エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

3.11が巡ってきた

2012年03月11日 | 日記
「3.11」が巡ってきた。
復興にはまだまだ時間がかかる、それほどの災厄であった。

復興を阻む「トリレンマ」は、原発、政治、そして風評被害である。
壊されたのは、人の絆である。
トリレンマ・・・三重苦である。

本当は、格好良く「被災」「原発」「経済」などと言っておけば差し障りも無く、大方の共感を得るのだろうと思う。
だがしかし「原発事故」「政治の貧困」「風評被害」であると言いたいのである。
それは人災であると言う事に他ならない。

その最も悪しき苦の根源は「政治の貧困である」と断定せざるをえないのが・・・悲しい。



ここは吉里吉里地区である。
かの井上ひさし氏の小説「吉里吉里国」の舞台である。



吉里吉里地区の海岸である。
悲しいスクラップの山である。






      長雨の定め冷たき春の海        野 人

      美しき海去年の怒りは今も尚      野 人

      菜種梅雨想いを馳せり被災の地     野 人






今日一日、被災地を考える時間を持った。
まだまだ咲き綻ばない梅林を歩きながら・・・。

梅の香は、満開で無いけれど「そこはかとなく香って」きた。
身体も心も柔らかくなるような香りであった。



ここまで破壊された被災地の人々の心が本当に軟化するのには、まだまだ時間を必要とする筈である。



スクラップの山も、上の方は崩れていく。
早く処理しなければ、このスクラップが人を内側から苛む。
粉末となって、人の内臓を汚染し、破壊するのだ。



重機が決定的に不足している。



この地区では多くの被災者が無念の最期を遂げた。
だがしかし、今日の氷雨はこの地では雪となって降り積んだ筈である。




      雨上がり滴をとどめ梅開く        野 人




東京では、そろそろ梅が見頃を迎えるだろう。
被災地では、まだまだ重たい雪が降り積んでいるのだろう。
だがしかし、東北でも必ず梅は咲くのだ。
その時が待ち遠しい。

あの山、あの海、あの川、あの街・・・。
美しくもたおやかな人々の生活。
強靭な意志を持った人々の生活。

早く取り戻せますように。

哀悼の誠を捧げつつ。
合掌!






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      荒 野人