デンマンのブログ

デンマンが徒然につづったブログ

萌える異邦人 PART 1

2007-07-10 18:23:37 | 恋愛・失恋・不倫・性の悩み・セクハラ


萌える異邦人
 




今年の夏は異邦人を

読まなかった





もう何年になるのか、
わたしは夏になると必ず
アルベール・カミュ著「異邦人」を
読んでいた。

ここはアルジェでもパリでもない。
しかし、陽射しの強さを感じると
反射的にムルソーに逢いたくなる。

北アフリカの夏を、
わたしは何度も経験する。
アルジェの太陽の熱を感じながら、
砂に足をとられながら、ただ歩く。



無機質な銃声を聞きながら、
感情もないままに
何発もの弾丸を、
無関係な人間たちに叩き込む。
そして、無関心に立ち去る。

アルジェの海は、
自由で愉快だ。

そして死を意識しつつも、
神を否定する。
・・・そんな彼をわたしは
理解できているのだろうか。

実存の意味を考え続けてきたが、
やはりわたしは過剰な生き方しか
できないのかもしれない。






by tanomu

2006-10-21

『今年の夏は異邦人を読まなかった』より




デンマンさん。。。これって心の恋人のtanomuさんの手記ですわね?

そうですよ。季節感があふれていて、7月に取り上げるにはもってこいでしょう。。。レンゲさんも、そう思いませんか?

一体、デンマンさんには何人の心の恋人が居るのですか?

ん?。。。幾人の心の恋人ってぇ。。。そうですねぇ~。。。数えてみたことはないですが。。。たぶん両手の指では数え切れないと思いますよ。。。。うへへへへ。。。



あたしはマジですねん。

もちろん僕だってふざけている訳じゃないですよ。

それで。。。どうしてまた『異邦人』の話題を持ち出してきたのですか?

最近、坂田さんのことばっかり僕が取り上げてレンゲさんにとやかく言うものだから、レンゲさんがすっかり不機嫌になってしまった。だから今日は、いつもとは全く違った話題を持ち出して、たまにはレンゲさんの笑顔が見たい思ったわけですよ。

でも、どうして『異邦人』なのですか?

レンゲさんも『異邦人』を何度も読んでいると言ってたでしょう?

ええ。。。あたしの好きな本の一つですわ。

だから、その事を僕は思い出して、こうしてtanomuさんが書いたものを持ち出してきた訳ですよ。レンゲさんの書いた手記も探したのだけれど、見つかりませんでしたよ。

あたしは、たぶん『異邦人』のことについては書いてないと思いますわ。。。それで、デンマンさんもこの本を良く読むのですか?

僕は学生の頃一度読みましたよ。でも、イマイチでしたね。

あまり好きそうでない言い方ですわね?

どうして『異邦人』があれほど有名な小説なのか、読んでみて僕にはサッパリ分かりませんでしたよ。

つまらないと思ったのですか?

そうですよ。正直なところ読み終わって、実際、下らない、バカバカしいと思ったのですよ。ノーベル賞作家と言われている人が、こういう下らない事を書いたのか、と思って僕は文学の道に進まないで良かったと思ったほどですよ。

デンマンさんは工学部でしたわね?

そうですよ。レンゲさんは超文学系と言っていたけれど、僕が学生の頃は文学系の学生を半ば馬鹿にしていましたよ。

どうしてですか?

だってね、下らないものを読んで感心しているからですよ。

『異邦人』も下らないと思ったのですか?

もちろんですよ。第一、太陽がぎらついていたから、よく知らないアラブ人を拳銃で撃ち殺した。その動機が下らないと思えましたよ。実に下らない。それで裁判にかけられて、死刑になって刑務所の中で物語が終わっている。しかも、ムルソーは公開処刑の日に観衆がたくさん来てくれればいいなぁ~、なんて馬鹿馬鹿しい事を言って終わっているのですよ。下らない動機でアラブ人を殺して死刑になって、それで人生を棒に振ってしまった男のバカバカしいたわ言だと思いましたよ。読み終わった後で時間を無駄にしてしまったと、読んだことを後悔したほどですよ。

デンマンさんは、散々なことを言うのですわねぇ~?それで、学生の時以来、一度も読んでいないのですか?

