ふかよんライフスタイルファンド日記Ⅱ

生活・仕事・遊びのポートフォリオを重視し、ライフスタイルの「運用」を考えていきます。

オフショアリング:人民元切り上げの影響

2005-08-24 21:51:01 | Weblog
◇日立や富士通、ソフト開発の中国委託拡大

日立製作所などIT(情報技術)大手各社は国内顧客から受注した業務用ソフトや自社販売する基盤ソフトについて、中国への海外委託(オフショアリング)を拡充する。日立が2005年度に前年度の1.8倍に増やすほか、富士通も5割増とする。

日本語が話せる技術者など人材を確保しやすいうえ、人民元の切り上げ後も人件費が割安に済む点を生かす戦略だ。

オフショアリングは米国が英語の話せる技術者の多いインドを積極的に活用しており、日本による中国の技術者活用にも弾みが付く格好だ。

日立は昨年度に月間1100人分のソフト開発を中国に委託していたが、今年度は8割増の2000人規模にまで拡大する計画。国内メーカーなどからの開発委託を受け、日立が出資している北京などの現地企業3社や独立系のソフト開発会社10社を中心に、業務用ソフトの開発を再委託する。

富士通は今年度は1500人規模を計画。前年度の1.5倍に当たる開発を中国に委託する。

NECは金額ベースで昨年度で150億円程度だった発注額を今年度は170億円程度に増やす見込みだ。

[2005年8月22日/日本経済新聞 朝刊]


IT業界では、人月単価が日本の大企業を100とすると、インド55、中国40~50、ベトナム20と言われています。

先日の人民元切り上げ2%程度では、ほとんど影響なしです。中国人は日本語を話せますし、短期的には、日立、富士通、NECのように中国へのオフショアリングを拡大させるというのが最適な打ち手なのでしょう。

では長期ではどうでしょう。

日本は360円から80円への円高を経験しました。

中国も人民元高が長期では非常に大きなスケールで起こる可能性があると思います。

ゴールドマン・サックスレポート"Dreaming With BRICs: The Path to 2050"によると、中国が変動相場制に移行すると、50年で289%、年率2.5%で通貨高が進行すると予測されているのです。

出所:
http://www.gs.com/insight/research/reports/report6.html

http://www.naito-sec.co.jp/cswp/ch_st_shosai.php?code=5051

いずれ、コスト削減だけを目的とする中国へのオフショアリングは成り立たなくなるのだろうなと思ってしまいます。

その頃は、中国は工場ではなく、マーケット(消費市場=内需)になっているでしょうから、中国企業とは別の形での付き合い方で一緒にやっているのでしょう。
コメント
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