カッパのロードスター

幌を開ければFeelin`good。カッパーレッドの
路渡☆くんとの楽しいドライブ日誌。

お不動さんの目線の先は・・・

2016-06-14 19:27:18 | しゃじ
狸谷山不動院のつづきです。本殿まで250段の階段を上がることに
なりますが、境内らしい広場までだと206段、まだ44段残ってます。



広場の奥の方にある階段(11段)を上って行くと・・・

「左 不動明王、右 たき」と彫られた石標があります。

「たき」の正体ははこれ。

宮本武蔵修行の滝です。
「慶長9年(1605)、時の剣豪武蔵が吉岡清十郎一門数十人を迎えて
山麓「下り松」で決闘に臨むに当たり、この滝にうたれ、修行の末、
ついに不動尊の右手に持する降魔の利剣の極意を感得した。
敵への憎悪ではなく、己の恐怖、煩悩に打ち克った事を悟ったのである。
自信を得た武蔵は悠然と山を下り吉岡一門を一撃のもとに倒した。」
HPより引用









吉川英治原作、中村錦之助主演の「宮本武蔵 一乗寺の決斗」なんて
映画もありましたね。
決闘の地、一乗寺下り松(さがりまつ)はというと、ここの麓、
詩仙堂の近くにあります。詩仙堂に隣接する八大神社には、
武蔵が立ち寄ろうとして、神仏に頼ろうとした自分の弱さに気づき、
寸前に止めたという逸話が残っています。



今は一筋の雫が繋がったような水量で、とても滝とは言えません。

ここから先は〈女厄坂(33段)〉


その横には〈恵比須・大黒天〉


女厄坂を上りきると、ちょうど250段になりますね♪

上りきった後、本堂に至るまでの参道には


〈水子不動尊〉        〈石室〉役の行者・神変大菩薩を祀る

山手を見ると・・・わぉ、でっかい役行者さまがッ!



他にも何やら仏像が・・・



水子地蔵さんもずらりと並んでいます。




本堂下の広場から本堂へ行くには、女厄坂から上がるルートの他に
もうひとつ〈男厄坂〉で一気に上がるルートがあります。
これで250段。あれ?男厄坂は42段だろうから、2段分足りない?
よく見ると、この階段、2段分調整してありますね。(^_^ゞ



という訳で、計算通り250段♪・・・数える人も居るんやろな。

ところで「足腰元気宣言!KENKO250」ですが、


250段の階段を1回上れば1個スタンプを押してもらえます。
スタンプ用紙(健康カード)も置かれていました。スタンプ10個貯めて
満願達成申請書を出せば「健康の証」を発行してもらえます。
ここまでは誰でも無料で参加できますが、健康の証2枚目以降は
手数料として100円必要になります。

2012年の新聞記事の切り抜きがありました。5周年の時の記事ですが
この時点で延べ4000人が達成、写真が載っている方は1日数回上って
240枚以上獲得された68歳の方です。単純計算すれば60万段!

山寺で250段の階段はそれほど多い方じゃないと思いますが、
1日数回上り下りするのは・・・

4年前の記事だから現在何枚獲得されていることやら、
もちろん、ご健在だとは思いますけど・・・(^_^ゞ




舞台からの景色です。HPでは「舞台から京都市内が一望」とありますが
一部しか見えません・・・



境内は一望できます♪



この広場で毎年7月28日、不動明王の縁日に護摩法要・火渡り祭が
行なわれます。
この日は250段の階段に千灯の「祈り灯ろう」が置かれます。



健康推進を提案している寺院ですが、バリアフリーかというと、サッパリ。
本堂の裏の方でこんなものを見つけたのですが、作業用のモノレール。
果樹園とかに使うものでしょうね、おそらく売店の商品とかを運ぶため
用意されているものなんでしょうが、これを利用すれば・・・




カラスちゃんも願掛けに来たのかな?
舞台の願掛け柱には沢山のお札が・・・ほとんどがガン封じでした。
乳ガン封じの願い札もあるようですね。



本殿を参拝するには入山料500円が必要です。しかし、ここには
お金を徴収する小屋とか無くて、本堂横にお金を入れる箱が
置かれているだけ。パンフレットも自由に取れます。
このシステム、誠意を問われているようでズルはできませんね。
小銭を持っていないと、ちと困りますが。

もちろん、ちゃんと500円玉を入れてから本堂に入りましたよ♪



寺紋、桔梗輪に真言宗輪宝ですかね。



触れると活力がみなぎる「巨大念珠」不動明王パワー念珠だそうで。



ご本尊の不動明王像は眼力鋭く、眼光を放っているが如し。
外陣からも拝めるのですが、
この日は「春の特別洞窟内陣参拝」(4/28~5/8)でして、内陣まで
入って参拝することができました。写真は撮れなかったのですが
想像以上に迫力のある眼でしたよ。

高さ深さ共に約6mの石窟があり、その中に背丈約1.5mの石像の不動尊が
安置されています。2018年には300年を迎えるそうです。

この鋭い眼力、その目線の先は何処なのだろうとGPS等の最新科学技術を
駆使して調査されたところ、狸谷不動明王の目線は、ピンポイントで
「高野山 金剛峯寺」を向いていることが判明したのだそうです。

狸谷山開基 木食正禅朋厚は、木食行(もくじきぎょう)奥義の伝授の為、
高野山へ入山し、その木食行を実践する地として現洞窟に山居した
という経緯があります。それにしてもピンポイントで
高野山 金剛峯寺を見つめているとは、不思議な話しですね!




ところでお不動さん、不動明王(ふどうみょうおう)って・・・?
仏教には如来、菩薩、明王、天部、権化とかいっぱい居られて
宗派によっても解釈が違うので整理するのは大変です。

明王は密教系特有かな、密教と言っても空海(弘法大師)が開いた
真言宗(東密)、最澄の天台宗(台密)が大きな宗派。
最近、檀蜜って宗派も出来たとか出来ないとか・・・ウソ(^_^ゞ
不動明王、梵名アチャラ・ナータは、大日如来の化身とも言われる。
また、五大明王の中心となる明王です。
禅宗、日蓮宗等の日本仏教の諸派および修験道で幅広く
信仰されているので、お馴染みですね。


さて、勢いに乗って「奥の院」へと、山道に突入!



入り口からしてかなり手強そうですが、ここまで来たら・・・



「三十六童子 順拝道」とあります。不動明王の使者である三十六童子
に導かれて、東山三十六峰の九峰目、瓜生山の鎮守である幸竜大権現を
祀る奥之院へ行けるようです。


〈第一番 矜迦羅(こんがら)童子〉

「元勝軍地蔵尊道」の石碑もありました。かつて近江の六角氏が
安置したという勝軍地蔵が祀られていたようです。
現在は少し南の勝軍地蔵堂(バプテスト病院)に遷されいるとか。


〈第二番 制叱迦(せいたか)童子〉




う〜ん、童子くんの案内してくれる道は・・・何ともなぁ
多少厳しくても“動じ”ないんだろうな。(^_^ゞ

〈第三番 不動恵(ふどうえ)童子〉

      〈第四番 光網勝(こうもうしょう)童子〉

ここまで来て、あと8倍の道のりがあるかと思うと、めげたッ!



というわけで、奥の院へ登るのはあっさり諦め、
昼なお暗い道を下山します・・・って、ほとんど登ってませんが。(^_^ゞ



2016.5/1、狸谷山不動院にて。