魚のアトリエ”うおとりえ”

新鮮な魚を美味しく食べたい!!
 「魚っ食いの365日

絶品!追っ駆けのスミイカ 

2010年12月16日 | 浜どんどの市場日記

 左上:大きな目玉                    右上:追っ駆けのスミイカ
 左下:イカの腹にアジが、薄紅色の光を放って、   右下:ゲソ焼き

 
 絶品!のスミイカに出会えた幸運
 中央市場の楽しみのひとつは、運よく絶品・珍品に出会う時である。
7時半、追っ駆け入荷の場内アナウンス。三浦半島・下浦漁港から、朝網のアジ・カマス・
スミイカの入荷の知らせだ。カラン・カランというセリ場の鐘に誘われてセリ場を覗く。
たった1箱だけスミイカのトロ箱がある。誰が競り落とすか目を走らすが、仲買の指の動き
とセリ人の掛け声だけで、誰が落としたかわからない。

 ややあって、トロ箱を覗くと懇意な仲買のセリ札が入っているではないか。しめた!
荷を追うように仲買の店に急ぐ。まだ生きている。甲に触れると反応する。値段を確かめる。

 東京湾冬の味覚
 スミイカは冬の味覚だ。冬の東京湾のスミイカ釣りはファンが多い。釣り味よりもその味覚
に魅せられてのことだ。短足・肉厚・大きな目玉、ねっとりとして軟らかく、ほのかな甘みは
堪えられない。イカはどれも個性があって美味しいが、冬のスミイカはイカ族の味覚の王様と
言ってよい。

 イカの腹から新鮮なアジが
 墨に気をつけながら、内臓を引き出す。な、なんと15センチほどの鯵がまるまる消化もさ
れずに入っているではないか!! それも、薄紅色の輝きを放っているではないか。きっと丸
呑みしたその瞬間に網にかかってしまったに違いない。甲の長さに匹敵するような鯵をどうや
って丸呑みできるのだろうか? 墨を噴出すあの口のようなところからだろうか?もう1パイ
からは、5センチほどに折れた骨だけが出てきた。イカは恐ろしい生き物だ。

 あまりの見事さに、3枚に下ろしてみる。これなら十分に刺身で食べられると思ったが、何
となく気持ちが向かなくて、後で天ぷらにして食べた。もちろんうまかった。めったにないこ
とだからやっぱり生で食べておくべきだったと今でも思うが、体内の魚を食べるにはちょっと
勇気がいるということか。

 お釣りのくる美味さ
 イカは、一部の内臓を除いて殆んど食べられるところがいい。捨てるところがなく経済的だ。
皮を剥くのがやや手数がかかるが、このくらいの手間は、十分お釣りのくる美味さを思えば大
したことではない。

 刺身を堪能し、肝を絡めたゲソ焼きに舌鼓を打った。美味い、旨いを連発しながら。残りの
半身を味噌漬けにして楽しみを後に残した。そうしてまるまる2ハイを一人で平らげた。家内
がイカを食べないから、久々の満足であった。

 *「追っ駆け」:通常の入荷時間に遅れて、入荷してくる魚(荷)を言う。前の車を追っ駆
けて来ることに由来すると聞いた。地場の魚で鮮度が抜群によい。わたしはこれを最も好む。

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魚っ食いの一週間 12/5~12/12

2010年12月14日 | 魚の食卓
 
左上:メカジキのソテー   右上:エボダイの干物
左下:スミイカのげそ焼き

前週末に仕込んだタラ、メカジキと先々週のエボダイを、手を変え品を変え、保存食を
交えて、食べつなぐ食材豊富な一週間。焼き豚・ロールキャベツの肉をはさんでの一週間。

                【朝 食】             【夕 食】

 12月5日(日)    エボダイの干物(焼き・保存食)    メカジキのソテー
             タラの卵の煮付け(保存食)
             しらす干し

    6日(月)    タラの卵の煮付け(保存食)      メカジキの串ねぎ(焼き)
             タラ中落ちの煮付け(保存食)     メカジキの山掛け

    7日(火)    芝エビ入りキャベツ炒め        タラ湯豆腐
                                    エボダイの干物(焼き・保存食)                          
    
    8日(水)    ウルメイワシの丸干し(保存食)    (焼き豚)

    9日(木)    三色ご飯                 メカジキの味噌漬け(焼き・保存食)
             /タラそぼろ・タラ卵の煮付け・炒り卵
   
   10日(金)    エボダイの干物(焼き・保存食)    タラの湯豆腐 

   11日(土)    タラの卵の煮付け(保存食)      (焼き豚)
             しらす干し

   12日(日)    エボダイの干物(焼き・保存食)     メカジキのソテー

 *連続魚食記録47日達成 
   魚っ食いを毎日続けるには、一週間に1回は干物や、煮付け(佃煮、そぼろ他)、などをつくり、
  常備しておく必要がある。これが毎日の食卓を豊かにするとともに、経済的にもメリットが大きい。  
      
