紫式部の涙 (PART 1 OF 6)
卑弥子さん。。。この上の画像の中の紫式部は泣いているのですか?
そうでござ~♪~ますわ。デンマンさんは、上の絵の中の紫式部がルンルン気分でスキップを始めるように見えますか?
あのねぇ~。。。紫式部は卑弥子さんのように十二単を着ているのですよう。スキップしたくてもできないでしょう。うへへへへ。。。。
確かに紫式部さんはスキップしなかったかもしれませんわ。。。でも、あたくしならば、素敵なボーイフレンドが見つかれば、もう何が何でもスキップしてしまいますわよう。うししししし。。。
う~~ん。。。確かに卑弥子さんならば、裸でもスキップしてしまいそうですよねぇ~。うへへへへへ。。。
デンマンさん。。。いい加減に、そのようなエロい妄想はお止めくださいましなァ。あたくしはこれから大切なお話をしたいのでござ~♪~ますわァ。
ほおォ~。。。珍しいですねぇ~。。。卑弥子さんから話を切り出すとは。。。
だってぇ~、先日、デンマンさんは、あたくしの心にグサリと突き刺さるような痛烈で情け容赦のない罵倒の言葉を浴びせかけたのでござ~♪~ますわ。
。。。ん? 卑弥子さんの心をグサリと突き刺すような罵倒の言葉。。。?
そうですわ。
まさかア~!?僕がそのような無慈悲な言葉を卑弥子さんに投げかけるはずがないでしょう!?
でも。。。、でも。。。、マジで、あたくしの繊細な心は、まるで抉(えぐ)り出されるように傷ついたのでござ~♪~ますわ。
いったい。。。、いったい。。。、僕が何と言ったのですか?
デンマンさんは、まったく心当たりがないのでござ~♪~ますかァ~。
僕は、いつでも卑弥子さんには優しく接しているつもりですよう。。。心を抉(えぐ)り出すような事を僕が言うはずがないじゃないですかア!
いいえ。。。エグい事を吐き出したのですわ。次のように、あたくしの心を抉(えぐ)り出したのでござ~♪~ますう。
■『萌える愛欲』
(2010年2月10日)
この上の記事は、かなり萌え萌えのお話なのでござ~♪~ますか?
あれっ。。。卑弥子さんは、まだ読んでないのですか?
だってぇ、あたくしは源氏物語の研究に忙しかったのですわ。おほほほほ。。。
あのねぇ、それってぇ、言い訳のように聞こえるのですよう。
つまり、デンマンさんは、あたくしの言ったことを全く信じていないのでござ~♪~ますわね?
だいたい、卑弥子さんが源氏物語の研究をしているなんて、おそらく、ほとんどの人が信じていないと思うのですよう。
あ~♪~らあああぁ~。。。デンマンさんまでが。。。デンマンさんまでが。。。あたくしを架空の女だと思っているのでござ~♪~ますか?
もちろん、僕は卑弥子さんが実在の人物だと思っていますよう。
だったら、あたくしが京都の女子大学で「日本文化と源氏物語」を講義していることを知っているでしょう?
もちろん知っていますよう。でもねぇ~、これまでに源氏物語の研究成果をこの記事の中で話してくれたことがないでしょう!?
『愛のギガバイト(2007年2月17日)』より
デンマンさんは、このようにグサリとあたくしの繊細な心を抉(えぐ)り出したのでござ~♪~ますわア!
それはちょっとオーバーでしょう?
オーバーでも、サーバーでも、ドーバーでもござ~♪~ませんわ。あたくしはマジで傷ついたのでござ~♪~ますわ。
それで、卑弥子さんは、ひねたような、僻(ひが)んでいるような、すねているような不機嫌な表情の紫式部を持ち出してきたのですか?
あらっ。。。上の絵の中の紫式部は、デンマンさんの目には、そのようにしか見えないのでござ~♪~ますか?
どう見たって喜んでルンルン気分になっているようには見えませんよう。
あたくしは自分の気持ちを上の絵に込めたわけではないのでござ~♪~ますわァ。
卑弥子さんの気持ちを込めたのでなければ、何のために紫式部の絵を持ち出してきたのですか?
だから、言ったではござ~♪~ませんか!
なんてぇ。。。?
大切なお話をしたいと。。。
つまり、その大切な話と言うのは紫式部のことですか?
そうでござ~♪~ますわ。
でも、何で紫式部。。。?
