とても痛ましい事件が野田市で起きた。父親の虐待で小4の少女が死亡した事件だ。いじめ等のアンケートに少女は、親から虐待を受けている、助けてほしい旨を記載していた。そのアンケートの回答のコピーを虐待していた父親に渡したというのだから、とても信じがたい話だ。受け取った父親が虐待をエスカレートさせることは簡単に予想できた筈だろう。教育委員会は、記者会見を開いて、父親が強圧的に脅してきたので、それに屈してしまったというような内容を述べていた。新米の気の弱い新任の教師が脅しに屈してしまったというのならばまだしも、教師を指導監督すべき立場にある教育委員会の職員が、しでかした不祥事なのだから呆れてしまう。そういうようなクレームに一人で、個室で対応することはあまり考えられず、周りには他の職員もいただろうし、上司や先輩等に相談するという手立てはあったと思う。
そもそもアンケートというのは、記載内容については秘密にするということが前提で行われるものであって、それは必ず守られなければならないものだ。この前提が崩れてしまったら、アンケートの正直に答える人はいなくなってしまう。この事件によって、同じように虐待に苦しんでいる少年少女は、正直に答えて、それが親にばれて、もっと強い虐待を受けるのではないかと不安に思ったのではないだろうか?そう考えると、この事件の影響は非常に大きいものがあるように思う。
虐待死させた父親に問題性があるのは当然だが、今回の件に関して言えば、その父親の問題性を云々するのは、別の次元の問題であり、アンケート記載内容を漏らしたという事件の重大性をきちんと認識すべきだろう。