外野席ゲートに到着して観客席に入ったが、スタンドは意外と空いていて余裕で座れてしまった。 先週は込んでいたのだが、今日は雨が降りそうな生憎の天気だったのでカープファンの出足が悪かった様だ。 一方でレフトスタンドのドラゴンズファンは結構居るな。 外野席の上段部分を完全に押さえるほど入っている。 いつもながらドラゴンズ戦はレフト側の入りが多い。 名古屋は広島から決して近くは無いはずだが、一体どこからこれだけ来ているのやら? 試合中もこのアウェーの客はテンションが高く、ライト側のカープファンもフィールド上の選手達も時折レフト側ドラゴンズファンの応援を眺めたりしていた。
試合開始30分前、先発メンバーが発表された。 ドラゴンズが吉見投手でカープは長谷川投手なのは予想通りとして、カープが昨日の快勝からメンバーと打順を大幅変更したのは驚いた。 普通上手く行ったものは次に負けるまで変えないのが普通だと思うが。 昨日は一番に天谷選手、二番に赤松選手を起用してその”足”でドラゴンズをかき回して勝ったのに今日は二番に梵選手、七番に石原捕手を入れた開幕戦と同じ打順! 昨日上手く行ったものをわざわざ変えて開幕カードで失敗した打順をわざわざやる発想が理解出来ないな。 私は今季のカープは機動力を重視した戦術を採ると思い、オープン戦で本当にそうしたので期待していたが結局は普通の打順にしてしまうのだな...
試合は始まった。 初回長谷川投手がドラゴンズの二番・井端選手のヒットから連打を食らっていきなり2点取られ、その後もドラゴンズに小刻みに加点されて5回5失点ノックアウト、一方のカープ打線は吉見投手からヒットを打つもチャンスに打てず、敗戦処理で登場した青木(高)投手も2失点してゲームは7-0と敗色濃厚に... 青木投手もこう言う時に好投して先発ローテーションに入っている投手達にいつでも取って代わってやると言う危機感を与えて欲しかったのだが。 ヒットを打っているのに点が入らないのは打順が悪かったからだろう。 それに今日はタイムリーヒットが出ないなら機動力で打開しようとする気配も無いし...
いよいよ9回裏、天気が悪いながらも何とか無事にここまで来たな。 このまま完封させてなるかと私は外野席の最前列まで出て応援する。 一方的な展開になって回りの客が帰ったのでやりたい放題である。 私は持っているグラブでホームランを手招きし、更に低いフェンスからグラブを突き出してフェンス際の打球を外野手から強奪してホームランにしてやると言うジェスチャーをしてドラゴンズ、そして完封目前の吉見投手を心理的に揺さぶろうと最後の抵抗を試みる。 それが通じたとも思えないが、勝てないまでも完封負けだけは防げそうなチャンスが来た。 しかし今度はドラゴンズがイニングの途中にも関わらず既に守備固めで入っていた”強肩男・英智”に加えて藤井選手も投入して守備固めを追加した。 オレ竜め、間を入れたな... そして最後のチャンスは梵選手があっさりと打ち上げて試合終了、梵選手は前みたいに下位打線で気楽に打たせた方が良いのでは...
試合を見ていて思ったのだが、同じ早いカウントから打つにしてもドラゴンズの方は投手の吉見選手に至るまでとにかくファールで粘って何としてもヒットを打ってやると言う気迫も執念もあった。 ケース打撃がどうのこうのより、カープが優勝争い出来るチームに生まれ変わる為にはそう言う部分こそ必要なのではと思いました。 今日の長谷川投手の出来は確かに悪かったけど、それよりもこの試合を何としても取って(三連戦を)勝ち越すと言う勝利への執念や気迫で負けていた。 オフに補強し、カープの戦力がそんなに劣るとは思えないのですが、勝ちたい試合をどうしても取ると言う部分での精神面を強化しなくては...
