元・還暦社労士の「ぼちぼち日記」

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第34回ビジネス実務法務検定の「使用者責任・労災法」(第2問)問題・解答(解説コメント付)について

2013-12-17 06:33:11 | 社会保険労務士
 第34回ビジネス実務法務検定試験(H25.12.8実施)においては、第2問において、次のとおり、民法の「使用者責任」と「労災法」の混合問題が出題されました。

第2問 2-4
 建設会社X社が建設を請け負っているビルの工事現場において、X社の従業員Yが作業中に操作を誤ってクレーン車が転倒する事故が発生した。本件事故により工事現場付近を通行していた大学生Zが負傷した。この場合に関する次のア~オの記述のうち、その内容が適切なものの組み合わせを1~5の中から一つだけ選ぶなさい。なお、本件工事は、労働者災害保険法(労災保険法)の適用事業であるものとする。

  X社は、Yの責任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、及び相当の注意をしても損害が生ずべきであった時を除き、Zに対して使用者責任に基づく損害賠償責任を負う。

  Zは、X社を被告として、X社の使用者責任に基づく損害賠償責任訴訟を提起した。この場合において、Zが親類から見舞金を受け取っていた時は、その金額は、損害賠償請求訴訟において、損害賠償の額を算定するに当たり、損益相殺の対象となる。

  Zは、X社が工事現場への立ち入りを禁止する措置を講じていたにも関わらず、漫然と工事現場に立ち入ったために本件事故により負傷した。この場合において、Zが、X社を被告として、X社の使用者責任に基づく損害賠償責任訴訟を提起したときは、裁判所は、Zの過失を考慮して、損害賠償額を定めることができる。

  X社は、Zに対し使用者責任に基づく損害賠償責任を負担したことにより損害を被った場合、一定の限度において、Yに対する求償権の行使を認められることがある。

  Yは、X社に臨時に雇用されているアルバイトであり、本件事故に起因して負傷し療養をうけた。この場合、アルバイトは原則として労災保険法上の労働者に当たらないため、Yの療養について労災保険法に基づく保険給付は行われない。

 1、アイエ 2、アイオ 3、アウエ 4、イウオ 5、ウエオ

解答
 2-4-ア ○ そのとおり
 2-4-イ × 見舞金については、損益相殺の対象外。
 2-4-ウ ○ そのとおり
 2-4-エ ○ そのとおり
 2-4-オ × アルバイトも労災法の労働者。労災法の支給の対象になる。
 
 したがって、適切なものの組み合わせは、アウエとなり、3.が正解。

<⇒第34回ビジネス法務検定の「解答」の「解説コメント」(第1問~第5問)へ>
<⇒第34回ビジネス法務検定の「解答」の「解説コメント」(第6問~第10問)へ>
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