元・還暦社労士の「ぼちぼち日記」

還暦をずっと前に迎えた(元)社労士の新たな挑戦!ボチボチとせこせこせず確実に、人生の価値を見出そうとするものです。

中高年寡婦加算の長期要件に被保険者期間20年要件がなぜ必要か(年アド試験・社労士受験学習整理)

2015-07-05 06:26:12 | 社会保険労務士
 こうすれば覚えられる中高年寡婦加算<短期要件の300月みなしと関連づけで覚える>

 遺族厚生年金については、40歳以上65歳未満の妻に対しては、次のいずれかの場合に中高齢寡婦加算(58,000円程度)が付きますが、これは遺族基礎年金が出るのが18歳年度(18歳に達した後の年度末=3月31日までの間、以下同じ)までの子または障害等級1級・2級の20歳未満の子のある配偶者に限られているため、妻が40歳以上になると子が成長して、この条件を満たさなくなることが多いので、その遺族基礎年金を遺族厚生年金側で補ったものとみられます。したがって、逆にいうと、遺族基礎年金が出るときには、中高年寡婦加算は付きません。
 1、夫の死亡当時、妻40歳以上65歳未満であったこと
 2、40歳に達した当時、子(先ほどもいったように、この子は、18歳年度までの子または障害等級1級・2級の20歳未満の子に限ります。)と生計を同じくしていたこと。

 結局この2の要件は、逆に言うと、これらの子がいる間は遺族基礎年金が出るので、この子がいなくなった場合に(すなわち、18歳年度までの子や1・2級の障害の20歳未満の子に該当しなくなった場合ということになります。)、子が該当しなくなった時点での40歳から65歳の間で中高年寡婦加算が付くことになります。
 
 さて、中高年の寡婦加算は、遺族年金の長期要件(老齢厚生年金の受給権者等が死亡したとき)の場合は、厚生年金の被保険者期間20年以上(一定の例外あり)がなければ支給されなくて、短期要件(被保険者の死亡等)の場合はこの被保険者期間20年以上の要件はありません。ちょっと考えると、厚生年金被保険者期間20年以上の要件は、いわゆる長期の要件だからもともとこの期間は満たしているので、この20年以上の要件は必要はなくて、逆に短期要件の方がこの要件が必要な気がします。社労士受験の勉強していて、不思議だなと思っていても、ここは暗記でごまかしていました。なんのことはない、むしろ短期要件の300月みなしの話と併せて覚えられる、整理のポイントとなる部分です。

 実は、よーく考えると、長期の要件である「老齢厚生年金の受給権者」とは、老齢厚生年金の被保険者期間は厚生年金の被保険者期間が1年しかなくても国民年金の被保険者期間が24年あれば合わせれば基礎年金の被保険者期間25年を満たして、厚生年金の受給権者になるのです。厚生年金の期間が1年しかなくても、遺族厚生年金側で中高年の寡婦加算が支給されるとすれば、あんまりだということで、この厚生年金の被保険者期間20年以上の要件があるのです。

 一方、短期要件については、300月(25年)みなしということで、25年に達しない被保険者期間しか有していない者については、300月(25年)で支給額の計算をしてもらえますので、20年は、ゆうに超えることになり、この要件は必要ないことになります。
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