とにかく今日の試合は負けた。 レフトスタンドではドラゴンズファンが気勢を上げている。 私は開放された内野席に移動しながらそれを見て、そして内野席の正面ゲートから外に出た。 悔しいが私も(自称)武家の名門、勝者への敬意を表す為にドラゴンズのチームバスを見送ってやるか...と球場前の歩道に出た瞬間、視線を感じて顔を上げるとドラゴンズのチームバスが目の前を通過して行った。 オレ竜は帰るのも早いらしい... 顔を上げた瞬間、ドラゴンズの和田選手と目が合った気がした。 WBCやオリンピック予選の時、出番に恵まれなかったのに腐らず、黙々とチームをまとめてWBC優勝など日本代表チームに大きく貢献してくれた事には本当に感謝しているが、敵としてはやはり嫌な打者だな...
さて、”エリカ様”を元締めにお迎えして初めて負けてしまったな。 こう言う場合もやはり簡潔に報告する方が良さそうだ。 私はポケットから携帯を取り出す...
「”エリカ様”申し訳ありません、仕立に失敗しました。 これより現場を離脱、撤退します。」
気を取り直し、私は近くの広島城で葉桜になりかけている桜で名残の花見をした。 花を見ているとドラゴンズのユニフォームを着た若い男が天守閣に入って行く。 せっかくだから名乗って交流してやろうかと思ったが、「カープファンの者です、ネット上では”駿河守”と名乗っています。」とでも言ったら「貴様か!ウチの監督を斬ろうとしている狼藉者は!」とボコボコにされるかも知れないので止めておこう。 その後行った広島駅でもドラゴンズファンらしき人を何度か見ましたし、やはり地元のチームを持っているとそれが遠方から地元に人を呼ぶ事もあるのだと思いました。 順調にJFLを戦っているサッカーの岡山も早くJリーグ入りを果たして全国からサポーターを岡山に呼べる様になれれば良いのですが。 サッカーと言えばサンフィレッチェはJ1昇格のライバル・C大阪にホームで4-1で快勝したらしい、良かった。
続く
キャスト
駿河守/ナレーター 管理人さん
竜の先発投手 吉見一起(ドラゴンズ投手)
鯉の先発投手 長谷川昌幸(カープ投手)
竜の斬り込み隊長 荒木雅博(ドラゴンズ内野手)
竜の好打者 井端弘和(ドラゴンズ内野手)
竜の万能選手 森野将彦(ドラゴンズ内野手)
中村ノリ 中村紀洋(ドラゴンズ内野手)
強肩男・英智 蔵本英智(ドラゴンズ外野手)
獅子から来た男 和田一浩(ドラゴンズ外野手)
韓国の安打製造機 イ・ビョンギュ(ドラゴンズ外野手)
竜の正捕手 谷繁元信(ドラゴンズ捕手)
竜の主砲 T・ウッズ(ドラゴンズ内野手)
鯉のストッパー B・コズロースキー(カープ投手)
鯉の中継ぎエースA 横山竜士(カープ投手)
鯉の中継ぎエースB 岸本秀樹(カープ投手)
鯉の先発投手候補 青木高広(カープ投手)
鯉の二塁手 東出輝裕(カープ内野手)
鯉の遊撃手 梵英心(カープ内野手)
鯉の斬り込み隊長 天谷宗一郎(カープ外野手)
サムライ前田 前田智徳(カープ外野手)
喜田.GO 喜田剛(カープ内野手)
アレックス A・オチョア(カープ外野手)
赤ゴジラ 嶋重宣(カープ外野手)
鯉女房 石原慶幸(カープ捕手)
鯉の主砲 栗原健太(カープ内野手)
スライリー ????(カープ公式マスコット)
ドラゴンズファンの皆さん
カープファンの皆さん
オレ竜の指揮官 落合博満(ドラゴンズ監督)
マーティー監督 M・ブラウン(カープ監督)
エリカ様 ?????(女優)
スタッフ
製作 管理人さん
脚本 管理人さん
演出 管理人さん
音楽 無し
殺陣 管理人さん
美術 管理人さん
資料協力 週間ベースボール
撮影協力 広島市
広島市民球場
広島カープ球団
横浜ベイスターズ球団
広島城
横川胡子神社
監督 管理人さん
この物語は一部フィクションであり、実在する人物、団体、地域とは関係無い...ところが含まれております。
