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無人航空機システム(UAS)に係るリスク検出と軽減に関する技術の使用に関する連邦機関の法規制問題等に関する関係省庁間勧告ガイダンスが発布

2020-08-20 17:04:23 | 国家の内部統制

  筆者は約5年前に英国や米国のUASに係る法規制やプライバシー保護問題等を取り上げた。すなわち、2015.3.17付け「英国の運輸省民間航空局によるUAS規制の現状と航空安全面やプライバシー面からの新たな課題」、2015.3.22付け「ホワイトハウスの無人航空システム使用時のプライバシー権等に関する覚書と法制整備等の最新動向(その1)」「同(その2)」「同(その3完)」である。今回のブログの執筆にあたり見直してみたが、かなりの部分は現時点でも有効である。

 さて、8月17日、連邦司法省(DOJ)、連邦運輸省・連邦航空局(FAA)、国土安全保障省(DHS)、連邦通信委員会(FCC)は、同時に非連邦の公的および民間団体・機関が、無人航空機システム(UAS)事業による脅威・リスクを検出および軽減する機能の使用に適用される可能性のある連邦法および規制をよりよく理解するのを助けるための「勧告ガイダンス文書(advisory guidance document)」を公布したと報じた。

 そのリリース内容を見ると問題点の入り口として今後のさらなる問題整理といった感がある。しかし、UAS問題の先進国である米国の取り組みは決して無視しえないと考え、(1)リリース概要と(2)勧告ガイダンスの主要部を仮訳することとした。

1.無人航空機システムに係るリスクを検出し、軽減するための技術の取得と使用に関する連邦法の適用に関する省庁間勧告ガイダンスの公表について

 「無人航空機システムに係るリスクを検出し、軽減するための技術の取得と使用に関する連邦法の適用に関する勧告(Advisory on the Application of Federal Laws to the Acquisition and Use of Technology to Detect and Mitigate Unmanned Aircraft Systems)」(以下「勧告」という)は、(1)DOJが施行する米国刑法典の様々な規定、(2)航空の安全性と効率性、輸送および空港のセキュリティに関連する連邦法および連邦規則、および(3)FAA、 DHSおよびFCCがそれぞれ管理する無線周波数スペクトル(radiofrequency spectrum)の概要を説明するものである。

 ジェフリー・アダム・ローゼン司法副長官(Deputy Attorney General Jeffrey Adam Rosen)は、「空域のドローンの数が増加し続ける中、対ドローン技術の可用性も同様に増加していることは驚くべきことではない。これらのドローン技術は、重要な法的要件について完全に議論することなく単に販売のために提示される可能性があるため、この勧告は関連する法的状況の概要を提供するために前進させたものである。この勧告は、適用される可能性のある法律に対する共通の理解を促すことで、責任ある関係産業の成長を促進し、公共の安全を促進するのに役立つものである」と述べた。

Jeffrey Adam Rosen氏

 この勧告は、UAS に係るリスクの検出と軽減に対する商業的な需要が高いときに発行されたが、それらの機能を使用する権限は明確ではありえない。 現在のところ、連邦議会は、国防、エネルギー、司法、国土安全保障省の4つの連邦省にのみ、UASの検出と緩和活動に限定的な権限を与えているのみである。

 本勧告を発行したこれら部門と機関は、UASの検出または軽減機能の非連邦公的および私的使用を承認する権限を持っていないし、市販製品のこれらの法律への準拠に関する法的レビューも行っていない。

 この勧告は、勧告文で示したアドバイスを真剣に受け止め、個々の検出システムまたは軽減システムの機能、システムの動作方法およびシステムの使用方法について慎重に考えるよう、企業等に要請するものである。UASのリスクの検出および軽減技術が採用された場合、効果的かつ責任を持ち、かつ合法的に使用されるようにするには、システムの機能と適用法を十分に理解する必要がある。

 この勧告は、この分野で適用される可能性のある連邦法および連邦規則の重要な議論が中心であるが、追加的に州法または地方の法律が適用される可能性があり、そのような技術がプライバシー、市民の自由および公民権に及ぼす影響をさらに考慮する必要があることをも警告するものである。