いや、それが。。。最近、ハマッタように何度も読んでいるのですよ。うへへへへ。。。

マジで。。。?

もちろんですよ。こんな事を冗談で言えますか?しかも、冒頭にtanomuさんの手記まで持ち出しているのですよ。『異邦人』を今でも下らない小説だと思っていたら、このように記事で取り上げたりしませんよ。

そうでしょうか?デンマンさんならば、ヴァイアグラ馬鹿さんをクソミソにこき下ろしているように、『異邦人』についても辛らつな事を書きまくって晒すような気がするのですけれど。。。

うへへへへ。。。やだなあああぁ~。。。いくらなんでも、『異邦人』とヴァイアグラ馬鹿を一緒にしないでくださいよゥ。アルベール・カミュが草葉の陰で泣いてしまいますよ。

それで、どうしてデンマンさんは最近になってからハマッタように読み返しているのですか?

tanomuさんの手記を読んだのがそのきっかけでしたよ。しかも、レンゲさんまでがtanomuさんに劣らずアルベール・カミュのファンだと言う。

そうですわ。

レンゲさんも、ほぼ毎年のように読んでいるのですか?

そうですわ。多いときには年に4度も5度も読みますわ。

そうなんですよねぇ~。僕は覚えていますよ。レンゲさんが以前にもそう言っていたのを。。。

それで、デンマンさんも読む気になったと言う訳ですの?

そうなんですよ。なぜ、『異邦人』がそれほどまでに女性の心を惹きつけるのか。。。? いや。。。僕は他の女性のことは良く分かりません。でも、tanomuさんとレンゲさんが『異邦人』の熱烈なファンだと知って、改めて僕は読む気になったのですよ。つまりね、僕の読み落としていたところがあるのではないか?理解力の足りないところがあったのではないか。。。?

それで。。。感動するような部分に出くわしたのですか?

そうなんですよ。。。実に、感動的な閃(ひらめ)きに襲われたのですよ。

どの部分ですか?

それが、小説そのものじゃない。

えっ。。。小説そのものじゃないって。。。どういうことですか?

レンゲさんがどうして『異邦人』のファンになったのか?なぜ『異邦人』に惹かれるのか?。。。僕は何度か読む内に、その事が閃きと共に理解することができたのですよ。

もったいぶらないで、教えてくださいな。

ここで簡単に説明できませんよ。

分かりましたわ。それを説明し始めると、とんでもなく長い記事なってしまうのですわね?
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萌える異邦人 PART 2

2007-07-10 18:22:23 | 能力開発・頭を良くする



うへへへへ。。。レンゲさんにも分かりますか?。。。レンゲさんとの付き合いも長くなりましたからねぇ。僕の言おうとしていることが最近すぐに分かるようになりましたね?

でも、どのような部分がデンマンさんにその閃きを与えたのですか?

知りたいですか?

もちろんですわ。

じゃあね、ちょっと長くなるけれど、その部分を書き出しますよ。


マルソーとマリーの再会



目が覚めながら不意に思ったのだけれど、
課長に2日間休みたいと申し出たとき、
なぜ怒ったような顔をしたのか。
今日は土曜日だ。
なんとなく忘れていたけれど、
起きたときに思い出したよ。
当然のことだけれど、課長は考えたんだね、
俺が4日連休するつもりだって。。。
明日の日曜を含めて。
それで、課長は気分を害したんだよ。

だけど、かあちゃんをお墓に埋めたのが
今日でなく昨日だということは俺の落ち度じゃないぜ。
それに、土曜日と日曜は、とにかく休みなんだから。
もちろん課長の考え方も良く分かるけれど。。。

昨日のこと(葬式)で疲れていたんで
起きるのがしんどかったよ。
ヒゲを剃りながら何をしようかと考えたんだが、
泳ぎに行くことに決めた。
市街電車に乗って港のそばの公共ビーチに行った。
そこで着替えて海に飛び込んだ。
若い連中が、たくさん泳いでいたよ。

泳いでいるときに、偶然、マリー・カルドナに出くわした。
かつて俺の会社で働いていたタイピストの女の子だ。
俺はマリーのことが好きだった。
彼女も俺に気があったと思うよ。たぶんね。
でも、発展する前に彼女は会社を辞めてしまったから、
一線を越えるようなことはなかった。