...異常です。
そんな事を考えながら外野席ゲートに到着して観客席に入ったが、スタンドは意外と空いていて余裕で座れてしまった。 先週は込んでいたのだが、今日は雨が降りそうな生憎の天気だったのでカープファンの出足が悪かった様だ。 一方でレフトスタンドのドラゴンズファンは結構居るな。 外野席の上段部分を完全に押さえるほど入っている。 いつもながらドラゴンズ戦はレフト側の入りが多い。 名古屋は広島から決して近くは無いはずだが、一体どこからこれだけ来ているのやら? 試合中もこのアウェーの客はテンションが高く、ライト側のカープファンもフィールド上の選手達も時折レフト側ドラゴンズファンの応援を眺めたりしていた。
試合開始30分前、先発メンバーが発表された。 ドラゴンズが吉見投手でカープは長谷川投手なのは予想通りとして、カープが昨日の快勝からメンバーと打順を大幅変更したのは驚いた。 普通上手く行ったものは次に負けるまで変えないのが普通だと思うが。 昨日は一番に天谷選手、二番に赤松選手を起用してその”足”でドラゴンズをかき回して勝ったのに今日は二番に梵選手、七番に石原捕手を入れた開幕戦と同じ打順! 昨日上手く行ったものをわざわざ変えて開幕カードで失敗した打順をわざわざやる発想が理解出来ないな。 私は今季のカープは機動力を重視した戦術を採ると思い、オープン戦で本当にそうしたので期待していたが結局は普通の打順にしてしまうのだな...
試合は始まった。 初回長谷川投手がドラゴンズの二番・井端選手のヒットから連打を食らっていきなり2点取られ、その後もドラゴンズに小刻みに加点されて5回5失点ノックアウト、一方のカープ打線は吉見投手からヒットを打つもチャンスに打てず、敗戦処理で登場した青木(高)投手も2失点してゲームは7-0と敗色濃厚に... 青木投手もこう言う時に好投して先発ローテーションに入っている投手達にいつでも取って代わってやると言う危機感を与えて欲しかったのだが。 ヒットを打っているのに点が入らないのは打順が悪かったからだろう。 それに今日はタイムリーヒットが出ないなら機動力で打開しようとする気配も無いし...
いよいよ9回裏、天気が悪いながらも何とか無事にここまで来たな。 このまま完封させてなるかと私は外野席の最前列まで出て応援する。 一方的な展開になって回りの客が帰ったのでやりたい放題である。 私は持っているグラブでホームランを手招きし、更に低いフェンスからグラブを突き出してフェンス際の打球を外野手から強奪してホームランにしてやると言うジェスチャーをしてドラゴンズ、そして完封目前の吉見投手を心理的に揺さぶろうと最後の抵抗を試みる。 それが通じたとも思えないが、勝てないまでも完封負けだけは防げそうなチャンスが来た。 しかし今度はドラゴンズがイニングの途中にも関わらず既に守備固めで入っていた”強肩男・英智”に加えて藤井選手も投入して守備固めを追加した。 オレ竜め、間を入れたな... そして最後のチャンスは梵選手があっさりと打ち上げて試合終了、梵選手は前みたいに下位打線で気楽に打たせた方が良いのでは...
試合を見ていて思ったのだが、同じ早いカウントから打つにしてもドラゴンズの方は投手の吉見選手に至るまでとにかくファールで粘って何としてもヒットを打ってやると言う気迫も執念もあった。 ケース打撃がどうのこうのより、カープが優勝争い出来るチームに生まれ変わる為にはそう言う部分こそ必要なのではと思いました。 今日の長谷川投手の出来は確かに悪かったけど、それよりもこの試合を何としても取って(三連戦を)勝ち越すと言う勝利への執念や気迫で負けていた。 オフに補強し、カープの戦力がそんなに劣るとは思えないのですが、勝ちたい試合をどうしても取ると言う部分での精神面を強化しなくては...