2.勧告ガイダンス本文の仮訳

 2020年8月17日、連邦航空局(FAA)、連邦司法省(DOJ)、連邦通信委員会(FCC)、国土安全保障省(DHS)は、無人航空機システム(UAS)を検出して軽減するための技術的なツール、システム、および能力の使用に関心を持つ非連邦の公的および民間企業を支援するための勧告ガイダンス文書を発布した。

  本勧告は、適用される可能性のある連邦法および規則の概要と、これらの法律が特定の行動またはシステムに適用される可能性があるかどうかに関連するいくつかの要因を提供することを目的としている。

  具体的には、この勧告は、UAS の検出および軽減機能に適用される可能性のある連邦法につき 以下の2 つのカテゴリーに取り組む。

(1) 米国のDOJによって施行される刑法典の規定。 (2) FAA、DHS、FCC が管理する連邦法および規則。 この勧告は州法や地域法に対応しておらず、UAS の検出およびリスク軽減機能も関係する可能性がある。

  また、UASの検出および軽減技術の使用(例えば、UASの脅威を軽減した結果、人または財産に物理的な損害を与える潜在的な責任、または18 U.S.C.§2520 の下での電信、口頭または電子通信の違法傍受に対する民事責任と回復の結果として、潜在的な責任が発生するが、この潜在的な民事責任をもカバーしていない。

 本勧告は、情報提供のみを目的として提供されている。  UASの検出および/または軽減・緩和システムのテスト、取得、インストール、または使用する前に、企業は連邦および州の刑事、監視、通信法の両方で経験した弁護士の助言を求めることを強く勧める。 各 UAS の検出および/または軽減・緩和システムに関する独自の法的および技術的分析を行う必要があり、ベンダーのシステムの合法性または機能の表現のみに依存しないでほしい。

 その分析の一環として、企業等は、UASの検出および緩和機能の使用が国民のプライバシー、公民権、市民の自由に影響を与える可能性があるかどうかを綿密に評価し、検討する必要がある。

 これは、以下で説明する潜在的な法的禁止事項は、システムの広範な分類(たとえば、アクティブとパッシブ、検出と軽減)に基づいておらず、各システムの機能とシステムの動作方法と使用方法に基づいているため、特に重要である。適用法とシステムの機能性を十分に理解することで、UASの脅威を検出および/または軽減することにより、公共の安全を保護するために設計された重要な技術が効果的に、責任を持って、かつ法的に使用される。

Ⅰ.連邦刑事関係法(本文中関係法のリンクは筆者で責任で行った)

 連邦議会は、監視に関連する様々な法律(10 U.S.C. § 130i , 50 U.S.C. § 2661 , および 6 U.S.C. § 124n )を含む、対象となる施設や資産に信頼できる脅威を提示するUASに対抗するために、限られたUASの検出および軽減・緩和活動に従事することを国防総省、エネルギー省、司法省、国土安全保障省に独占的に承認した。

 さらに、FAAは、特定の連邦刑事監視法(49 U.S.C. § 44810(g))にもかかわらず、限られたテスト活動に従事することを明示的に承認されている。

 このような法的権限を持たない州(state)、地方(local)、部族(tribal)および領土(territorial)(これらを“SLTT”という)および民間部門の団体(SLTTの法執行機関、SLTT政府、および重要なインフラ、スタジアム、屋外エンターテイメント会場、空港、その他の重要な場所の所有者および運営者を含む)は、連邦法がUASの検出および緩和機能の販売、所持、または使用を妨げ、制限または罰する可能性、コンピュータへのアクセスや損傷、航空機の損傷があることを理解している。

 以下のとおり、本勧告は、検出機能と緩和機能がこれらの法律の適用に関係する場合とは別に示すものである。

A.検出機能

 UAS を検出、監視、または追跡するシステムは、無線周波数(RF)、レーダー、電気光学(electro-optical :EO)、赤外線(infrared :IR)、または音響機能またはその組み合わせに依存することがよくある。これらの機能は、UAS の物理的な存在、または UAS との間で送受信されるシグナルを検出する。

