エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

下萌や

2012年03月08日 | ポエム
下萌の候、である。



枯れ草の中に青みが増えてきたのである。
正に、下萌えである。







      草青みまばらに聞こゆ子らの声       野 人





啓蟄は過ぎ去った。
最早、ものみな目覚める侯なのである。
ぼくの感性も、より覚醒すると良いのだが・・・。



これは、オオイヌノフグリである。
犬フグリと言っても良いのである。

実に可憐で可愛らしい花である。
それなのに「犬のフグリ」とは何たる命名であろうか!
「犬の金玉」である。

石垣の直ぐ下の陽だまりで咲いていた。




      犬ふぐり石垣染める小紫         野 人










      ホトケノザ蓮華座ささえ咲きにけり     野 人




ホトケノザである。
蕾は強い赤色だけれど、花は淡いピンクとなる。
葉は、蓮華座のようである。
その葉の下から花が萌え出ずるのである。

蓮華座とは、
1 密教で、結跏趺坐(けっかふざ)のこと。
2 仏像を安置する台座。蓮華台。蓮台。蓮座。
とある。

仏様がお座りになる場所の事である。



クロッカスも低い位置で鮮やかに咲いている。
健気な花である。







      クロッカス草の中こそひそみたり       野 人





だがしかし、強烈な個性を発する花でもある。



木蓮の蕾の向こうに昼の月が見えた。
大気が澄んできている。




      木蓮の開花の予感昼の月         野 人




心も肉体も清浄にならなければ、爛漫の春は迎えられないのである。





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      荒 野人