AKILA's えgo

気まぐれに、ドラムや音楽の気になった事上げとります。

何故に

2021-07-28 22:31:00 | ドラム
昨日なのかな?それとも今日の未明だったのか?

元SLIPKNOTで、MURDERDOLLSやVIMICなど多岐にわたって活動をしていたジョーイ・ジョーディソンが亡くなった。

死因は現在のところ判らないとされているが、一時期ドラムがプレイ出来なくなるくらい体調崩した事あったよな。
何か、その辺りに因果関係ありそうな気がするが・・・・・・

いずれにしても、「またかよ」と思ってしまう。
今年の始めにアレキシ・ライホが亡くなったのは、あまりにも突然でかなりショックが大きかったが、今回も大概だよ。

ジョーイも、年代的には近い人物だったからなァ。

オレ個人で言わせてもらえば、ハッキリ言ってSLIPKNOTに影響を受けた事は無い。
故に、ジョーイのドラミングに対しても刺激を受けていない。

そうであっても、彼のドラミングについて言えば、注目に値するプレイであったのは確かだ。

バンドがデビューしてきたのが1990年代の最後というのもあり、ヘヴィ/ラウドミュージックと称されるロック音楽が席巻していた中で、その究極形態の如き存在がSLIPKNOTではなかったかと思う。

大編成による、カオス寸前の狂的な匂いを醸す音楽とビジュアル。
ミクスチャーっていう言葉も飛び交っていたあの時代に、それらの呼称が全てマッチしていたと思う。
だから世界的に一気に注目が集まった。「ヤバいバンド」として。

正直、音楽的な内容で言えば、どう考えてもスラッシュ/デス/ブラックメタルを通過してなければ出てこないギターサウンドと手数足数の多いドラミングで、結局のところ当時のラウドミュージックの極限の一つは、突き詰めれば即ちメタルであるというのを、彼らが示した様にも思えた。

ジョーイは、その中で明らかにメタルのシーンに身を置いていなければ体得しないであろうドラミングを放ちまくっていた。
バンドの超名曲「PEOPLE=SHIT」でのドラミングは、その粋を集めたものであると言える。

体格的に、ジョーイは日本人からしても、低身長の部類に入る人物だった。
それであったとしても、彼が放つドラミングのショットは明確なパワーとスピードを持ち合わせており、バンドのエンジンとしての役割を充分過ぎるくらい担っていた。

よく、体型的に一定のジャンルのドラムが出来るのか?と疑問を抱いたりする人は、少なくとも居た。
“体格が良くないと、ハードな音楽は出来ない”といった、偏見もいいところな定義がひと昔前なら当然の様にまかり通っていた。

だから、そうでない人は自分の好きな音楽はやれないのか?とコンプレックスを抱くようになってしまっていたところはあった。

そういった根拠のない定説を打ち砕いたのが、ジョーイであったのではないかとオレは思う。

そして、そんなドラムを死ぬまでプレイしていた。

体型にコンプレックスを抱いていた多くの人々の励ましになったのではないだろうか。
「頑張れば、オレだってあれくらいやれるのではないか」と。

ジョーイのドラムは、良い意味で体格に見合わなかった。
そして、その叩く姿と音が、カリスマの様な印象を与えたのは間違いないだろう。

2000年代のメタルドラミングの基準を築き上げた人物こそ、ジョーイだろう。
メインストリームで名を知らしめた事で、オレに近い年代は勿論、より上の世代にも影響を与えていた。

あまりにも唐突、そして早い死。
自分にとってオンタイムのヒーローがまた一人、この世から旅立ってしまった。

急逝したポール・グレイと、向こうで再びタッグを組んでいる事だろう。

安らかに。

試してみたくなるもの

2021-07-19 00:03:00 | スタジオ
やれやれ、機材探求は尽きないモンだよ。

まァ本体ものは手を出しにくいケドな。
保管スペースどうしようかと考えなけりゃいけなくなるし、やはりちゃんと使っていくかってのを考える必要があるんでね。

そーいう意味では、やはりヘッド系(主にスネア用)は試し甲斐のあるパーツ。
音の変化を実感しやすいし、打感触も影響したりするんで、どんなものかを探求してみやすい。

んで、
今回新たに出てきたヘッドを早速試してみた。


EVANSのHeavy Weight Dry(以下HWD)。

10mil x 10mil の2プライに、3miパッチを施したモデルである。
裏を見るとこんな感じ。


シルヴァードットとスリットの入り方が特徴的で、EVANSを象徴している。

今回の最大の特徴は、ベント部分にドライホールという、メーカー特有の極小の穴が備わっている点。
所謂このDryモデルは、名称通り、サスティーンを短くし、アタックの太さを獲得するという効力を持っている。