  一般に、検出システムまたは追跡システムが、「ペン/トラップ法(Pen/Trap  Statute)( 18  U.S.C.  §§  3121-31)」「1968年通信傍受法(Title III of The Omnibus Crime Control and Safe Streets Act of 1968 (Wiretap Act);Title  III),  18  U.S.C.  §§  2510  et  seq.」(筆者注1) (筆者注2) (筆者注3)などの連邦刑事監視法に関係しているかどうかは、UASおよび/またはコントローラとの間で送受信される電子通信の全部または一部、および関連する通信の種類をファイル保存(captures)、記録、記号化解読(decode)、または傍受するかどうかによって異なる。

 物体から反射され、レーダー、EO/IR、音響システムなどの検出システムに戻って反射される電磁波や音や光のパルスを発する検出システムは、連邦刑事監視法の下では懸念を引き起こす可能性が低くなる。 このような技術は、UASによって生成または反射された音や電磁波を感知し、電子通信をキャプチャ、記録、デコード、または傍受しない。 ただし、このようなシステムの使用は、FCCおよびFAAが管理する法令を遵守する必要がある。

 これと対照的に、無線周波数機能を使用して UAS とその地上管制局との間で通過する通信を監視することによって UAS を検出および追跡するシステムは、「ペン/トラップ法」と「1968年通信傍受法」に関係する可能性がある。

【考慮すべき質問】

・電子通信は取得されているか?

・ 州間または外国の商取引に影響を与えるシステム(インターネットまたはモバイルネットワークに接続されているシステムなど)によって送信された通信はあるか?

・ペン/トラップ法の例外が適用されるか(例えば、通信を傍受する人は、18 U.S.C. § 2511(2)(d)の下の通信の当事者であるか)?

B.軽減・ 緩和機能

軽減機能は、「非キネテイック(non-kinetic)」と「キネテック(kinetic)」の 2 つの一般的なカテゴリーに分類される。(筆者注4)

   非キネテイック・ソリューションは、無線周波数(RF)、WiFi、または全地球測位システム(GPS)の妨害、なりすまし(spoofing)、ハッキング技術; 非破壊的な指向エネルギー兵器(non-destructive  directed  energy  weapons.) (注5)を含むUASを妨害または無効にするために非物理的な手段を使用する。  

 キネティック・ソリューションは、ネット、発射物、レーザーなど、UASを物理的に破壊または無効にできるさまざまな手段を採用する可能性がある。

 非キネティック的またはキネティック的な解決策の使用は、とりわけ、通信を傍受して妨害し、「保護されたコンピュータ」に損害を与え、「航空機」に損害を与え、「航空機」に損害を与える連邦刑事禁止に関係する可能性がある。 「航空機(aircraft)」という用語は、「空中でナビゲート、飛行、または移動するために発明、使用、または設計された市民的、軍事的、または公共の工夫物」を指す。( 18 U.S.C. § 31(a)(1))

 この定義は、49 U.S.C. § 40102(a)(6)の「航空機(aircraft)」の意味と一致する。

  「 2018年FAA再授権法(H.R.4 - FAA Reauthorization Act of 2018)」(注6) では、議会は「無人航空機(unmanned aircraft)」という用語を「航空機内または航空機上からの直接的な人間の介入の可能性なしに作動する航空機(an  aircraft that is operated without the possibility of direct human intervention from within or on the aircraft)」として体系化した。 49 U.S.C. § 44801 (11)      

 電波妨害技術(Jamming technologies)は、認可された無線通信を遮断または妨害するように設計されている。携帯電話、WiFi、または Bluetooth 対応デバイスがネットワーク (携帯電話システムやインターネットなど) に接続するのを防ぐものである。またGPS ユニットが衛星からの測位信号を受信するのを阻止する。スプーフィングなりすまし技術(Spoofing technologies)は、信号を複製および置換または変更することができ、UASのナビゲーションおよび通信リンク(例えば、地上コントローラへのリンク)の制御を失う可能性がある。ハッキング技術は、一般的にUASの通信リンクや搭載プロセッサー(onboard computer processors)に焦点を当てている。

