エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

杜鵑草

2013年10月12日 | ポエム
杜鵑草・・・植物である。
ほととぎす、と読む。

鳥の場合は「時鳥」と書いて「ホトトギス」である。
その他、子規、不如帰、杜宇、蜀魂、田鵑など、漢字表記や異名が多い。
子規のホトトギスは、鳥である。



この杜鵑草は新宿御苑で見つけた。
紅葉には遠い印象であるけれど、色変りは一瀉千里で来る!



この杜鵑草は「タイワンホトトギス」である。
そもそも論で言えば、このタイワンホトトギスは日本列島の南方に自生する。
例えば鹿児島、沖縄などの地域である。

基礎データ
 ユリ科 多年草
 原産地 日本を中心とする東アジア
 高さ 40~1メートル
 花期 10月

東アジア(日本、台湾、朝鮮半島)に分布し、19種が確認されている。
そのうち日本では 13種(変種を除く)が確認されており、うち 10種は日本固有種である。
日本列島を中心に分布していることから、日本が原産であると推定されているのである。



花言葉は「秘めた思い」「私は永遠にあなたのもの」である。
良いね!
そう言われてみたいものである。







「ほととぎす草叢の浮き上がる空」







このタイワンホトトギスを含め10種類ほどが環境省のレッドリストで「準絶滅危惧~絶滅危惧種」に指定されている。
心して詠まねばいけないし、手折ってはいけない。

かつては茶花としても珍重された、とある。
間違っても、茶花としてはならないのである。



         荒 野人

近頃嬉しかった事など

2013年10月11日 | ポエム
二つ紹介しよう。
近頃嬉しかった事ども、である。

その一。



ぼくは「ほとけ泥鰌句会」で俳句修行しているけれど、先週の土曜日、主宰の配慮で「鷺草句会」に参加させて頂いた。
加えて、24節季の内「寒露「「霜降」について概ね15分、話をさせて頂いた。

主宰が用意したペーパーを、野人風に少し膨らませて話させて頂いた。
みなさん真剣に聴いて頂いた。

この句会「中村二三恵」副主宰がおられる。
からまつ選者の「中原徳子」さんがおられる。
初々しい「高野ほのか」ちゃんがおられる。
からまつの中で、ぼくの好きな俳人の一人である「志水美代子」さんもおられる。
沖縄「ひめゆり学徒隊」の「吉村秀子」さんもおられる。

丁度沖縄を台風が直撃していた。
秀子さんは、沖縄の今を良く詠われる。
秀子さんは、沖縄の天候にも心を砕かれている。

「わたし、愛郷家だからね!」と破顔一笑された。

句会の中で、野人の句も選句された。
白水引の句、吾亦紅の句であった。
何より嬉しかったのは「ほのか」ちゃんに選んで頂いた事であった。
主宰からは本選で1句選んで頂いた。



白鷺の写真に挨拶句を入れて、皆さんにお配りした。





「鷺草の天翔るごと連なれり」




その二。
最近発行された「全季俳句歳時記」に例句として3句が採用されたことである。
もちろん、選考に当たって由利雪二主宰が押し込んで頂いたのだと理解しているけれど・・・。

それでも、歳時記に活字として掲載された事は「手放しで嬉しい」のである。
二人の子供に、一冊ずつプレゼントした。

「もしも、おれが死んでも孫たちに教えてやってくれ!」
そんな気持ちである。
「俳句を読んでいたおじいちゃん・・・。」

そんな思い出として残せるのは幸せである。



赤とんぼ、昭和の日、それに芥川の河童忌の三句である。
ますます精進しなければと思う。

年の割に、直ぐ熱くなる野人。
冷静に物事を見られない野人。
まだまだ幼い野人。
「喧嘩上等!」などと言い放っている無神経な野人。

現実を静かに見る作風は、無理かな!
「うん・・・無理だね!」
と・・・。

誰かが笑っている。



       荒 野人

ワグナー

2013年10月10日 | ポエム
昨日、黄昏をテーマにしたブログを書いた。
時間が無く、貼り付けられなかったけれど、今日改めてワグナーを聴いて頂こう。


ワグナー



ワグナーを聴くと、勇気が鼓舞される。
ワグナーの音楽は、金管楽器を見事に使いこなす。

従って、勇気凛凛となるのだと思う。



さて今日は、少しだけワグナーに触れる。


ワグナー



ウイーン・フィルをカール・ベームが振っている。
「ニュルンベルクのマイスタージンガー」の前奏曲である。

ワグナーは恋多き人であった。
その事が彼の創作意欲を刺激したであろうことは、想像に難くない。



最初の妻「ミンナ」である。



不倫関係にあった女性である。
チューリヒ時代(1849年 - 1858年)のパトロン、オットー・ヴェーゼンドンクの妻マティルデ・ヴェーゼンドンクとの不倫関係である。