とにかく今日の試合は負けた。 レフトスタンドではドラゴンズファンが気勢を上げている。 私は開放された内野席に移動しながらそれを見て、そして内野席の正面ゲートから外に出た。 悔しいが私も(自称)武家の名門、勝者への敬意を表す為にドラゴンズのチームバスを見送ってやるか...と球場前の歩道に出た瞬間、視線を感じて顔を上げるとドラゴンズのチームバスが目の前を通過して行った。 オレ竜は帰るのも早いらしい... 顔を上げた瞬間、ドラゴンズの和田選手と目が合った気がした。 WBCやオリンピック予選の時、出番に恵まれなかったのに腐らず、黙々とチームをまとめてWBC優勝など日本代表チームに大きく貢献してくれた事には本当に感謝しているが、敵としてはやはり嫌な打者だな...
さて、”エリカ様”を元締めにお迎えして初めて負けてしまったな。 こう言う場合もやはり簡潔に報告する方が良さそうだ。 私はポケットから携帯を取り出す...
「”エリカ様”申し訳ありません、仕立に失敗しました。 これより現場を離脱、撤退します。」
気を取り直し、私は近くの広島城で葉桜になりかけている桜で名残の花見をした。 花を見ているとドラゴンズのユニフォームを着た若い男が天守閣に入って行く。 せっかくだから名乗って交流してやろうかと思ったが、「カープファンの者です、ネット上では”駿河守”と名乗っています。」とでも言ったら「貴様か!ウチの監督を斬ろうとしている狼藉者は!」とボコボコにされるかも知れないので止めておこう。 その後行った広島駅でもドラゴンズファンらしき人を何度か見ましたし、やはり地元のチームを持っているとそれが遠方から地元に人を呼ぶ事もあるのだと思いました。 順調にJFLを戦っているサッカーの岡山も早くJリーグ入りを果たして全国からサポーターを岡山に呼べる様になれれば良いのですが。 サッカーと言えばサンフィレッチェはJ1昇格のライバル・C大阪にホームで4-1で快勝したらしい、良かった。
続く
キャスト
駿河守/ナレーター 管理人さん
竜の先発投手 吉見一起(ドラゴンズ投手)
鯉の先発投手 長谷川昌幸(カープ投手)
竜の斬り込み隊長 荒木雅博(ドラゴンズ内野手)
竜の好打者 井端弘和(ドラゴンズ内野手)
竜の万能選手 森野将彦(ドラゴンズ内野手)
中村ノリ 中村紀洋(ドラゴンズ内野手)
強肩男・英智 蔵本英智(ドラゴンズ外野手)
獅子から来た男 和田一浩(ドラゴンズ外野手)
韓国の安打製造機 イ・ビョンギュ(ドラゴンズ外野手)
竜の正捕手 谷繁元信(ドラゴンズ捕手)
竜の主砲 T・ウッズ(ドラゴンズ内野手)
鯉のストッパー B・コズロースキー(カープ投手)
鯉の中継ぎエースA 横山竜士(カープ投手)
鯉の中継ぎエースB 岸本秀樹(カープ投手)
鯉の先発投手候補 青木高広(カープ投手)
鯉の二塁手 東出輝裕(カープ内野手)
鯉の遊撃手 梵英心(カープ内野手)
鯉の斬り込み隊長 天谷宗一郎(カープ外野手)
サムライ前田 前田智徳(カープ外野手)
喜田.GO 喜田剛(カープ内野手)
アレックス A・オチョア(カープ外野手)
赤ゴジラ 嶋重宣(カープ外野手)
鯉女房 石原慶幸(カープ捕手)
鯉の主砲 栗原健太(カープ内野手)
スライリー ????(カープ公式マスコット)
ドラゴンズファンの皆さん
カープファンの皆さん
オレ竜の指揮官 落合博満(ドラゴンズ監督)
マーティー監督 M・ブラウン(カープ監督)
エリカ様 ?????(女優)
スタッフ
製作 管理人さん
脚本 管理人さん
演出 管理人さん
音楽 無し
殺陣 管理人さん
美術 管理人さん
資料協力 週間ベースボール
撮影協力 広島市
広島市民球場
広島カープ球団
横浜ベイスターズ球団
広島城
横川胡子神社
監督 管理人さん
この物語は一部フィクションであり、実在する人物、団体、地域とは関係無い...ところが含まれております。
...異常です。