今回は、「伊万里 染錦牡丹唐獅子松竹梅文大皿」の紹介です。
これは、先日の6月21日に、いつも行っている古美術品交換会で競り落としてきたものです。
コロナ明けで、久しぶりでの交換会でした。
でも、出席者もまぁまぁな人数で、競りにかけられる品物も多くはありませんでした。
そんなことで、私が関心を寄せる古伊万里の登場も少なかったんですが、そんな中で、ただ1点、この「伊万里 染錦牡丹唐獅子松竹梅文大皿」だけが登場してきたんです。
それは、見ての通り、特別に名品とか珍品とかいうものではなく、極く普通の、いわゆる元禄手の輸出伊万里です。
それで、普通なら、特別に関心を寄せるほどのものではないんですが、その時は、暫く古伊万里を買っていませんでしたし、暫く買っていないので軍資金が積み増されていて懐が少し豊かになっていたこともあって、「買ってみるか!」という気になり、槍を入れました(発句が告げられましたので、その額に少し積み上げた額を提示しました)。
そうしましたら、皆さんも同じような思いでいたのか、だんだんと額が積み上がり、激しい競り合いになってきたではないですか!
私も、普段なら、「こんなありふれた古伊万里に執着することはないよ!」ということで、あっさりと途中で引き下がるんですが、その時は、「暫く古伊万里を買っていないので、今日は1点ぐらいは買いたいな~」という気持ちが強くなってきたことと、また、懐具合も普段よりも温かかったものですから、「よ~し、負けるものか! 絶対に落としてやる!」という気持ちになってきたんです(^^;
それで、激しい競り合いの末、遂に落札したという次第です(^-^;
例によって、前置きが長くなりました。その「伊万里 染錦牡丹唐獅子松竹梅文大皿」というものは、次のようなものです。
見込みいっぱいに、牡丹の花と意味不明なものが描かれています。
皿周辺には、六つの窓枠が描かれ、そこに、松竹梅と3頭の唐獅子が交互に描かれています。
有名で、ありふれた、唐獅子牡丹と松竹梅が描かれているわけですね。
見込み部分を拡大しますと、次のようになります。
牡丹の下の方に描かれた意味不明の文様に使われている赤色は、濃い色合いなものですから、一見すると、べたっとした厚塗りと思われてしまいそうですが、良く見ると、そうではないことが分かります。黒っぽく濃い色合いなんですが、意外と薄い塗りなんです。これが、もう少し時代が下がりますと、べたっとした厚塗りになるんですよね。そんな点からも、この皿の製作年代を推定することができますね。
次に、周辺部分を拡大しますと、次のようになります。
松と唐獅子の部分
竹と唐獅子の部分
梅と唐獅子の部分
裏面は、次のようになっています。
典型的なヨーロッパ向け輸出伊万里の特徴を具えています。
高台内の拡大画像
周辺に描かれた折れ枝文の拡大画像
製作年代: 江戸時代中期(元禄~享保)
サ イ ズ : 口径;27.0cm 高台径;13.4cm