妻のコジマ・ワグナーである。
コジマは、ピアノの魔術師・リストの娘であって、著名な指揮者ハンス・フォン・ビューローの妻であった。
ワグナーは終生、彼女に合いを捧げた・・・。

1867年2月7日に完成した「ニュルンベルクのマイスタージンガー」の作曲スケッチの末尾には、「聖リヒャルトの日に/とくにコジマのために/作成」と記入されている。






「秋夕焼うなじの白き人を恋う」



ワグナーの人を愛するあまりの奔放に、驚く。


        荒 野人

黄昏の

2013年10月09日 | ポエム
秋の夕焼けは、人を恍惚とさせる。
見ていると、限りなく思索へと誘う。



   ああ、ジークフリート
   汝行けよ
   黄昏の彼方へ
   と

などと妙にロマンチックになってしまうほど、秋の夕焼けは美しい。
ワグナーの序夜と3日間のための舞台祝典劇「ニーベルングの指環」の第二日の「ジークフリート」は4時間の大作である。
第三日が「神々の黄昏」である。
この神々の黄昏は、4時間半である。




ジークフリート (Siegfried)は、ドイツの英雄叙事詩『ニーベルンゲンの歌』の主人公であって、北欧神話のシグルズと同一起源の人物である。
王ジークムントと王妃ジークリントの息子でネーデルラントの王子とされる。

ワーグナー35歳の1848年から61歳の1874年にかけて作曲された。



15時間を要する長大な作品であるので、少なくとも4日間をかける。
通して演奏することはあまりないが、ドイツのバイロイト音楽祭や、ヨーロッパのAクラスのオペラ・ハウスでは赤字でも目玉としてよく上演されるのである。


4日間の内訳は以下の通りである。

序夜 『ラインの黄金』(Das Rheingold):2時間40分
第1日 『ワルキューレ』(Die Walküre):3時間50分
第2日 『ジークフリート』(Siegfried):4時間
第3日 『神々の黄昏』(Götterdämmerung):4時間30分

ぼくは疲れた時、良くワグナーを聴く。
車の中でも良く聴く。

特に、ワルキューレの騎行は良い。







「秋夕焼黄昏に染む天の幕」




ワグナーは、精神を鼓舞する何かを発散させている。
この楽劇だけでなく「タンホイザー」「さまよえるオランダ人」などのオペラでもそうである。
アリアの重厚さ、レシタティーボの堅牢さが好きである。



          荒 野人

黄色い秋

2013年10月08日 | ポエム
黄色い秋は匂う秋。
そう言って良かろう。



視覚でも嗅覚でも、そして虫たちの声が和すと聴覚でも楽しめるのが秋である。
いやいや更には、味覚の秋でもあるのだから、全身で楽しめるのが秋という季節である。
ますます感性を研ぎ澄まさなければ、勿体ない。



小判の色は、山吹である。



彼女は、八重咲きの山吹。
街中の山吹は、一重から咲き始め今は八重咲きである。



黄花コスモスは、長い間楽しませてくれる。
秋の気配が漂う最初の頃から、ずっと咲き続けてくれている。



この花は、秋桜が終わっても咲き続けてくれる。



だがそうだとしても、やはり極めつけは「木犀」である。







「自転車の視野の限りの金木犀」








昨日、金木犀の樹蔭で長い時間立っていた。
身体が、染まりそうなくらい香りが立っていた。

中国の桂林。
中国語で桂は「木犀」の意味である。
きっと、桂林の街は今頃、木犀の香りに包まれているに違いない。

咲き初める頃が、一番香りを発する。
でも、もう少しの間木犀が楽しめる。

淡く、甘い青春の香りである。



        荒 野人