埼玉県が平成19年にまとめた地震被害想定調査によると、被害が生じる地震は5地震。埼玉県で最大の被害となるのは東京湾北部地震(M7.3)、いわゆる首都直下地震である。この地震で埼玉県では、最大震度6強の揺れに見舞われ、約1万3千棟が全壊、7万1千棟が半壊し、火災による焼失は冬18時の最悪のパターンで2万1千棟にものぼる。なお、埼玉県の建物総数239万棟、うち木造は187万棟、非木造は約52万棟、昭和55年以前の建物は約90万棟の状況だ。
首都直下地震だけでなく大きな被害となる地震は、活断層地震である深谷断層地震(M7.5)で、埼玉県を震度7の揺れが襲う。深谷断層は埼玉県に横たわり、関東平野北西縁断層帯に構成されている。地震調査研究推進本部が公表した長期評価では、関東平野北西縁断層帯の主要部で地震が起こった場合の今後30年以内発生確率はほぼ0%~0.008%、発生間隔は1万3千年~3万年、前回の地震は6千2百年前~2千5百年前とされる。
また、埼玉県の行政と産業の中心都市、人口121万人の政令指定都市であるさいたま市に大きな被害をもたらす地震が、荒川断層によるさいたま市直下地震である。この地震が発生した場合、建物全壊は9.2千棟、半壊は27.3千棟、火災焼失は19.6千棟、建物被害額は1.9兆円と想定されている。
<埼玉県 平成19年地震被害想定調査>
http://www.pref.saitama.lg.jp/A05/BC00/h19higaisoutei/h19gaiyo.pdf
<東京都 地震知識>
http://www.bousai.metro.tokyo.jp/japanese/knowledge/pdf/tachikawa/X0B3E100.pdf
<さいたま市 地域防災計画 総則>
http://www.city.saitama.jp/www/contents/1238643568321/files/sinsaiitibu.pdf