マリーが沖に浮かぶ休息用の浮き舞台に
上がりたいと言うので助けてやった。
彼女の体を押し上げながら
オッパイの感触をちょっとばかり楽しんでしまった。
俺はまだ水の中だったけれど、
マリーは浮き舞台に這い上がると
すぐに腹ばいになって俺の方を向いた。
髪が目にかかって彼女は笑っていたっけ。
俺もよじ登って彼女の隣に横たわった。

気分良かったなぁ~。
マリーが仰向けになったので、
冗談言いながら俺も仰向けになって
頭をマリーのおなかの上に乗せたのだけれど、
彼女は何も言わなかったので、
そのまま頭を預けたままにしていたんだ。
俺の目に映るのは広い空だけ。
青空の中で太陽のぎらつきが金色に見えた。
彼女の心臓がゆっくりと鼓動するのを俺はうなじに感じた。

うつらうつらしながら、
結構長い間浮き舞台の上に横たわっていたよ。
太陽の照り付けで体が熱くなると、マリーは海に飛び込んだ。
俺も彼女の後に続くように飛び込んだ。
彼女に追いつくと俺は彼女の体に腕を回して一緒に泳いだ。
マリーは始終笑いながらはしゃいでいたよ。

波止場の突堤に着くと、そこで甲羅干しをしたんだ。
マリーは言ったものさ。
「あたし、あなたより日に焼けているわよ」
俺、その時、「今夜映画にでも行かないか」って誘ったんだ。
彼女笑って言ったね。
「だったら、フェルナンデルの映画が見たいわ」

着替えてから顔を合わせたとき、
マリーは俺の黒いネクタイを見てかなり驚いた様子だった。
「お葬式にでもでたの?」
「俺のかあちゃんが亡くなったんだよ」
「えっ、亡くなったって、いつのことよ?」
「昨日だよ」
マリーはちょっとビックリしたようだった。
でも、それ以上何も言わなかった。

俺の落ち度じゃないんだぜ、と言う気になったけれど、
止めにしておいたよ。
同じようなことを課長に言ったことを思い出したからね。
言ったところで、どうにもならないし、
それに、後ろめたい気持ちに駆られるからね。

その晩までには、マリーはその事をすっかり忘れてしまったようだ。
映画はところどころ可笑しかったけれど、
それ以外のところでは、あまりにも馬鹿ばかしすぎたよ。
マリーは映画を見ている間中、
俺に体を持たせかけていたので、
彼女の太腿は俺の太腿にぴったりとくっついていた。
それで、俺も腕を回しながら彼女のオッパイを
やさしく撫ぜたりいじったりしていた。
映画が終わる頃、彼女にキスしたけれど、
フレンチキスほどすごいやつじゃなかった。
でも、マリーは映画見た後で俺のアパートにやって来たよ。

(本文には書いてないけれど、
行間を読むつもりで聞いて欲しいんだ。
マリーが会社を辞める前、
お互いに気が合ったと思うんだよ。
俺はマリーが好きだったし、
マリーも俺に気があるようだったからね。
でも、一線を越えるだけの時間がなかった。
土曜の晩マリーとベッドで愛し合ったのは、
海で再会した時にある程度、
そうなることをお互いに予感していたと思う。
マリーがあのまま会社に勤めていたら、
やはりこうなったと思うんだ。)



翌朝目が覚めたとき、マリーはすでに帰った後だった。
そう言えば、おばさんの家に行かなければならないと、
彼女が言っていたのを思い出したよ。
日曜だと言うのを思い起こして気が重くなった。
俺は日曜が嫌いなんだ。

そう言う訳で、寝返ってマリーが寝ていた枕に
彼女が残した潮の匂いを嗅ごうとして鼻をうずめてみた。
それからタバコを数本ベッドの中ですった。
昼までそうしていたよ。
よく行くレストラン・セレステで昼飯を食べる気がしなかった。
なぜならレストランの連中が必ず
(葬式の事で)いろいろと聞いてくるからね。
俺はそれがイヤなんだ。
玉子焼きを作ってフライパンから直(じか)に食べた。
パンを切らしていたので玉子焼きだけだった。
パンを買いに外に出る気もしなかった。

