魚のアトリエ”うおとりえ”

新鮮な魚を美味しく食べたい!!
 「魚っ食いの365日

魚談義――後継者問題

2011年02月15日 | 魚談義



後継者がいない!! 

漁業従事者の高齢化が問題になっている。
若い後継者がいないということだ。後継者がいなければ、
いずれ魚が食べられない日がくるのではないか心配になる。

 魚を好む消費者も高齢化しているという問題。
食べる方の側にも、若い後継者がいないということになる。
後継者がいなければ消費が落ちるのは理の当然。

 それが心配だから子供たちへの「食育」が叫ばれている。
「地産地消」の促進とともに、学校給食で行われていること
が多いようだが、地魚の獲れない都会では、なかなかそれは
出来ない。

 食育の基本は、何と言っても家庭にある。
親が食べるものを子供は食べる。その親が魚を食べなければ
子供も魚を食べる習慣とならない。

 今や、魚を好むのは、おじいちゃん・おばあちゃんの世代。
お父さん、お母さんの現役親世代は、忙しくてなかなか魚を
食べるいるヒマがない。

 核家族化でおじいちゃん・おばあちゃんとの同居が少ない
から、子供が魚を食べる機会がない。魚食の後継者が育たな
い。

 魚に限らず、食糧問題はそう簡単なものではないと思うが、
この問題が語られるとき、農業でも、漁業でも、畜産でも、
生産者のことと、内外価格差のことばかりが問題視されて、
「消費者の問題」として、語られ議論されることが少ない。

 食糧の問題は、一人ひとりが何を食べるかにかかっている
のだから、消費者がどういう「食」を選択するかで決まる。

 この論法を発展させると、魚を食べる「後継者」が育てば、
「漁業の後継者」問題は必ず解決するということになる。
・・・というのが持論なのだが。  どう思われますか?

  
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魚談義――家庭における「魚食力」について

2011年02月14日 | 魚談義
                     

                   
 「魚食力」を測定する 
家庭で魚を食べる力を「魚食力」と定義することにします。
 あなたの家庭の魚食力を測ってみてください。
  ご自身、あるいはご家庭における、傾向が何となく見えてくるのではないでしょうか。
  

・魚が好きですか・嫌いですか
  *大好き    **好き    ***嫌い   ****大嫌い

・どのくらいの頻度で食べているか
  *週に1回以上 **月に2-3回  ***月に1回  ****殆んど食べない

・どんな魚が好きですか
  アジ サバ イワシ 小魚 イカ タコ 赤身の魚 白身魚 青魚 カツオ マグロ ブリ サケ(シャケ) エビ カニ  貝

・どんな食べ方が好きですか
  *生・刺身・寿司  **焼き魚   ***煮魚  ****フライ・てんぷら  *その他

・ふだん食べている(買っている)魚は美味いと思いますか
  *美味い  **不味い  ***どちらとも言えない   ****その時々で違う

・その魚に満足されてますか
  *満足している  **満足していない  ***どちらとも言えない  

・魚の加工食品では、どのようなものがお好きですか
*干物 **粕漬け・味噌漬け  ***冷凍食品  ****缶詰

・どんなときに食べますか
  *ふだんの食事で  **家庭の催事で  ***来客のとき  ****その他

・調理はどのように
  *自分でさばく   **店でさばいてもらう   ***切り身を買う

・どんな包丁を持っていますか
  *出刃包丁  **刺身包丁  ***万能包丁  ****菜切り包丁  ****その他
  
・ふだんどこで魚を買いますか
  *デパ地下・ショッピングセンターで  **町の魚屋で  ***スーパーで  ****その他

・何時頃買いますか
  *午前中      **午後~5時   ***夕方5時~   ****決まっていない

・どのくらいの頻度で買いますか
  *1週間に1回   **月2回くらい  ***月に1回くらい ****殆んど買わない

・魚が好きな理由は
  *美味しいから  **健康によいから  ***その他

・魚が嫌いな理由
  *匂い(臭い)  **不味い   ***台所が汚れる   ****ゴミの始末  *****調理が面倒

・価格のイメージ
  *魚は高い   **魚は安い   ***別に気にしない  ****肉より高い

・あなたはどっち
  *魚派です   **肉派です   ***どちらともいえない

・家族の中で魚が好きなのは誰ですか
  *妻   **夫   ***両親(父・母)   ****子供

・年齢と共に好みが変ると思いますか
  現在:魚 → 将来:魚 *
     肉 →    魚 **
     魚 →    肉 ***
     肉 →    肉 ****

回答お疲れ様でした。ご家庭での食事計画の何かの参考になったでしょうか。

*の数を数えて、少ないほど魚食力が高く  ****多いほど魚食力が低い と言えそうです。

このアンケートの中に「鮮魚難民」解消のヒントがあるのではないかと思っています。

 

                 
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魚談義――my魚屋開業:アンテナショップ

2011年02月13日 | 魚談義
              



 「鮮魚難民」となってしまった私は、町になくなった魚屋に代わって、自分自身が
魚屋になりました。 店舗を作り営業許可をとって、自ら卸市場に仕入れに行き、自
分が食べる魚を自分で仕入れ、仕入れた魚を自分の魚屋から買って、わが家は魚を食
べています。自分専用のmy魚屋です。

 自分の目利きで買ってくるわけですから、初めはなかなか思うように魚が買えずに、
難儀をしましたが、だんだんと市場の皆さんから魚のことを教えてもらいながら、魚の
ことが分かって参りました。