 電波妨害、なりすまし、ハッキング技術は、検出に関して上記で説明した法律に加えて、以下の連邦刑事法(航空機の破壊活動および航空機のハイジャック規定を含む)の下で評価する必要がある。電波妨害やなりすましは無線周波数スペクトルに関する法律にも関係する可能性があるため、当事者は後述するセクションII「Additional Federal Laws Relating to Aviation and Spectrum」の情報も慎重に見直す必要がある。

①1986年コンピュー詐欺及び不正利用防止法(the Computer Fraud and Abuse Act(CFAA)18 U.S.C.§1030)

 同法はとりわけ、許可なしに「保護されたコンピュータ」に意図的にアクセスすることを禁止し、それによって情報を取得したり、そのような損害を引き起こすプログラム、情報、コード、またはコマンドを送信するなど、許可なしに保護されたコンピュータに意図的に損害を与え行為を禁止する。            

②      通信衛星等の運用の妨害に係る刑罰および刑事手続法( Interference with the Operation of a Satellite, 18 U.S.C. § 1367 

1986年の法律「1986年コンピュー詐欺及び不正利用防止法」は18 U.S.C.§1367を追加し、通信衛星または気象衛星の認可された操作を意図的または悪意を持って妨害したり、衛星伝送を妨げたりすることを犯罪としている。この条文は、地上から衛星への伝送および衛星から地上への電波伝送に対する干渉・妨害をカバーすることを目的としている。(S.Rep. No. No. 541, 99th Cong., 2d Sess. 49 (1986) )を参照されたい。

以下、条文を仮訳する。

(a)衛星事業者の認可を受けない者は、通信衛星または気象衛星の許可された操作を意図的または悪意を持って妨害したり、衛星伝送を妨害したり妨げたりした者は、本編に従って罰金を科されるか、10年以下の拘禁刑が科される、またはその両方が併科される。

(b)本条は、法執行機関または米国の情報機関の合法的に認可された調査、保護活動、または情報活動を禁止するものではない。

通信回線、ステーション、またはシステムの損傷・妨害処罰法(18 U.S.C. § 1362)  (筆者注7)は、故意または悪意を持って傷害または破壊することを禁止する。米国が運営または管理する通信手段、または米国の軍事または民間防衛機能に使用または使用されることを意図した通信手段、ならびにそのような通信手段を介して任意の通信の送信を遅らせる妨害する行為も同様とする。

 この法令は、軍またはSLTT法執行機関または民間防衛機能に従事する救急隊員による使用を意図したUASの検出および/または軽減・緩和操作を故意または悪意を持って劣化させたり、携帯電話またはWiFi信号を含む周波数または送信を妨げたりした場合に適用される可能性がある。

Ⅱ.航空およびスペクトルに関する追加の連邦法

Ⅰ.連邦刑事法に加えて、UAS検出技術または軽減・緩和技術の取得、設置、テストおよび使用は、航空およびRFスペクトルに関するFAAおよびFCCが管理する法律および規則に関係する可能性がある。UAS対応措置は、米国国土安全保障省(DHS)の米国運輸保安局(TSA)が管理する既存の航空保安関係法および規則にも関係する場合がある。 

A.航空安全と効率性に関する法律

 非連邦法人は、法律や規制に準拠するためのUAS検出活動を評価する必要がある。

 FAAによって管理され、以下の法律を含むが、これらに限定されない。

「連邦政府の航空域の主権に関する法律( Sovereignty and use of airspace49 U.S.C. § 40103 )」は航行可能な空域を通過する公共の権利を確立し、航空機の安全性と空域の効率的な使用を確保する権限を持つFAAの持たせることを定める。これには、準拠航空機(UASを含む)が空域を通過することを保証し不適切な干渉を阻止することも含まれる。

 たとえば、検出システムは、正当な空域ユーザーの両方を識別するだけでなく、違法な活動につながる可能性がある。検出システムによって識別された運航操作が、運用対応に従事する前にFAA規制に違反しているかどうかを特定するために追加の分析が必要である。