【デンマン訳】


【原文】 The Stranger

PART I Chapter 2
pp.18 & 19
Translated by Matthew Ward
published by Everyman's Library, Alfred A. Knoph, Inc.
in 1993

As I was waking up, it came to me why my boss had seemed annoyed when I asked him for two days off: today is Saturday. I'd sort of forgotten, but as I was getting up, it came to me. And, naturally, my boss thought about the fact that I'd be getting four days' vacation that way, including Sunday, and he couldn't have been happy about that. But, in the first place, it isn't my fault if they buried Maman yesterday instead of today, and second, I would have had Saturday and Sunday off anyway. Obviously, that still doesn't keep me from understanding my boss's point of view.

I had a hard time getting up, because I was tired from the day begore. While I was shaving, I wondered what I was going to do and I decided to go for a swim. I caught the streetcar to go to the public beach down at the harbor. Once there, I dove into the channel. There were lots of young people. In the water I ran into Marie Cardona, a former typist in our office whom I'd had a thing for at the time. She did too, I think. But she'd left soon afterwards and we didn't have the time.

I helped her onto a float and as I did, I brushed against her breasts. I was still in the water when she was already lying flat on her stomach on the float. She turned toward me. Her hair was in her eyes and she was laughing. I hoisted myself up next to her. It was nice, and, sort of joking around, I let my head fall back and rest on her stomach. She didn't say anything so I left it there. I had the whole sky in my eyes and it was blue and gold. On the back of my neck I could feel Marie's heart beating softly. We lay on the float for a long time, half asleep. When the sun got too hot, she dove off and I followed. I caught up with her, put my arm around her waist, and we swam together. She laughed the whole time.

On the dock, while we were drying ourselves off, she said, 'I'm darker than you.' I asked her if she wanted to go to the movies that evening. She laughed again and told me there was a Fernandel movie she'd like to see. Once we were dressed, she seemed very surprised to see I was wearing a black tie and she asked me if I was in mourning. I told her Maman had died. She wanted to know how long ago, so I said, 'Yesterday.' She gave a little start but didn't say anything. I felt like telling her it wasn't my falt, but I stopped myself because I remembered that I'd already said that to my boss. It didn't mean anything. Besides, you always feel a little guilty.

By that evening Marie had forgotten all about it. The movie was funny in parts, but otherwise it was just too stupid. She had her leg pressed against mine. I was fondling her breasts. Toward the end of the show, I gave her a kiss, but not a good one. She came back to my place.

When I woke up, Marie had gone. She'd explained to me that she had to go to her aunt's. I remembered that it waqs Sunday, and that bothered me: I don't like Sundays, So I rolled over, tried to find the salty smell Marie's fair had left on the pillow, and slept until ten. Then I smoked a few cigarrettes, still in bed, till noon. I didn't feel like having lunch at Céleste's like I usually did because they'd be sure to ask questions and I don't like that. I fixed myself some eggs and ate them out of the pan, without bread because I didn't have any left and I didn't feel like going downstairs to buy some.

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萌える異邦人 PART 3

2007-07-10 18:20:34 | 恋愛・失恋・不倫・性の悩み・セクハラ

でも、原文はフランス語でしょう?

そうですよ。バンクーバーの図書館には日本語訳の『異邦人』はなかったのですよ。

フランス語もなかったのですか?

フランス語はありました。でも、僕のフランス語では充分に理解できないので英語の訳本を借りたのですよ。今日、フランス語の原本をネットで予約しました。2、3日のうちには5分で歩いてゆける分館に届けてくれる手はずになっていますよ。

フランス語の原本も読んでみるのですか?

そうです。無理してでも読んでみますよ。

どうして。。。?

マルソーがマリーのオッパイを触りますよね。。。うしししし。。。そこのところをフランス語ではどう書いているのか?それから、マルソーがマリーにキスしますよね。そこのところがフランス語でどう書いてあるのか?ちょっと気になっているんですよ。

そういうところが気になるのですか?

うへへへへ。。。可笑しいですか?