 同時に魚の流通の仕組みも分かって参りました。結局、魚の習性から、漁場のこと、
漁業のこと、産地出荷市場のこと、消費地荷受市場のこと、魚屋さんのこと、家庭の
買い物の仕方、台所のこと、魚の食べ方のことなど、生産から最終消費に至る一連のこ
とが分からないと、「鮮魚難民」問題は解消しないことが分かって参りました。

 折角、魚屋を開業したわけですから、時代に合った魚屋のあり方を考えたわけです。
何人かのお客さまを通じて、家庭における魚の受容度を考察して参りました。
詳細はここでは省略しますが、わがmy魚屋に来られるお客さまは、それぞれの事情こ
そ違え、「鮮魚難民」であることが分かりました。

 つまり、「町の魚屋さんがなくなってしまった」「美味しい魚を買うところがない」
という方々が来られのです。そういう方々がどのくらい居られるかは、消費者調査をし
ているわけではないので分かりませんが、かなり居られるのではないかと想像していま
す。自分も「鮮魚難民」だと思われる方がおられたらレスポンスしていただけると有難
いですね。

 一方、魚は好きだが、家庭ではあまり食べない。魚は外で美味しく食べているという
方も多いと想像しています。その代表的なものが「回転寿司」など手軽に食べられる外
食です。あるいはデパ地下などの天ぷら・フライ・煮つけ・焼き物などの惣菜を利用さ
れている方々です。また、魚は食べなくても別に困らないという方も居られるでしょう。
こうした傾向を家庭における「魚食力の低下」と捉えると、今後の鮮魚流通のあり方が
見えてくるような気がします。

 わが「my魚屋」は、消費傾向を探るアンテナショップであります。
時代にあった魚屋の「モデルショップ」を目指しています。
 
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魚談義――鮮魚難民

2011年02月03日 | 魚談義
  


 いま、新鮮な魚を食べたくても、近くの商店街の魚屋さんがだんだん少なくなって、容易に
買えなくなってしまった。スーパーがあっても近海の鮮魚は少ない。ショッピングセンターや
デパートに魚の専門店はあるが、たいていは遠くて、わざわざ出かけるという感じで、ふだん
の買い物には向かない。

 なぜ、魚屋さんが少なくなったかというと、消費者が買わなくなったからで、消費者がなぜ
買わなくなったからというと、買い物の仕方が変わってしまったということだ。ところが魚屋
さんはその場所から簡単に移動できるかといえばそうはいかない。このことは魚屋さんだけの
ことではなく、八百屋さんだって、肉屋さんだって、だいたい同じような道をたどっている。

 それでは、われわれ日本人が魚を食べなくなってしまったかというと、そうでもない。
ただ、食べ方が大きく変ってしまったのではないかと考えられる。家庭で食べるより外食で魚
を食べる――その端的な例が回転寿司だ。また、蒲鉾やはんぺんなど加工食品として食べてい
る。それは確かに魚には違いないが、魚そのものではない。

 われわれが普通、魚を食べると言えば、生の刺身か、焼くか、煮るか、揚げるかを連想する
が、そうした食べ方がどんどん減ってきていることが考えられる。特に小魚は骨が嫌われて
敬遠される。また、さばいたり調理をするのも時間がかかることも敬遠される理由と考えられ
る。

 そればかりが理由ではないが、結果として魚屋さんで魚が売れなくなったから、町の魚屋さ
んはどんどん減ってしまった。そうすると、こんどは魚を食べたい人も身近に魚を買うところ
がなくなってしまった。この人たちをわたしは「鮮魚難民」だと思っている。わたくし自身も
かつて鮮魚難民だった。

 いまの経済原理からすれば、需要があるところには必ず供給者が現れるのだが、この「鮮魚
難民」を救うものが現れない。鮮魚難民に気付かないのだろうか? そんなことはない。産地
直送の通販業者がそれに目をつけている。だが、家庭の日常の食卓に遠路はるばる宅配便で魚
が配達されてくるかたちは、いかにも非効率という感じがする。

 流通の先端にあるCVSやスーパーが、いわゆる鮮魚をもっと積極的に扱えば良さそうなも
のだがそうでもない。現状ではスーパーに魚はあるが、鮮魚難民の求めている魚とは違うよう
だ。鮮魚難民の心を捉えていないようだ。そこに「鮮魚」固有の扱いにくい「問題」があり、
ニッチな需要かも知れないが、解決の難しい「難題」なのではなかろうか。

 野菜は、地産地消の流れに乗って各地で生産者の直売が盛んになって、「新鮮野菜」が手に
入りやすくなった。また、スーパーでも必ずといってよいほど「地場野菜」コーナーがあって
町の八百屋さんに取って代わっている。町の肉屋さんも少なくなってしまったが、これも大手
流通が十二分にその代役を果たしている。

 それでは、鮮魚固有の「流通問題」とは、いったい何なのか。
一つは、商品そのものの持っている性質。鮮度保持時間が短く、常に冷蔵管理をしなければな
らないこと。種類が多く、大小不揃いで、包装・陳列が容易でないことなどが挙げられる。
流通の問題としては、入荷(仕入れ)が不安定な上に、価格変動があって、定常的な販売に適
さない。

 次に消費者の側の問題――これはいくらでもある。
さばけない・調理が出来ない・難しい・時間がかかる・食べにくい・日持ちしない・台所が汚れる・
臭い、匂う、美味くない、肉より高い、などなど。それには、マンションなどの住環境も影響
しているものもあり、また商品知識が乏しいことも挙げられる。

 家庭における「魚食力の低下」現象が起きている。その結果が町から魚屋さんがだんだん少
なくなって「鮮魚難民」がうまれた。いま営業中の魚屋さんに「頑張ってください」とエール
を送りつつ、わたしは「難民救済」に立ち上がることを決意する。 

 
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