魚のアトリエ”うおとりえ”

新鮮な魚を美味しく食べたい!!
 「魚っ食いの365日

台所仕事は偉大な事業 -8 自家調理と食糧自給率の関係

2010年11月30日 | 主夫の台所考
 唐突のようだが、主夫の台所7年の経験から「自家調理」と「食糧自給率」の
関係について考えてみたい。

 加工食品について
野菜でも、魚でも、肉でも、素材から調理するからこそ家庭料理と言えると思っている。
しかしながら、デパ地下の惣菜、コロッケ・シュウマイ・ハンバーグなど調理済み食品、
冷凍食品が氾濫し、消費者の需要に応えている。

 輸入食材について 
生活態様の変化から、それらを必要としていることは全てを否定するものではないが、
それらの多くは外国からの輸入素材に負うところが多く、これらが増加することが食糧
自給率の低下につながっている。外食産業の多くも輸入食材に依っていると言ってよい。

 安いことはよいことか
 調理済み食品や外食の便利さを求める消費者が増えれば、自ずと食糧自給率が下がる
のは自明の理。加工食品や外食産業は価格競争の世界だから1円でも安い原材料を求め
て世界中から調達してくる。また消費者も1円でも安いことを求める。自家調理率の低下が
食糧自給率の低下につながっていることは間違いない。

 生産者について 
 食の素材から調理する自家調理率を引き上げれば、自ずと国内生産は回復すると考える。
米も、野菜も魚も需要が増えれば必ず新たな生産者は現れる。若者だってどんどん農業に、
漁業に従事することだろう。先の見込みがないから親の後を継がない。親も継がせようと
しない。

 生鮮食材について 
 品質のよい生鮮素材は必ず身近なところにある。遠いところからは来ない。
自分で食材を買ってきて、自分で調理するとそのことがよく分かる。
最近は、野菜の農家直売が各地で盛んになってきているのは、それが美味しくて、安心・
安全だからである。決して単純に安いからではない。魚も手間ひまかかるが近海の小魚が
美味い。しかし手間ひまかかる魚はどんどん食べられなくなってきている。決して日本の
近海で魚が獲れない訳ではない。

 食糧自給率の論点 
いま、食糧自給率の問題は、農業従事者の老齢化と規模による生産性の低さとして捉え
られ、その対策が議論されている。漁業従事者についても老齢化と資源の枯渇が問題とさ
れている。しかし消費者の食生活の問題としては捉えられず議論もされていない。


 「退職」したら「就食」する 
二人が働く現役世代は、調理に時間はかけられないだろう。自分が現役の時もそうだった。
退職したら時間はたっぷりある。健康と長生きのためにも「食」にうんと時間をかけてみて
はどうだろうか。ついでに「主夫の台所」をされてはいかがだろうか。
 
 ご飯からパンへ、魚から肉へ、素材食品から加工食品へと移行が進めば自動的に食糧自
給率が低下する構造になっている。消費の側が変らなければ自給率は上がらないと思う。




 
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大きなサワラを1本買う ー11月19日

2010年11月22日 | 浜どんどの市場日記
 大きなサワラを1本買った。 
体長約1m、体重6.4kg。
真っ赤なエラに魅せられて買った。どのようにして食べるかは後から考えることにする。
3kg台の手ごろなものもあったが、エラの鮮度がやや落ちるのでこれは買えない。


 早速さばく。流し台をいっぱいに使ってさばく。
初日は刺身。後はとりあえず切り身にして塩にする。
2日目はカマの照焼き。3日目は塩にしたものを湯豆腐に。
4日目、今夜は塩焼きにしよう。


 粕漬けを作る 
残りの切り身は、酒粕に漬け込んだ。24切れある。
その半分は、丁度進物の用があったので、冷蔵宅急便で発送した。
手許に12切れあれば、6食分になり当分おかずに困らない。