別にかまいませんけれど。。。で、上の部分がデンマンさんに閃きを与えたのですか?

そうですよ。レンゲさんは、イマイチ。。。と言う表情をしていますよね?

あたしは、この部分にはそれ程強い印象を受けませんでしたわ。

実は、他にも2、3箇所、印象的な部分もあったけれど、僕にとっては、この部分が特に印象的ですよ。

どういうところが。。。?

僕が感じた事を言う前に、まず本の中の『紹介』を読んでみてくださいよ。アルベール・カミュの研究家でロンドン大学の講師をしている人が書いているのですよ。実は、この人も上の部分を取り上げて書評を書いている。


紹介

マルソーと新しいガールフレンドのマリーは海で泳いでから着替える。
その時マリーはマルソーが黒いネクタイを締めているのに気づいて次のような会話をする。


「お葬式にでもでたの?」
「俺のかあちゃんが亡くなったんだよ」
「えっ、亡くなったって、いつのことよ?」
「昨日だよ」
マリーはちょっとビックリしたようだった。
でも、それ以上何も言わなかった。


その後、2、3日経ってから彼女と結婚したいかどうかと聞かれてマルソーは次のように書いている。


結婚しようがしまいが俺にとっちゃ
大きな違いはないんだと言ったんだ。
そうしたら彼女は
“結婚って重要なことよ”と言ったもんさ。
俺は“違うね”と答えた。
彼女はしばらく黙っていた。
それから何も言わずに俺をじっと見た。
。。。
しばらく黙っていたけれど、
彼女は独り言のようにぶつぶつと言ったものさ。
俺はかなりの変わり者だってね。
それが多分彼女が俺を愛している理由だろうって。
でも、ある日、俺が変わり者であるために、
気が変わって俺が彼女を嫌うかもしれないって。


裁判になってから、弁護人に母親が亡くなった時に、かなり気持ちが動転したかどうかと尋ねられてマルソーは次のように答えている。


たぶん、俺はかあちゃんを愛していたよ。
でも、その事は大して重要なことじゃない。
誰だって一度や二度は、愛している身内が
死んだ方がいいと思うことはあるからね。
俺がそう言った時、弁護士はメチャ動揺して
俺の言うことをさえぎったものだ。


マルソーの上のような返答は聞く者を狼狽させる。
なぜなら、言っている人物があまりにも正直すぎると言うことではなく、その正直さが本音をむき出しにして社会の規範や建前に刃向(はむ)かうからだ。

アルベール・カミュは次のように書いている。


マルソーは社会規範や常識に従って振舞わないから非難されている。


マルソーが非難されるのは
彼が外見上無関心だとか冷血漢だからではない。
この点、これを読んでいるあなたもマリーのように、
マルソーがかなりの変わり者だと思うかもしれない。
しかし、真の理由は彼の言動が社会規範や常識を
受け入れない人生哲学に従っているからなのです。

マルソーは母親を老人ホームに入れたこと、
あるいは母親の遺体を見ることを拒否した事に対し、
無関心だと言われて非難されます。
しかしながら、そのようにして老人ホームに入った母親も、落ち着いてみると彼女と同世代の人と暮らすことができて、より幸福な気分にひたっていた、とマルソーも認めています。

母親が亡くなった時にも、
マルソーが老人ホームに着いて最初に思ったことは
母親の遺体を見ることなのです。

マルソーはまた、お通夜の席で
タバコを吸ったりアルコールを口にしたことで
無神経で冷血な男だと非難されます。
でも、そのような他人の反応はマルソーには、
予め分かっていた事でした。
ただ、そのような反応をされたとしても
取るに足りないことだと思って
タバコを吸いアルコールを口にしたまでです。
つまり、マルソーは社会的規範や建前に
従わないために非難されるのです。

それでも、マルソーは、感情もなければ、楽しみも無く、反省することもできないロボットではありません。
それどころか、感情もあり、楽しむことも知っており、反省もします。
ただし、感情や表情をあからさまに表さないで自分の価値観に従って既存の社会的価値観に反対するのです。
マルソーの価値観のうち第一のものが人生を楽しむと言うものです。
彼が仕事をしている時であれ、ビーチに居るときであれ、
マリーとの関係や、友人との付き合いであれ、
また刑務所の中でさえ、
マルソーの関心事は身近にある感覚的な楽しみです。

