主治医から再三胃ろうを作ることを勧められたのだったが、妻は、延命措置は望まないと言って拒否していた。その時、骨と皮だけになっていく妻を見ていくのは辛すぎると思ったのだが、妻の強い意思に抗しきれずに、そのまま胃ろうを作らずにきてしまった。それでも、まだ、食べられているうちは何の問題もなかったのだが、食べるのが難しくなって、体重はどんどん減少し、体力は低下してきた。 そして、今や栄養摂取は点滴のみだ。これで、生命や体力を維持できる筈もない。点滴に移行してからというもの、日に日に腕が細くなり、もう触ると、もう骨そのものだ。
耐え難いことではあるが、妻が選択した決断だから、これも仕方ない。今更、取り返しの付くものでもないし、この現実を受け入れるしかないのだろう。
後は、時の経過を見守り、ただただ耐えるしかなさそうだ。