 酒粕にたっぷりと酒を含ませて粕床をつくり、そこに漬け込むので
3週間はゆうに日持ちする。サワラは使い勝手がよいので、ついつい
大きめでも買ってしまうことになる。


 サワラは通年魚?
 サワラの旬は秋から冬、脂が乗って美味くなる。関東では刺身としては
あまり好まれないようであるが、新鮮なものであればこれほど美味い刺身は
ない。かつて住んだことのある瀬戸内高松では、田植え頃に珍重されていた。

 サワラはもともと南方系の魚であるが、昨年あたりから北の海・三陸方面
からの入荷もあり、一年を通じて市場で見かけるようになった。こうなると
<魚偏に春>という字面もおかしいものになってくる。
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魚っ食いの一週間  11/3~

2010年11月21日 | 魚の食卓
 <魚食>連続記録に挑戦

 魚は毎日食べることにしているが、どのくらい続いているのか記録をとったことはない。
白鵬関の連勝記録は69連勝ならず63連勝に終わったが、”うおてりえ”の魚食ははどこ
まで続くか記録してみたい。もちろんその合間には栄養バランス上、肉も食べるのだが・・。
先日の新聞記事によれば、小魚は脳の活性化によいが、一週間に100gの肉も必要と言う。
その通りにしてゆきたい。

            【朝 食】           【夕 食】            魚の仕込み

11月3日【水】   サンマの紫蘇煮       メバチマグロの鉄火丼      メバチマグロ
           カツオの角煮          マグロのねぎま汁

   4日【木】   タカノハダイの粕漬け(焼)   (わんたん、しゅうまい)

   5日【金】   イワシの刺身          イワシの刺身          イワシ
           マグロの佃煮          マグロ血合いの塩焼き      メバチマグロ

   6日【土】   ウルメイワシの丸干し      カワハギの煮付け        カワハギ      
                             芝エビ入り五目寿司       メバチマグロ

   7日【日】   マグロの佃煮          メバチマグロの鉄火丼
           芝エビ入り五目寿司       イワシのつみれ汁

   8日【月】   マグロの佃煮          サケの粕漬け(焼)

   9日【火】   ウルメイワシの生姜煮      サンマの紫蘇煮
                             えびしんじょう汁

  10日【水】   ウルメイワシの生姜煮:焼き   えびしんじょうの蒸し上げ

  11日【木】   ・・・旅行のため朝食なし    えびしんじょう汁

  12日【金】   ウルメイワシの丸干し      サバの照焼き           サバ
           マグロの佃煮          えびしんじょう汁

  13日【土】   えびしんじょう入り味噌汁    メバチマグロの鉄火丼       メバチマグロ
                             イワシの刺身  マグロのねぎま汁 イワシ

魚食連続記録  10月27日から【18連食】
         今週はなぜか、メバチマグロが続いた。
         佃煮・粕漬け・しんじょうなどは、自家製保存食による。
 
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台所仕事は偉大な事業ー7

2010年11月21日 | 主夫の台所考
台所仕事に評価を!!

 毎日、一日ならずとも欠かさず続けるこの偉大な仕事に対する評価が低すぎると思う。
本音かどうかは分からないが、主婦に聞くとたいてい誰か代わってくれないかと言う。
仕方ないからしているという風である。苦役と思っている風でもある。
それほどではないと思うが、あながち嘘とも思えない。

 
 もちろん、食事作りを楽しんでおられる主婦ももちろん多いと思う。私自身も「主夫の台所」
を楽しんでいると言ってよい。作っては波にさらわれる「砂上の楼閣」のように、折角何時間か
かけて作っても食べてしまえば跡形もなくなってしまうところが面白いのかも知れない。あるい
は「美味」への欲求か、追求心のためかも知れない。


 調理師資格を取る

 昨年、調理師試験に挑戦してその免許を取得した。だからと言って上手になったわけでもない。
その調理師法の定めによれば「調理の業務に従事する者の資質を向上をさせることににより、
調理技術の合理的な発達をはかり、もって国民の食生活の向上に資することを目的とする」

(調理師法第一条)とある。


 「国民の食生活の向上」を目的とするならば、主婦こそその一番の担い手であると思う。
その主婦がいやいや仕方なくやっているとするならば、到底「食生活の向上」が図れるわけもない。
台所を預かる主婦の励みになるような方法はないものか。

 主婦にこそ「スーパー調理師」の栄誉を!! 