そのような楽しみが無ければ、無いでマルソーは平気です。
もしあれば、十分に楽しみます。
この小説の初めから明らかなことですが、
空、太陽、海、日光、温もり、。。。そういう自然の恵みや風物がマルソーにとっての楽しみの重要な源(みなもと)です。

マリーとの人間関係でも、一緒に海で泳ぐ時であれ、
浜辺を歩いている時であれ、
あるいは枕に残っているマリーの潮の匂いを嗅ぐ時でも、マルソーの楽しみは本質的に自然の恵みや風物と無関係ではない。
むしろマリーはマルソーにとって感覚的に楽しむことができる自然の恵みや風物の化身と言えるのです。
マルソーは(文化的な)“愛”の概念など、どうでも良いと思っています。
しかし、欲望の力、価値、意義については充分に理解しているのです。

【デンマン訳】
 

【原文】 Introduction

As Meursault and his new girlfriend Marie dress after going for a swim Marie notices his black tie and asks if he is in mourning: 'I told her Maman had died. She wanted to know how long ago, so I said "Yesterday". She gave a little start but didn't say anything.'

A few days later, when asked if he wants to marry her: 'I said it didn't make any difference to me and that we could if she wanted to … Then she pointed out that marriage was a serious thing. I said, "No". she stopped talking for a minute and looked at me without saying anything … After another moment's silence, she mumbled that I was peculiar, that that was probably why she loved me but that one day I might hate her for the same reason.'

When asked by his defence counsel if his mother's death had upset him he replies: 'I prpbably did love Maman, but that didn't mean anthing. At one time or another all normal people have wished their loved ones were dead. Here the lawyer interrupted me and he seemed very upset.' Such responses are disconcerting not merely because they reveal the hero's rather brutal directness and honesty, but because these very qualities are used to challenge more normal conventions and values. As Camus put it, 'Meursault is condemned because he does not play the game', because, far from being the apparently indifferent, unemotional individual that his account first suggests (where, like Marie, readers might indeed find him bizarre), his actions and statements are the direct consequence of a philosophical stance which rejects widespread social and moral norms.

He is accused of indifference after putting his mother in a home or refusing to look at the corpse, yet he acknowledges that, once settled, she was happier with people of her own generation and, after her death, his first thought on reaching the old people's home is to see her body. He is accused of callousness because he smokes or drinks at her wake, yet he had thought about it beforehand and decided 'it didn't matter'. Accused, in short, of not displaying conventional attitudes and reactions.

Meursault, then, is not an automaton, devoid of emotion, incapable of pleasure or reflection. On the contrary, it is in the name of alternative values that he undemonstratively opposes those of society. First and foremost among these values is, precisely, that of pleasure: whether in his work, on the beach, in his relations with Marie and his friends, even in prison, Meursault's primary concern is with immediate, sensual gratification. 

When such pleasures are unavailable, they can be dismissed; when offered, they are to be enjoyed; and from the outset the text makes it clear that the natural world (sky, sun, sea, light, warmth …) is the primary source of such pleasure, to the extent that Marie, whether in the sea, on the sand or in the smell of salt left on her pillow, is essentially the embodiment of those natural elements. Meursault dismisses the (cultural) notion of love, but fully appreciates the force of desire.




"Introduction" by Peter Dunwoodie
Senior Lecturer in French at the University of London
(page xii-xiii)

He has written numerous articles on Albert Camus and Céline.



僕は学生の時に読んだ『異邦人』の印象が良くなかったので、アルベール・カミュについては関心が湧かなかったのですよ。

でも、ノーベル賞をもらったことはご存知ですわね?

そのぐらいのことは知っていますよ。今でも『異邦人』を読む人は結構たくさん居るらしいですよ。でも、結構古い。アルベール・カミュの『異邦人』がパリで出版されたのは、まだフランスがドイツ軍に占領されていた1942年でしたからね。

デンマンさんもカミュについて調べる気になったのですか?

そうですよ。作品だけじゃ片手落ちですからね。出版当時、カミュの名前はほとんど知られていなかったそうですよ。でも、3年後の終戦の年までには知る人ぞ知るというような存在だったらしい。

マニアが増えていたのですか?

