親による暴行によって子供が命を亡くす悲惨な事件が後を絶たない。学校の対応や通報を受けた児童相談所の対応がいつも問題となっているが、一向に改善の兆しは見えてこない。なぜ、こうなってしまうのだろうか?その背景にある問題を分析し、対応策を検討してみたいと思う。
かつて私がある学者から聞いた話では、北欧では、公衆の場で強く叱る付けたり、殴ったりしたのを通報されると、子供は即座に保護され、親と引き離される。子供を手元に取り戻すには非常に高いハードルがあって、なかなか虐待ではないということを認めてもらえないという話を聞いた。日本では考えられないような話だ。その背景には、子供は一個の人格を有し、守り育てられるべき存在だという思想があるという。ところが、日本では、スーパーマーケット等で、子供の泣き叫び、親は厳しく叱責を続けるという光景に時々出くわす。そして、見ている周りの人も、それに対して抗議するということはあまり見られない。子供は親が育てるものという考え方が強く根付いており、全ては親任せで、周りがとやかく言うのは憚られる。そこで、おせっかいに、そういう親をたしなめると、子供を躾けているのだ、周りがとやかく言うものではないと逆に反撃を食らってしまう。それが堂々とまかり通っているのが日本の現実だ。
だから、余程の証拠がなければ、児童相談所と雖も、そこに立ち入ることは難しい。家庭裁判所に通報し、家庭裁判所で、親権停止ないし親権剥奪するという手続きはあるのだが、それが使われることは滅多にないのが実情だ。最近ニュースになっている野田市の事件も同様だ。こうした事件は今後も続くことが予想される。
それでは、どうしたら、この悲劇を未然に防ぐことができるのだろうか?まず、こうした問題を専門に取り扱う部署を設ける必要があると考える。(今日のところはこの辺で失礼します。)詳しくは次回の投稿で述べます。