ぶっちゃけ、オレの中ではこのDryシリーズにハズレってのは存在しない。
どのモデルも、スネアとして欲しい響きを如何なく引き出してくれる。

それで、今回は現状2プライ仕様最高耐久のモデルが加わったって事で、やはり試さないワケにゃいかんだろう、と。

因みにこのヘッド、PERIPHERYのマット・ハルパーンが新たにPearlから出すシグネチャースネアに標準装備されている。
オレも実際、彼のスネアが発売されるというので確認してみて、このヘッドの存在を知った。

ま、当然ながらヘッドはまた別で出てくるよな、と思ったりしていた(笑)。

余談だが、このHWDはUVコーティング仕様となっている。
なので、突き詰めていくと、元々出ていたHWは、UV2にドットが装着されたモデルと考えられるし、HWDは、UV2の延長線上にあるモデルであると言える。

そんな屁理屈を含めて、こちらのスネアで装着を試みた。


YAMAHAのAbsolute Hybrid Maple。
現在まで、このスネアに装着していたのがUV2だったんだよね。
だから、上記の屁理屈をこねて、その違いを比較してみようと考えた。

正直なところ、他に試したいと思えるスネアがこれくらいしか無かったんだよね。
これから本格的にメインで使っていくスネアにはSuper Tough Dryを装着したばっかりで、そこから直ぐに他のヘッドを試そうとはしたくなかった。

HWって、中低~中域辺りの成分をまとめたアタックを響かせる、「コン」ってな鳴りを獲得できるモデル。
面白いのは、HWよりも強度としては下がるECの方が、より低い音域を主張する。
いかにも、単純な高耐久度のモデルを狙って作ってみた感がある。

そして、今回試してみたところ、明らかに高域が持ち上がったのが一聴瞭然。
正に「カン」っていう鳴り。
メーカーでも使用推奨ジャンルで、ロック/メタルと記している通り、このハイの出方は、現代のメタルでは欲される響き方だなとは感じた。
個人的には、NEVERMOREのヴァン・ウィリアムスがライヴで響かせているスネアの鳴りの様に感じた次第。
あのスネアの音、オレにとっちゃ気持ち良い硬度なんだよな(笑)。

コレは飽くまで個人的見解だが、このヘッドはウッドスネアに対して効力を発揮出来るものかと感じる。
何というか、メタルスネアだったら深胴よりは標準くらい(5~5.5辺り)のサイズが適している様に思えた。

勿論人が求めている音ってのはそれぞれ違うものだから、一つの意見として、だ。
要は、オレの感じた「カン」っていう金属的な高域のアタックをスネアに求めるという事であれば、の話。

ただ、この音出すなら、チューニングも当然ながら考えなくてはいけないだろう。
オレは基本、スネアに対しては超ハイピッチにする傾向があるんで、今回も例に漏れず。
音も感触も「硬い」っていうコンセプトが、オレのスネアには存在している。
所謂、切れ味を表現したいって事。

スネアの胴鳴りを得る様にするならば、チューニングは特段ハイピッチにする必要はないし、寧ろやらない方が良いと思う。
その方が安易に、ヘッドとスネア本体との共鳴を引き出しやすいからね。

但し、どのみち然るべきショットパワーを求められる、ってのは言っておく。
さっき挙げたヴァンのスネアの音だって、彼が元来ヘヴィヒッターであるが故の響かせ方であるのは目で見ても判る。
当時叩いている姿見て、上半身ゴリラみてェな筋肉の付き方してんなと思ったから(笑)。

やっぱりね、ロック/メタルで金属的なアタックを持った、切れ味を感じさせるスネアの鳴りってのは思いっきりぶっ叩いてこそだと思うんだよね。

ある意味では、スネアの材質やサイズに依存しない叩き込み方がものを言う。

パワーショットによる音の響きでないと得られないグルーヴってのは、紛れもなく存在する。
オレは、ある意味目的意識がハッキリしたリズムが好きなんでね。複雑なのも興味をそそられるが、要は楽曲内で他の楽器と共にどう進んでいるかが重要。

だから、演奏がシンプルであったって良い。
そこに強靭なグルーヴが感じ取れてゴキゲンであれば、それで良いのだ。

寧ろ、シンプルなリズムでこそ、演奏にパワーが求められるものじゃなかろうかと思っている。
機材の機能や技量で補正されるべき部分も有りはして良い。
でも、そこに寄りかかった様な奏法では、ドラム=打楽器を演奏するそもそもの意義を見失っている気がしてならない。

思い切り、自信もってぶっ叩く。
音数が多かろうと少なかろうと、そこは保持されなければ。
ロックやってるんだったら尚更に。

話が逸れたが、
今回はまだ稼働させてから1回目ってのもあったんで、HWDとしての真価を見るには早いかなとは感じている。
以前まで装着していたUV2がしっくり来たなと思ったのも、4,5回スタジオ入って叩き込んでからだったし。

頻繁にあのスネアっを引っ張り出すってのもそうそうないんだが、時間見つけてやっていくか。

どこかの機会で、ライヴで使う事も視野に入れておきたい。