今回は、「伊万里 染錦 菊に和本文菊花形鉢」の紹介です。
なお、この鉢につきましては、既に、かつての拙ホームページの「古伊万里への誘い」でも紹介していますので、まず、その時の紹介文を次に再掲いたします。
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<古伊万里への誘い>
*古伊万里ギャラリー61 古伊万里様式染錦菊花形大鉢 (平成15年4月1日登載)
じつにケバケバシイまでの華やかさである。
年をとると、これほどまでに華やか過ぎるものには、ちょっと抵抗を感じるようになるようだ。
これを買ったのは昭和58年であるから、もう20年も前のことになる。
私も、20年前には、こんなエネルギッシュなものも好きだったのだろうが、老化と共にそのエネルギーも失い、今では、あまり好きになれないようである。
でも、それは、私個人のこと。人間の歴史からみれば20年など物の数ではないだろう。そう考えると、世の中には、依然としてこの鉢を好きな人は多くいるのかもしれない。
そういう意味では、この鉢には、まだまだ存在価値がありそうである。
江戸時代中期 口径:21.1cm
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上に書かれていますよに、平成15年の時点では、この鉢を、「じつにケバケバシイまでの華やかさ」と紹介しています。
しかし、今、再度紹介するに際し、この鉢を、再び、じっくりと眺めてみましたら、それほどのケバケバシサを感じませんでした(~_~;)
私は、平成15年の時点でも、十分に老体であったわけですが、それから更に17年の馬齢を重ね、より老化が進みましたのに、今度は、その時感じたほどのケバケバシサを感じなかったわけですね。それは、何故なのでしょうか、、、?
今では、私の肉体は枯れかかり、体内のエネルギーも風前の灯火状態です、、、(__;) そうした状態でこの鉢に接した場合、以前に感じたケバケバシイまでの華やかさを感じなくなっていたわけですね。
むしろ、この鉢は、見る者にそのエネルギーを分かち与え、見る者に元気を与える存在にさえなっているんです(^-^*)
ということは、一人の人間が、或る「器」に接した場合、その「器」に対して感じるものは、年齢とともに変化してくるということですね。
「器」は不変です。しかし、一方、それを見る側の人間は、歳と共に老化し、それに伴い、その「器」に対しての感じ方も変化します。ということは、或る者は、その「器」をケバケバシイ存在と感じ、また、或る者は、その「器」を元気付けてくれる存在と感じるわけですね。
或る「器」は、一人の人間にとってさえも、その人の年齢にあわせて影響を与えます。ましてや、多くの人間に対しては、それこそ多くの影響を与えるということでしょう!
では、その、人間にとって存在価値のある「器」とは、一体、どんなものなのでしょうか、、、。
理屈っぽい前置きが長くなりました。それでは、次に、その「器」の写真を紹介いたします。
立面
斜め上から見た面
見込み面
外側の菊文の面
(外側には、菊文が2カ所、亀甲文が2カ所描かれています)
外側の亀甲文の面
(外側には、菊文が2カ所、亀甲文が2カ所描かれています)
底面
製作年代: 江戸時代中期~後期
(「古伊万里への誘い」の「*古伊万里ギャラリー61 古伊万里様式染錦菊花形大鉢」では、製作年代を江戸時代中期としていますが、江戸時代中期の終り頃から後期の初め頃に変更いたします。)
サ イ ズ : 口径;21.1cm 高さ;7.8cm 高台径;10.5cm