 現在の調理師免許は職業調理師のためのものであるが、「家庭調理師」という資格があってもよい
のではないかと思う。
たとえば、実務経験3年で1級、5年で2級、10年で3級とか、それぞれの経験を経たところで、
一定の講習を受けたものに授与するような、名誉称号であってよいと思う。資格試験ではない方がよ
い。通り一遍の講習ではなく、実質的な「食生活の向上」に資する内容にすればよい。


 専門調理師の規定というものもあって、それには「日本料理」「西洋料理」「めん料理」「中国
料理」「すし料理」「給食用特殊料理」と区分されている。
わが国の家庭料理は、和食はもちろんのこと、洋食・中華・そば・すしなど全部が日常的な家庭料理
となっている。
主婦(あるいは主夫)は、いわば専門調理の全てのジャンルをこなす「スーパー調理師」なのである。
 

 専門・職業調理師は確かにその技術は素晴らしいものがあるが、毎日整った環境のもとで同じ料理
をつくり、毎日違った相手に提供しているが、家庭調理師はそうはいかない。同じ相手に毎日手を変え
品を変えて、飽きさせないように提供しなければならない。しかも栄養面・経済面も配慮して、献立か
ら買い物、調理に到るまで、全てをほとんど一人でこなしてしまうのだから。それを何十年と繰り返す
のだから、こんな物凄い事業はない。


 主婦業が真剣に顧みられないのは、何故だろうか。特に「食事」と「育児」が。こんな素晴らしい
壮大な事業が一向にその「価値」が評価されずにどんどん他人に委ねられてゆくことに不安を感ずる。
勿論、そうしなければならない、あるいはせざるを得ない社会環境にあることは承知の上だが、その
社会環境だって変えてはならないものではない。


 この壮大な事業が他人任せにされてきていることが、どんな結果を生んできていることか。この二つの
ことは、健康と心の育成に関わることであり、一日一日の積み重ねでしか作り出せないことだから。


 
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台所仕事は偉大な事業ー6

2010年11月16日 | 主夫の台所考
 台所仕事を事業経営的感覚で考察してきた。
献立に始まり、買い物、調理するところまで見てきた。
建築にたとえるならば、設計(献立)、資材調達(買い物)、施工(調理)と見てきた。
いよいよ引渡し(食卓を囲んで家族に提供すること)である。

 わが家で実行している食卓のルールとマナー
全て一人ひとりに盛り付ける。         → 一緒盛りはしない。
・出来るだけ、見栄えよく盛り付ける工夫をする。 → 見た目も味わう。
・皿数をなるべく増やす。            → 品目数を増やすことにつながる。
・必ず、食卓の写真を撮る。           → 食事内容の向上に役立つ。
食べ残しをしないこと。            → 食に感謝。

 食材廃棄率ゼロを目指す
 銘々に盛り付けることにより、何をどれだけ食べたかがはっきり分かり、
わが家では、毎食食べ残しは全くゼロとなっている。
これは、毎食適量を作ることにつながり、食材調達(買い物)が計画的になり、
食材廃棄率は殆んどゼロと言える状況にある。

 良質の食材を求める
 食材廃棄ゼロ、食べ残しゼロは、これほど経済的なことはない。
残さないためには、食材を吟味し良質なものを求めることにしている。
つまり、10%食材を無駄にし、10%食べ残し、合わせて20%の無駄を出すより、
10%高い食材を買ってもこの方が経済的であり、ゴミの減量は社会的コストに低減につながるから、
さらにメリットは大きい。    

 食卓写真で栄養バランス
 朝・夕の食卓の写真を撮り始めて2年になる。
習慣というのは面白いもので、止められなくなり、撮り忘れるということはない。
赤・黄・緑の彩りが豊かなときは写りが良いし、自然と、野菜を多くとるようになる。
栄養バランス上、写真撮影の効果は大きい。
 
 
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