今から57年前の1952年7月18日、奈良県中部を震源とするM6.7~6.8の地震が発生した。被害は近隣の和歌山県から遠くは石川県まで及んだとされる。死者9名、負傷者136名、住宅全壊20棟の被害が生じた。
奈良県は内陸に位置しており、海溝型の南海トラフ沿いの東南海・南海地震より活断層による大地震の被害が心配される。奈良県が想定した被害シミュレーションによると、最も被害が大きい地震は奈良盆地東縁断層帯地震(M7.5)で、死者5千人、負傷者19千人、建物全半壊202千棟としている。
政府の地震調査研究推進本部が公表した奈良盆地東縁断層帯地震の今後30年以内の発生確率はほぼ0%~5%と活断層地震では非常に高い分類とされており、平均発生間隔が約5000年、前回の発生から1200年~11000年が経過しているとのことだ。
そのほか、中央構造線断層帯地震(M8.0、今後30年発生確率ほぼ0%~5%、周期2000年~12000年、前回1-4世紀)、生駒断層帯地震(M7.0~M7.5、今後30年発生確率ほぼ0%~1%、周期3000年~6000年、前回1000年~1600年)も奈良県の被害シミュレーションでは上位を占めており、地震調査研究推進本部の評価でも発生確率が高いまたはやや高い区分の地震としている。
奈良県の耐震性がないとされる昭和55年以前の建物は196千戸(平成15年住宅土地統計)あるとされ、この耐震化が終了(建替え、補修)するまで20年以上かかることからその早期耐震化政策が待たれる。
<奈良県 奈良県周辺の被害地震>
http://www.pref.nara.jp/bosai/tokatsu/jishin_higai.pdf
<奈良県 奈良県で想定される地震>