地震リスク delphis manta blue

身近な地震リスク 減災を目指して

<復興を願い 2011.3.11東日本大震災>
<未曾有の巨大災害 記録>

耐震住宅拡大 最新住宅・土地統計

2009-08-06 | 地震リスク

5年に1回実施される住宅・土地統計の平成20年度集計結果が速報で公表されている。

それによると、現行の耐震基準が制定された昭和56年(81年)以降の住宅は約6割となっている。

持家のうち耐震診断を行った住宅の割合は10.3%、耐震改修工事を行った住宅は3.5%の数字だ。

<総務省 平成21年度平成20年住宅・土地統計調査(速報集計)結果の概要>

http://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2008/10_2.htm


1966年松代群発地震

2009-08-04 | 地震リスク

1965年8月3日に発生した無感地震から始まった地震が、1970年まで5年間に62,821回にも及ぶ有感地震となった松代群発地震から44年が経過した。

最大震度は5を記録し、各地に地滑り災害が発生し、負傷者15名、家屋全壊10棟の被害が生じた。この地震を礎にその後の国の地震予知対策が本格化し、地震予知が可能との前提で東海地震対策である大規模地震対策特別措置法の制定、地震予知連絡会の設置が行われたとされる。

長野県の地震・噴火災害の主なものは、1783年の浅間山大噴火、1847年善光寺大地震、1984年長野県西部地震である。

今後の地震対策において長野県では5地震を想定している。そのうち、活断層地震である糸魚川・静岡線の巨大地震(M8)により、最大震度は7、死者3.4千人、建物全壊106千棟、建物焼失12千棟の被害が生じるとされる。

<長野県 地域防災計画 被害想定>

http://www.pref.nagano.jp/kikikan/bosai/keikaku/shinsai/shinsai1.pdf

<長野県 自然災害の記録>

http://www.pref.nagano.jp/kikikan/bosai/bhbook/pdf/038-39.pdf


OECD 日本の地震リスク対策に提言

2009-08-01 | 地震リスク

7月24日、OECDは日本の大規模洪水及び地震に関する自然災害危機管理政策に関するレポートを公表した。OECDは2003年からOECD未来プロジェクト危機管理政策を開始している。

このレポートで日本の危機管理政策について改善点を指摘・提言している。日本政府が本来行うべき政策の不備を指摘しており、世界からみた日本の地震対策の評価として注目される。

OECDが提言した12項目の内容は以下のとおり

①分権化された災害対策に関する責任は、役割と責任の明確化並びに地方公共団体の人的・物的資源の統合、政府のあらゆるレベルでの情報交換及び協調の推進、さらに、中央官庁による成果の体系的評価・分析を伴ったものであるべきである。

②中央政府内部における防災活動のモニタリング及び調整の機能を強化すべきである。

③政策決定は、その適用前・適用後の両時点で、一層の注意を払って評価するとともに、防災政策の全ての領域において、優先順位の決定に際しては、効率性を重視することが望ましい。

④科学的なリスク評価に重点を置いていた従来の方法を補完するため、個人及び社会の脆弱性要因に一層の注意を払うことが望ましい。

⑤地震のリスクに関する個人及び共同体としての姿勢をよりよく理解することが望ましい。この目標を実現するために、リスク管理者と一般の人々との間で、定期的かつ透明性をもった対話により、リスクコミュニケーションを実施することが望ましい。

⑥構造物対策に関する政策戦略においては、実施原則及び責任を明確にすることが望ましい。

⑦今後数10 年にわたる人口急減という状況の中で、土地利用及び都市計画に積極的に地震リスク要因を組み込み、また、もっとも危険を受けやすい地域の人口密度の漸減を目指すことも可能である。短期的には、断層近傍の土地利用に慎重を期することが望ましい。

⑧政府の規制機関は、それぞれの活動分野における地震リスク管理について熟知する必要がある。重要インフラ部門及び危険物質取扱産業を監督する上で、この面での明確な責任をもたなければならない。

⑨民間部門及び公共部門の両者、特に中小企業(SME)において、事業継続計画の実施を更に推進する必要がある。

⑩国家としての調整、また、非常事態においては、中央政府から指揮実施にあたる権能とツールを強化することが望ましい。

⑪国は、市町村及び都道府県が地域の関係者と意見を交わし、震災後の復旧の目的について合意形成を図り、地震の結果生じるニーズに対応したツールを強化していくことが望ましい。

⑫地震被害に対する保険の市場浸透率は、保険料の差別化や一般公衆の意識啓発を通じて、さらに高めることが望ましい。

<OECD 日本 危機管理政策に関するOECDレビュー 大規模洪水及び地震>

http://www.oecdtokyo2.org/pdf/theme_pdf/future_pdf/20090724floods_earthquakes.pdf