つまり、文学界、ジャーナリズムの世界では知られるようになっていたらしい。もちろんカミュの名前が世界的に知られるようになったのは1957年にノーベル賞をもらったからですよ。僕はそう思っていますよ。

でも、事故で亡くなってしまったのですよね。

そうですよ。ノーベル賞をもらって3年後ですよ。交通事故で亡くなっている。まだ47歳の働き盛りでした。

それで、『異邦人』を読み返してみて、現在、デンマンさんはどう思っているのですか?

読んでみて思うことは、主人公のマルソーは現在生きていても全く僕は違和感を感じないですよ。まさに、“異邦人”のプロトタイプをカミュが創生して見せたように思いますよ。多分、そういう所が、時代を超えて共感を呼ぶので現在でも良く読まれているのではないか?

それ程読まれているのですか?

フランスでは、カミュが亡くなってからも、毎年20万人の『異邦人』の読者が生まれていると英語版の本の“紹介”に書いてありますよ。

やはり、『異邦人』には、ノーベル賞をもらうだけの値打ちがあると言うことでしょう?

僕もそう思いますよ。でもねぇ、ムルソーがアラブ人を殺したことが僕には未だに良く理解できませんよ。

でも、あたしのことが『異邦人』を読んで、さらに良く理解できたのですか?

そうですよ。

じゃあ、その事を聞かせてくださいな。

それはあさってにしますよ。

【ここだけの話ですけれどね、今日は翻訳するだけで時間を使いきってしまいましたよ。でも『異邦人』を読んで、レンゲさんがなぜ惹きつけられるのか良く理解することができました。この事については、またあさって書こうと思います。。。とにかく、この続きはますます興味深いものになって行きますよ。そう言う訳ですので、また、あさって読んでくださいね。】

■ 『レンゲさんのこれまでの話を読みたい人のために。。。』

       
レンゲさんの愉快で面白い、そして悩み多いバンクーバーの日々は
次のリンクをクリックして読んでください。

■ 『楽しくも悩み多かったバンクーバーの日々』

■ 『レンゲさんの愛と心のエデン』



レンゲさんをもっと知りたい人は。。。。

■ 『女探偵ふじこが試みたレンゲさんの素行調査』

■ 『“愛の正体” と “レンゲのテーマ”』

■ 『不倫の悦びと苦悩』

■ 『レンゲさんのように苦境から立ち上がった女 ー グロリア・スタイナム』

レンゲさんと一緒に愛について考えてみようと思う人は次のポ-タルサイトの『レンゲのフォーラム』を訪ねてくださいね。

■ 『あなたが思う存分楽しめるデンマンのポータルサイト 【ビーバーランド XOOPS 3世】』

レンゲさんの写真を見たい人は。。。

■ 『レンゲさん、あなたは実はメチャ美人なんですよ!』





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紫外線から大切な肌を守りましょう!

2007-07-10 18:18:32 | 女性の健康管理



紫外線から大切な肌を守りましょう!



こんにちは。みゆきです。
お元気ですか?

子供の頃は夏になると真っ黒に日焼けしていました。
周囲の人からは「元気なお嬢さんだね」と言われて喜んでいました。
それが今では「日焼けは危険」と言われています。
それは地球に向かってくる紫外線を吸収するオゾン層が破壊されつつあり、
その結果私たちは強い紫外線を浴びてしまうおそれがあるからです。
怖いですね。

太陽光の中で人に悪影響を及ぼす光成分が太陽紫外線です。
波長の長さによって紫外線A、B、Cと3つに分類されています。
その中で私たちが最も浴びているのが紫外線Aなんだそうです。
紫外線Aを浴びた後の日焼け状態は、それほど赤くなりませんが、
シミやシワの原因となります。

これより怖いのが紫外線Bです。
紫外線Aから見ると1割程度の量なのに、
すぐに赤くなって皮がむけたり水膨れができるなど、やけど状態になります。
また皮膚がんが引き起こされる可能性もあります。

