誰かの不要になったギターが、教室に置いてあった。先生に聞くとタダ同然で譲ってくれるというので、つい買ってしまった。恐らく新品なら安くても30万円以上してもおかしくない或る有名な作家モノだ。少し修理が必要だったが、そんなの安いもので、すごく得した気分になった。ところがである。あとで、とんでもない落とし穴が待ち受けていたのだ。それは、しばらく弾いていると気づくのだ。30分くらい弾いていると、なんだか嫌な気分になって来た。これは一体何??私は気づいた。それはタバコの臭いと更に前の持ち主の体臭が混ざったような、とても嫌なニオイなのだ。いわゆるこれが中古ギターの生活臭というやつだ。ギターと言うのは構造上どうしても「サウンドホール」という大きな穴が開いていて、長い年月をかけて中に入り込んだニオイは、一度入ると中に「こもって」しまい、なかなか抜け出させることができないものだ。このニオイ、一体どうすればいいのだろうか?

