夢のバンクーバー
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レンゲさん。。。なんだか浮かない顔をしていますね?どうしたのですか?
あたし、おとといの記事を何度も読み返してみましたわ。
そうですか。。。楽しい記事だったでしょう?。。。えっ。。。?。。。レンゲさんの天真爛漫な様子が良く書けていたと思いませんか?もっとうれしそうな笑顔を見せてくださいよ。この上の写真のように。。。
そう言われたからって急に笑顔を作れませんわ。
僕はレンゲさんの笑顔がすっご~♪~く好きなんですよ。可愛いなあああぁ~~
デンマンさん!。。。いい加減にしてくださいなぁ~。
どうしたんですか?急に不機嫌になってしまって。。。
デンマンさんは気分よく書いたのかも知れませんけれど、あたしの気持ちは全く逆ですわ。
ん?。。。全く逆。。。?
そうですわ。。。デンマンさんはいろいろな事を書いていましたけれど、あたしが何度も何度も読み返した後で感じた事は、あたしは結局、病的な女として登場させられているのですわ。
病的な女。。。?
そうですわ。あたしが境界性人格障害を患っている。。。そういう事が初めから終わりまで、文章のあちこちに出てきて。。。あたしは。。。あたしは。。。“変な女”になっているのですわぁ~。
やだなあああぁ~。。。また被害妄想に陥って、自分が悲劇のヒロインだと感じ始めているのですね?
違いますわぁ!被害妄想に落ち込んでいる訳ではありしませんわぁ~。。。あたしは。。。あたしは。。。何度も何度も読み返したのですわ。
読み返せば読み返すほど楽しい気分になれたでしょう?うへへへへ。。。
![](http://members.aol.com/barclay1720/myhomepage/images/foolw.gif)
デンマンさん!。。。いい加減にしてくださいな。。。全くその逆ですねん。。。あたしは読んだ後で、しばらく落ち込んでいましたわ。
どうしてですか?
和子さんの病例を持ち出してきて、あたしが子供返りをしてデンマンさんに甘えていた。その事がおとといの記事の主題ですやんかぁ~。デンマンさんは。。。、デンマンさんは、いろいろな事を書いています。でも、結局、何を読者の皆様に印象付けたいのか?そう考えたとき、読み終えて印象に残るのは、あたしが病的な女だという事だけですわぁ~。
それもレンゲさんの大きな誤解ですよ。
あたしが一体何を誤解しているとおっしゃるのですか?。。。マジで答えてくださいなあああぁ~
レンゲさんは僕の真意を分かっているはずですよね。
もちろん、あたしはデンマンさんの考えている事を理解しているつもりですわ。
だったら、そんなに感情的にならなくてもいいでしょう。。。レンゲさんは知能指数が140もあるんですよ。あなたは極めて知的な女性です。僕がレンゲさんにすっご~♪~く惹かれるのはその理知的なところですよ。
そういう理知的なところは書かないで、あたしの病的なところばっかしをデンマンさん書いていますやんかぁ~。。。んもお~~。。。なぜですかあぁ~?
レンゲさんの知性があれば僕の書きたい事が理解できると思っていましたよ。
あたしは理解しているつもりですわ。でも、デンマンさんは、あたしの病的なところばかりを書いていたのです。
だから、それが誤解だというのですよ。レンゲさんは自分で“病的だ”と言っているけれど、それは決して病的ではないのですよ。
どう言う事ですの?
ちょっとtanomuさんが書いた次の手記を読んでみてくださいよ。
![]() ![]() 今年の夏は異邦人を 読まなかった もう何年になるのか、 わたしは夏になると必ず アルベール・カミュ著「異邦人」を 読んでいた。 ここはアルジェでもパリでもない。 しかし、陽射しの強さを感じると 反射的にムルソーに逢いたくなる。 北アフリカの夏を、 わたしは何度も経験する。 アルジェの太陽の熱を感じながら、 砂に足をとられながら、ただ歩く。 ![]() 無機質な銃声を聞きながら、 感情もないままに 何発もの弾丸を、 無関係な人間たちに叩き込む。 そして、無関心に立ち去る。 アルジェの海は、 自由で愉快だ。 そして死を意識しつつも、 神を否定する。 ・・・そんな彼をわたしは 理解できているのだろうか。 実存の意味を考え続けてきたが、 やはりわたしは過剰な生き方しか できないのかもしれない。 ![]() by tanomu 2006-10-21 『今年の夏は異邦人を読まなかった』より ![]() |
tanomuさんの手記などを持ち出してきて、デンマンさんは何がおっしゃりたいのですか?
