獲得された絶望感(盲人ウエカジ @ウエカジハローセンター 公式ブログ)

~網膜色素変性症と司法試験とモー娘。と全盲ヘルパー事業所と・・・~

ラジオの天才、伊集院光(いじゅういん ひかる)がTBSラジオの朝の番組で、ブラインドサッカー、そしてラジオDJの使命を熱く語っていた。

2020-08-11 21:39:28 | 網膜色素変性症と私
涙がでちゃう だって視覚障害者だもん

会社の昼休み。家からもってきた豚肉サラダをたべながら、左耳にはイヤホン。無線イヤホン。ソニーのスマホ、エクスペリアACEで、朝のラジオ番組をタイマ録音していて、それを1.8倍速で聞く。録音ラジオサーバーというアプリで、朝8時30分から11時までの、TBSラジオ「伊集院ヒカルとラジオと」を聞く。

2時間30分の番組をいくら1.8倍速で聞いたとしても、昼休みが45分なので全部はきけない。ということで、オープニングトーク、9時からのその日のニュース解説、10時からのゲストトークを聞いている。audipoアウディポというアプリで再生させて聞いている。録音ラジオサーバーだと倍速再生すると声までも高くなってだれの声かわからない。その点このアウディポアプリはいいね。声のトーンがおなじで早口しゃべりになる、自動的にチャプターがうってあって、だいたい6分ごとぐらいにスキップできるのもいいね。あと、私の使っているイヤホンの音量プラスボタンを長押しすれば、1分スキップとかもできるので便利。いちいち、スマホ画面を見て、タッチして早送りさせるのは面倒。目の見えない私にはなかなかそのボタンをさがすのもひとくろう。網膜色素変性症な私デスペア。ほぼ全盲な視覚障害者の私。昼のラジオはほんといいね。

今日の10時からのゲストは26歳の新人まんが家、松木いっか。予備校生みたいな弱弱しいしゃべり方の青年。その青年は今ヤングマガジンというまんが雑誌に連載まんがをかいている。そのまんがの単行本も1巻すでに発売されている。伊集院がどうしても会いたくて、というかラジオにこの青年を出したくて、ゲストとしてまねいたよう。52歳の伊集院光、半分の都市の若者のトーク。本来なら、伊集院はホスト役として、ゲストから話を聞きださないといけないのに、半分以上しゃべっていた。伊集院もしゃべりたくてしかたがない。二人があつく語ったのは盲人サッカー、ブラインドサッカー、視覚障害者サッカー。

松木いっかは、日本ではじめて、ブラインドサッカーを題材にしたまんがを書いている。サッカー少年だった松木は、サッカーまんがをかいてみたいとおもい、必殺技はどうしよ、それをいろいろさがしていたところに、ブラインドという技術必要な作家ーがあることをしる。目の見えないことが必殺技。

実際に、ブラインドサッカーの体験教室にいき、実際に公式戦もみにいって、感動。これは目の見えないかわいそうな人たちがやるスポーツ、レクリエーションではなく、目が見えるとか見えないとかじゃなくて、そもそもこのゲーム性がおもしろい。静かなピッチに立つ、5人の目隠しをしたサッカー選手。相手も同じ目隠し5人。鈴のはいったサッカーボール、そして、ボイボイボイとずっと、しゃべりながらプレイする10人。観客はいるのだけども、沈黙。しゃべらない。なぜなら、その歓声は盲人サッカーになくてはならない音をけしてしまうから。ずっと静かな静寂。ボールがエリアからでていってしまったとき、それとゴールがきまった時しか観客は声をあげてはいけない。そのフラストレーションからの爆発もいいとのこと。

一方、伊集院光も2年まえ、後輩芸人と一緒に、ブラインドサッカーの体験会に参加して、試合も見て衝撃をうけた。その時の深夜ラジオでは、自分でブラインドサッカーチームつくりたいぐらいと熱弁。

そんな二人の熱い30分のインタビュートーク。

番組のおわりに、ラジオの天才、日本で一番人気のあるラジオパーソナリティーの伊集院がこう熱くかたる。

松木先生は、目の見える一般人の人に、まんがという媒体を通じて、ブラインドサッカーをどんどん広げていってください。

僕は、ラジオパーソナリティーとして、ラジオという、いうなれば目の見えない人のメディアで、その目の見えない人たちに、ブラインドサッカーってこんなにおもしろいんだよということを伝えます。だからどんどんもっとたくさんの人に読まれるまんがを書いてください。

豚肉サラダをたべおわって、背もたれにどっかりとうよりかかって、ラジオを聴いている私。口にはマスク。そして、目からは涙がこぼれた。

伊集院は、ブラインドサッカーを見て、ラジオの限界を感じた。このプレイや動きをどうやってリスナーに伝えればいいのか。僕にはそれがわからない。でも、ラジオパーソナリティーとしてこれはやらなければならない。僕の使命。

涙が出る。

この伊集院のラジオに対する思い、そして自分の使命。そこに涙する。視覚障害者の人に伝えたい。涙がでた。

網膜色素変性症な私。目の見えない私がなぜ、ハロプロが好きなのか、なぜ好きになれるのか、Juice=Juiceの宮本佳林のどこにそんなにひかれてしまうのか。宮本佳林のおもしろさ、こっけいさ、あさはかさ、ふかさ、かよわさ、クリスタルボイス、シャウトそれらをすべて、知らない人たちに伝えたい。なんか伊集院に共感。涙がでる。何かをだれかに伝えたい。でもその技術が僕にはない。でもあきらめない。涙がでる。そしてなぜそこまで伝えたいと思うのか、そのパッションの源はどこにあるのか。その源も伝えたい。

ということで、来週の火曜日までラジコのタイムフリーできけるので、ぜひ、8月11日火曜日、TBSラジオ、10時からの伊集院光とラジオと2を聞いてみてね。

そして、目の見える人は、ぜひ、松木いっかの書いた、ブラインドサッカーまんが「ブクロキックス」も読んでみてね。

加えて、あさって、8月13日木曜日、NHK Eテレで夜8時からのバリアフリーバラエティ番組「バリバラ」もぜひみてね。そこには目の見えないファンがJuice=Juiceの宮本佳林を紅白に初出場させるべく、目の見えないブラインドお好み焼きをつくります。感動巨編30分。Juice=Juiceのスマッシュヒット曲の、ひとりで生きられそうってそれってねえほめているの?も2度BGMで流れます。そのBGM流れるタイミングが絶妙なんだなー。

伊集院光のラジオ、松木いっかのマンガ、そしてバリバラのテレビ。3つのメディアをぜひ見てね。読んでから見るか、見るから読むか、宮本佳林をすきになってから見るか。それはあなた次第。

ps
伊集院光は、松木が、視覚障害者をたくさん出すとどうしてもウェットな物語になってしまう、そこが難しいといっているのにたいして、伊集院は、それはおかしいと言っている。なぜおかしいのか、ぜひラジオを最後まできいてみてね。


伊集院光がブラインドサッカーとラジオDJの使命をかたる
伊集院光とらじおと(2) | TBSラジオ | 2020/08/11/火 | 10:00-11:00
http://radiko.jp/share/?t=20200811100010&sid=TBS


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