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魚っ食いの一週間 -11/28~12/4

2010年12月05日 | 魚の食卓

 
      生タラの煮付け・煮こごり 12/1         芝エビ入り野菜炒め 12/2

 今週の魚っくいの食卓
                【朝 食】             【夕 食】

11月28日(日)     芝エビ入り焼き飯          生タラの湯豆腐
                                生タラ」の昆布〆
   29日(月)      湯豆腐汁のおじや         メバチマグロの鉄火丼

   30日(火)     芝エビの野菜サラダ         生タラのフライ
              生タラ卵の煮付け           生タラのムニエル/野菜あんかけ
12月 1日(水)     シラス干し             生タラの煮付け/煮こごり
                                生タラの昆布〆
    2日(木)     生タラの昆布〆           サワラの粕漬け(焼)
              生タラの煮付け(中落ち)      芝エビの野菜炒め
    3日(金)     エボダイの干物(焼)        生タラの湯豆腐
              生タラ卵の煮付け
    4日(土)      湯豆腐汁のおじや         (焼き豚入り五目チャーハン)
              生タラ卵の煮付け

魚食連続記録39日
 先週末に大タラを1尾(9.4kg)を買ったため、今週はタラを食べつくした一週間となった。
まだまだ、粕漬け、佃煮、そぼろ、卵の煮付けがあるので、当分タラが楽しめる。
鮮度がよければ、タラほど癖がなく、和・洋・中いずれにも適する魚はない。調理のレパートリが
増えれば重宝する。タラは手ごろな値段で買えるのも魅力。
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台所仕事は偉大な事業ー9 台所の主になること

2010年12月02日 | 主夫の台所考
 
主夫宣言!
「男子厨房に入る」、男子の厨房族は最近はかなり多いと思われる。
日曜だけ、好きなものを作るとき、すき焼き・鍋物など特定のものを作るときだけなど、
いろいろなパターンがあろう。でも、本気で「主夫の台所」をやろうと思っている人は
少ないと思うが、本格主夫の条件について考えてみる。

 第一に、食に賭ける明確なビジョンがを持つこと。

 第二に、買い物(家計)・献立・調理・後片付けの一切を引き受けること。

 第三に、台所と言う城の明け渡しを迫ること。台所の主になること。

会社の仕事でも、任されればいい仕事をするが、任されなければよい仕事・成果が上げら
れないのと同じことが言える。わが家の場合は、「台所の主夫宣言」をして、完全明け渡
しを受けた。それまでは、主婦の下請けでやっていたが、主が二人では上手く行くわけが
ない。

 とかく、男の料理は主婦からは評判がよくないとも聞く。
・高い材料を使うので不経済
・作りっぱなしで後片付け、洗い物をしてくれない
といったところが代表的な声。主婦からは迷惑がられているということか。

 もし本当に「主夫の台所」願うならば、選手交代をされては如何かと思う。
経営者が変れば会社も変るように、台所も経営方針が変れば、見違えるような台所に変る
はず。「主夫の料理」を味わう「主婦の極楽」を一度は経験されるのも悪くはないと思うの
だが。

 そうであってもなくても、老・老生活の昨今であれば、どちらかが必ず台所をせねばな
らない時が来ると思って、今のうちから選手交代をしておくことが賢明と言えるかも知れ
ない。 
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大タラ 9.4kgに挑戦!!

2010年12月01日 | 浜どんどの市場日記
 

格闘の顛末記

 大・マダラ(めす)を確保
 シーズンを迎えて、このところ真ダラの入荷が多い。懇意な仲卸の社長からお奨めの
真ダラがあった。エラが鮮紅だ! しかし9.4kgはいかにも大きい。家族二人では、
さすがに食べきるめどが立たないので、どこにどうお頒けするかを考える。考えている
内に売れてしまうかも知れず、ともかく魚だけは確保した。

 解体・初体験
 こんな大きなタラはさばいたことがない。大きいだけではない。ヌルヌルとしてとらえ
どころのない代物。そのまま持ち帰っても始末に困るので、店の片隅を借りて頭、胴体・
内臓に解体して持ち帰ることにした。

 用途別に身わけ
 大ダラは、4軒ほどに分けてもまだまだあり余る。
昆布じめ用・ちり鍋用・粕漬け用・フライ用・から揚げ用・煮つけ用に切り分ける。
それでも巨大な頭、中落ち、巨大な卵が残った。頭は茹でて身を取り出し、中落ちは焼いて
から身を剥ぎ取った。これが何と640gあった。切り身になおせば5~6切れに相当する。
擂り鉢でよく身をほぐし、鍋にかけてそぼろを作った。

 巨大で真っ黒
 巨大な卵は900gもある。真っ黒な外套幕に包まれている。タラコにするのはスケソウ
ダラの卵でおなじみだが、真ダラの卵は全くの異物といってよい。茹でても皮が硬くゴム質
状。真っ黒な瓜が2本、腹に入っているようだ。ところが魚卵の一粒は真にこまかく0.2
mmほど。皮を取り除き、酒に醤油・砂糖を少々加えて炒ることにした。

 たらふく 
 タラと格闘する一日となった。
これで、当分たんぱく質には困らないが、来る日も来る日、たらふく食べることになるか。
その顛末や如何に。



 
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