 これには、検出技術またはシステムが国家空域システムの安全かつ効率的な運用に及ぼす潜在的な担保的影響の特定と対処も含まれる。

「空港運行証明書法(49 U.S.C. § 44706) 」は、FAA規則(14 CFR Part 139) によって実施されるように、米国内の空港の認証および運営を規定する規則を定めている。

 14 CFR Part 139 の下で発行された空港運営証明書の保有者は、ナビゲーション補助を保護する必要がある。(14 CFR § 139.333 )参照。

  商用サービス空港のオペレーターは、UAS 検出システムの使用に関する操作手順を含むように、空港認証マニュアルの内容を更新する必要がある場合もある。

 さらに、商用サービス空港のスポンサーによるUAS検出システムの設置または使用は、CFR第14編の下で他の規制要件にも関係する可能性がある。FAAは空港のスポンサーに広範な情報を安全ガイダンスで提供している。

「航空通商を妨害する構造物の建設規制法(Structures interfering with air commerce or national security ( 49 U.S.C. § 44718 ) 」「Structures interfering with air commerce or national security(14 CFR Part 77 )」に実装されているように、FAA に通知を提供するために、空港近くの既存の構造物の建設または変更を提案する企業体を必要とする。 「FAA命令7400.2M(Procedures for Handling Airspace Matters Document Information)」 、空域問題の取り扱い手順(2019年2月28日)も参照されたい。 必要な通知により、FAAは、提案された構造物の可能性と、航空機や航法援助への干渉を含む航空航行の危険を引き起こす磁性波送信信号の航空調査を行うことができる。

④ 空港運営に関する保証に基づいた補助金許可申請プロジェクトの承認(Project  Grant  Application  Approval  Conditioned  on  Assurances  About  Airport  Operations.    (49  U.S.C.  § 4710)  は、空港開発プロジェクトの補助金資金の受領者に対して、空港施設を安全かつ効率的に、指定された条件に従って維持および運営する義務を定めている。 このような条件の対象となる空港では、UAS検出システムの設置または使用が、FAAの資金支援承認のための同意(Grant Assurances 20 (筆者注8)、危険除去および軽減策などの適用される許可保証義務と一致して、軽減できない危険を引き起こすのを防ぐ必要がある。さらに、このような空港では、UAS の検出システムと関連する構造が、Grant assurances 29、空港レイアウト計画と一致する空港レイアウト計画に正確に反映されるようにする必要がある。

B. 交通/空港のセキュリティに関する法律

 TSA は、その広範な当局を通じて、その実施を監督し、「空港およびその他の交通機関でのセキュリティ対策」の妥当性を保証する。( Scope of exclusive rights in sound recordings (49 U.S.C. § 114(f)(11)。 また、他機関とのセキュリティ対策の調整、交通関係者への要件の課し、規制、セキュリティ指令、緊急時の修正、セキュリティプログラムなど、脅威に対処するための適切な措置を講じる場合がある。

 UAS の検出システムまたは緩和システムの導入、購入、およびUASの購入を求める空港では、地域の航空セキュリティ対応に関連する法律、規則およびセキュリティ要件を考慮する必要がある。たとえば、TSA の規制では、航空運送業者に定期的にサービスを提供する空港の各オペレーターに対して、航空輸送セキュリティ プログラム (air transportation security program :ASP) を確立する必要がある( 49 U.S.C.§§§114および44903を参照されたい)。

C.無線周波数スペクトラムに関する法律

 レーダーを含む電波の放出を伴う任意のシステムは、FCC が管理する法令および規則に準拠して評価する必要がある。

(1)RFスペクトラムの使用のための認可。

  認可された非連邦無線通信には、個々のライセンスを必要とする周波数に対する無許可の操作と操作が含まれる。

 一般的なWiFiやBluetooth周波数などの無認可操作のために承認された周波数の伝送は、ライセンスを必要としないが、有害な干渉に対する法的または規制上の禁止を含む可能性がある。 47 U.S.C. § 301 を参照されたい。