レンゲさんもtanomuさん以上に『異邦人』にハマっているのですよ。多い時にはひと夏に4度も5度も読むと言っていた。確か去年の夏もレンゲさんは『異邦人』をバンクーバーまで持って来て読んでいましたよ。
よく覚えていますね?
僕は忘れかけていたのですよ。tanomuさんの手記を読むまではね。。。
それで。。。デンマンさんは何がおっしゃりたいのですか?
tanomuさんも書いていますよ。
やはりわたしは過剰な生き方しか
できないのかもしれない。
あたしも過剰な生き方しかできないと。。。デンマンさんはそう思っているのですか?
決して過剰な生き方とは僕は思いませんよ。。。でもね、どうして過剰な生き方として映ってしまうのか?。。。レンゲさん自身までがそう思っている。。。どうですか?。。。レンゲさん。。。考えてみた事がありますか?
いいえ。。。デンマンさんは何がおっしゃりたいのですか?
レンゲさんが自分にあまりにも素直だから、端(はた)で見ている人には過剰な生き方に見えてしまう。
デンマンさんはどう思っているのですか?
日本は縦社会ですからね。目上の者には気を使い、目下の者にも嫌われないようにしなければいけない。レンゲさんのように素直で純粋な人には生きにくい社会ですよ。
そうでしょうか?
レンゲさんは本音と建前を使い分ける事ができないからですよ。できても、下手ですからね。こんな事を言ったらどう思われるだろうか?レンゲさんは、そういう事を深く考えないんですよ。もともと建前で生きられるような女じゃない。日本では思っている事をそのまま言えば角が立つ。だから、思っている事は相手の顔色を伺いながら言う。つまり、建前でしゃべる。もっとずるい人は何も言わない。
雄弁は銀。沈黙は金。
言わぬが花。
正直者はバカをみる。
出る杭は打たれる。
長いものには巻かれろ。
分かりますか?。。。これが日本の縦社会。本音と建前の社会ですよ。“異邦人”のレンゲさんには、こういう社会にはついてゆけない。だから、レンゲさんもtanomuさんもムルソーに共感する。イギリスのある評論家がムルソーの生き方を次のように言っていますよ。
![](http://wing2.jp/~barclay/images/seashore2.jpg)
ムルソーは、感情もなければ、楽しみも無く、反省することもできないロボットではありません。
それどころか、感情もあり、楽しむことも知っており、反省もします。
ただし、感情や表情をあからさまに表さないで自分の価値観に従って既存の社会的価値観に反対するのです。
ムルソーの価値観のうち第一のものが人生を楽しむと言うものです。
彼が仕事をしている時であれ、ビーチに居るときであれ、
マリーとの関係や、友人との付き合いであれ、
また刑務所の中でさえ、
ムルソーの関心事は身近にある感覚的な楽しみです。
そのような楽しみが無ければ、無いでムルソーは平気です。
もしあれば、十分に楽しみます。
この小説の初めから明らかなことですが、
空、太陽、海、日光、温もり、。。。そういう自然の恵みや風物がムルソーにとっての楽しみの重要な源(みなもと)です。
マリーとの人間関係でも、一緒に海で泳ぐ時であれ、
浜辺を歩いている時であれ、
あるいは枕に残っているマリーの潮の匂いを嗅ぐ時でも、ムルソーの楽しみは本質的に自然の恵みや風物と無関係ではない。
むしろマリーはムルソーにとって感覚的に楽しむことができる自然の恵みや風物の化身と言えるのです。
ムルソーは(文化的な)“愛”の概念など、どうでも良いと思っています。
しかし、欲望の力、価値、意義については充分に理解しているのです。
『萌える異邦人』より