参考までに紫外線Cは地表まで届きません。
人工的に発生させた紫外線Cを利用するものに「殺菌灯」があります。

紫外線によるダメージは皮膚ばかりではありません。
白内障を引き起こしたり、体内の免疫機能への影響もあり、
ウイルス感染性のヘルペスになる恐れもあるのです。
ヘルペスは発症した箇所が人に触れると感染してしまいます。
これらの影響を受けないためにも、紫外線対策をしっかり行うことが大切です。

ところで、骨の健康に必要なカルシウムの吸収を助けてくれるビタミンDは、
日光浴で作られます。
もっとも何十分も直射日光の下に肌をさらす必要は無いので、
陽射しが和らいだ夕方、短時間の散歩に出かけてみてはいかがでしょうか。

もし、あなたがスキンケアについて迷っていたら
是非次のリンクをクリックしてお肌の手入れについて読んでみてくださいね。

『あなたも大切なお肌を守ってくださいね!』

きっと、あなたのお肌の手入れに役立つと思います。
あなたもぜひ自分にあったスキンケアを見つけてくださいね。
Good luck!



あなたが絶対、

見たいと思っていた

面白くて実にためになるリンク



■ 『あなたのためのオンラインショッピング ガイド』

■ 『英語のここが分からない、易しく教えて掲示板』

■ 『なつかしの映画・TV番組(うら話)掲示板』

■ 『現在に通じる古代オリエント史の散歩道』



■ 『きれいになったと感じさせる下着・ランジェリーを見つけませんか?』

■ 『見て楽しい、読んで面白い 私版・対訳ことわざ辞典』

■ 『笑って楽しめる 私版・対訳 慣用句・熟語辞典』

■ 『ちょっと変わった 新しい古代日本史』

■ 『辞書にのってない英語スラング』

■ 『オンライン自動翻訳利用法』




おほほほほ。。。。

また現れて、

くどいようでござ~♪~ますけれど。。。

あたくし、ダイエットはしていても

食欲は旺盛なのでござ~♪~ますのよ。

秋は、もうとっくに過ぎてしまいましたけれど、

食欲は大いに残っていますわぁ~。



あたくしはマツタケご飯が大好物なのですわよ。

でも、平成時代のマツタケって

馬鹿高いのですわよねぇ~。

ビックリしましたわぁ~~

平安時代には、マツタケなんて

もう、ゴロゴロ転がっていたんですのよォ~~。

おほほほほほ。。。。



最近はいつでもマツタケが手に入るように

なってしまいましたわねぇ~。

なんとなく季節感が失われてしまったような。。。

でも、いつでも作れるのがいいですわよね。

あなたもマツタケご飯を作ってみてね。

ええっ?

良い材料が手に入らない、

とおっしゃるのでござ~♪~ますか?

心配する事は無いのでござ~♪~ますのよゥ!

貴方もこうしてネットをやって、

あたくしの記事を読んでいるのですから、

クリックするだけで、

すべての材料が手に入るのですわよ!

産地直送の食材が手に入れたかったら、

ぜひ次のリンクをクリックしてくださいね。

『あなたもネットショッピングで食材をそろえませんか?』

それは、さておき。。。

あたくしがモデレーターをやっている

次のポータルサイトにやって来てね。

『ビーバーランド XOOPS 3世』

とにかくね、見るところ、楽しめるところが

いっぱいあるポータルサイトなのよゥ。

あなただって、きっと思う存分楽しめるわよ。

わりィ~事は言わないから、

あたくしに騙されたつもりで

覗いてみてちょうだいね。

ええっ? どんな面白い事をやっているのかって?



どう、これ?分かるわよね?

あの“3馬鹿兄弟”じゃないわよ。

言っていることはウソなのよ。

この漫画を見てね、いろいろと面白いことを

書いた人たちが居るのよ。

あなたも覗いてみない?

次のリンクをクリックしてね。

『どうよ、これ!あなたも何か面白いことを書いてよ』

じゃあね、待ってるわねぇ~。

ダメよ!この場をごまかそうとして生返事なんかしちゃあ~

見てよね。お願いねぇ。

絶対よ!

うふふふふふ。。。。

とにかく、今日も一日楽しく愉快に

ネットサーフィンしましょうね。

じゃあね。。。バ~♪~イ。







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