デンマンさんが、これまでに源氏物語の研究成果をこの記事の中で話してくれたことがないでしょう!?。。。と言ったからでござ~♪~ますわ。
分かりました。。。そう言う事であるならば、じっくりと卑弥子さんの話を聞きますよう。。。で、紫式部の何を話そうと言うのですか?
デンマンさんは六畳の御息所のことを次のように書いていましたわ。
六条の御息所は
光源氏の初めての恋人。
年上の教養ある女性です。
気位の高い彼女は
源氏の心が自分から
離れそうになると、
自分の方から身を引きます。
でも、心の中では
光源氏への思いを断ちがたく、生霊(いきすだま)となり、源氏の正妻「葵の上」をとり殺してしまいます。
六条の御息所は
それ程の激しい愛情で
光源氏を愛していたのでしょう。
平安の昔、
家柄が高く、
やんごとなき貴家ともなれば、女児は未通で嫁入りする事が絶対条件でした。
男児は元服が筆おろしの
目安だったようです。
その“筆おろし”ですが、
天皇や将軍などの場合だと、
その介添えをするのは乳母
の場合が多かったと
言われています。
乳母といっても
だいたい24~5歳の
当時としては
女盛りの年増。
元服(男児の成人式)が
12~16歳の間ですから、
互いに理想的な
相手です。
少年の未知への
飽くなき好奇心と
有り余る精力。
女盛りで少年の心を
充分に知っている“熟女”は
勢い教育熱心な余り、
乳母であるよりも女として、
つい愛欲に溺れてしまうのも
自然な成り行き。
その結果、
乳母が妊娠する事も
あったようです。
男にとって最初の女に
特別な思いを抱くのは当然で、こうして乳母がそのまま正室になることも珍しくなかった。
入念に手ほどきを受け、
手練手管を仕込まれたら、
男たるもの、女好きにならないわけがない。
しかも乳母なるがゆえに、
他にさしたる仕事はなく、
男は心置きなく色事に専念できる。
光源氏にとって
六条の御息所は
乳母のような存在だったのでしょう。
それも、乳母と言うより
次第に女として愛してゆく。
六条の御息所も
“乳母”のように
源氏をいつくしみながらも
熟女として
源氏との愛に溺れてゆく。
でも、熟女の思慮と分別に
目覚めて身を引くのです。
しかし、萌え盛った
女の情念は止み難く
生霊(いきすだま)となり、
源氏の正妻「葵の上」を
とり殺してしまう。
光源氏と
六条の御息所の間に萌え盛った情念の激しさが見えるようです。
by デンマン
『エロい女と六条の御息所』より
(2007年1月19日)
つまり、六条の御息所について僕が上のように書いたことが気に喰わないのですか?
いいえ、そうではござ~♪~ませんわ。
それでは、いったい何が気に喰わないのですか?
そのあとでデンマンさんは太田将宏さんの次の文章を持ち出してきたのでござ~♪~ますわ。
ある日本の西洋哲学者が、源氏物語、あれはたいしたことないよ、と言ったのを憶えている。こういう人を典型的な学者馬鹿という。
(西洋)哲学の思考を基準にするとしたならば(草子地: また、この文は仮定法である。)、源氏物語がたいしたものでないことは、私にですら明白である。
あの作品の凄さは、そんな処にはない。
作者は(草子地: ここからは直説法)、私は、未だかつて、女の人の誰をでも愛した男を見たことが無かった。それどころか、自分の息子、娘ですら愛した男を、一人だに知らない、と言っているのである。
そうした世界を描ききった芸術としての文学がこの作品である、と私は評価しているのである。
それは、作者の意図ではないにしても、これは、男の孤独である。
私がまだ小学生の頃に、国語(草子地: 嫌な言葉だ。「日本語」でいい。)の先生が、…では、作者は何をいわんとしているのか、と生徒たちに質問したときに、私は、ひそかに、そんなことが他の言葉で言えたのならば、作者は、手っ取り早く、それを言っていただろう、と呟いたのを思い出す。
あの哲学者は、この国語教師の程度である(草子地:逆も真である)。
【デンマン注:】 改行を加えて読み易くしてあります。あしからず。
34ページ Aribert Reimann (1936-)
『間奏曲集 (主題なき変奏)』 作品2
著者: 太田将宏
初版: 1994年1月 改定: 2006年6月
つまり、僕が太田さんの文章を引用したのが気に喰わないのですか?
いいえ、そうではござ~♪~ませんわ。太田さんの文章を持ち出してきてからデンマンさんは、めれんげさんと次のように対話なさったのでござ~♪~ますう。
(すぐ下のページへ続く)