先日信州安曇野を訪ねました。安曇野の桜は惜しくも散ったあとだったのですが、途中の中央本線木曽福島駅から塩尻駅の車窓からはまだ濃い淡い色の各種サクラが楽しめました。
今回の主目的はいつもの大雪渓酒造さんではなく、安曇野市で家族だけでわさび田を営む「わさびや遊(ゆう)」さんを訪ねることでした。
日本が原産のわさびは、現在世界的な和食ブームとともにヨーロッパ、アメリカ、アジア各国のレストランでも使用されています。クレソンの生産会社が全面的にわさびの生産に切り変えるなど、海外でわさびを生産する会社も出てきていますが、水によって味が変わる山葵(わさび)は海外の硬水より日本の軟水のほうが向いているようで、日本への輸出オファーも絶えないそうです。
長野県安曇野市はわさび生産量日本一です。安曇野わさびは、北アルプスからの豊富な湧水を使用して、安曇野でしか行われていない平地式により水栽培されたものです。水の湧く砂地に直接わさびを定植栽培する方法は全国的に見ても安曇野以外にありません。
この柔らかい白砂のおかげでわさびが根をはり、根をはることによってより青くなり旨味が増すのだそうです。砂ではなく小石になると育つのが早くて生産効率が上がる分旨味は少なくなります。
農薬は残留しないようなカビ系のものを使用しています。
これがわさびの花ですが、時期的にはもう少し前の3月くらいがピークだそうです。
ご主人の松本遊穂さんです。関西出身ですが、山が好きで安曇野に移住してきました。
初めて2品種の食べ比べをしました。比べるとその違いがよく分かります。
同じ安曇野の水で醸した清酒「大雪渓」の中でも、杜氏が選りすぐった「わさびと飲みたい純米吟醸酒」と合わせてみました。
わさびの旨味・辛味と酒の優しい甘味・旨味が丁度よく合いました。わさびも日本酒も水が大事(日本酒は8割が水です)、同じ水から出来たこの相性が良いのは必然です。(O.K.)