(2)マーケティング、販売、または妨害者による違法な運営の禁止規定 

 47 U.C. § 302a は、「ほとんどの非連邦政府機関が、無線通信をブロック、妨害、または妨害するように設計された送信機を含む無線受信を妨害する可能性のあるデバイスに関する FCC 規制に準拠していないデバイスの製造、輸入、出荷、販売、または使用を禁止する( 47 U.S.C. § 302a(b))」と定める。(無線通信の受信の妨害デバイスの禁止:Devices which interfere with radio reception規定である。

(3) 無線通信への妨害・干渉の禁止規定

 47 U.S.C. § 333 は、「米国政府によってライセンスまたは認可されたステーションの無線通信に対する干渉または干渉を故意または悪意を持って妨害する」ことを禁止する。

*********************************************************

(筆者注1)慶應義塾大学 土屋大洋氏「スチューピッド・ネットワーク時代における通信傍受――米国における法的枠組みと技術」から一部抜粋する。

 米国での合法的通信傍受には、四つの種類の法的な行動がある。第一に、傍受命令(interception order)である。これは裁判所が通信傍受を許可するものである。第二に、捜査令状(search warrant)である。これは物理的な建物や、帳簿のような有形のものの押収を許可するものである。第三に、「ペン・レジスター(pen register)」と「トラップ・アンド・トレース・デバイス(trap-and-trace device)」命令と呼ばれるもので、特定の通信デバイスがかけた電話番号、それにかかってきた電話番号の収集を認めるものである(通信内容の傍受はできない)。第四に、召喚令状(subpoena)で、これは記録のような有形のものの作成を求めることである。例えば、電磁的に記録されているサーバーの通信記録を印刷するなどして証拠にするのである。これらを使って捜査当局やインテリジェンス機関は通信傍受を行う。

 まず、国内向けの通信傍受関連の法規として注目されるのは、1968年に成立した「通信傍受法(Wiretap Act)」である。通信傍受法では、(1)捜査機関が行う通信傍受に際して判事から傍受命令を取る必要があること、(2)命令を取る際には「信じるに足りる相当な理由(probable cause)」を判事に示さなくてはいけないこと、を規定した。しかしこれは

事実上なし崩しになっている。つまり、ほとんどの通信傍受申請が受理され、判事が疑義を示して差し戻すことはまれだといわれている。

(筆者注2) 18 U.S. Code § 2511. Interception and disclosure of wire, oral, or electronic communications prohibited(禁止される電信、口頭、または電子通信の傍受および開示)

・・・・・

(d) この章では、Color of law法律の色(筆者注3)の下で行動しない人が、通信の当事者である場合、または通信当事者の1人がそのような傍受に事前に同意した場合に、米国法または米国憲法あるいは州法に違反する犯罪行為または不法行為を犯す目的で傍受された場合に、電信、口頭、または電子通信を傍受することは違法ではない。

(筆者注3) 米国の法律では、法律の色(color of law)という用語は、"単なる法的権利の類似性のもの"、または見せかけ(法的外観を見せる)の権利をいう。したがって、法律の色の下で行われた行動は、状況により法律を調整(色)するが、明らかに法的行動をとることは法律に違反するとことになる。[1] 権限に基づく法の色に関し、米国で使用される法的なフレーズとしては、人が彼または彼女が犯している行為が、特に違法な行為である場合、政府の権力の代理人としての彼または彼女の役割に関連し、正当化されていることを示す場合がある。(Wikipedia仮訳)

(筆者注4)わが国では “kinetic”および“non-kinetic”につき軍事専門サイトのサイバー兵器での解説がわずかにある程度である。その代表的なものが高橋和夫の国際政治ブログ「シリア核施設空爆にサイバー攻撃は使われたのか-「謎のサイバー兵器」スーター(7)」先端技術安全保障研究所所長 小沢知裕氏「第4章 サイバー兵器としてのスーターの立ち位置」の図 である。

(筆者注5) わが国で、指向エネルギー兵器について2004年頃などかなり以前から解説記事は出ているが、いずれも信頼性に乏しい内容である。その中で2020.6.4海上自衛隊幹部学校「米海軍が150kw級レーザーの射撃実験に成功-確実に実用段階に入ったレーザー兵器-」が比較的詳しく論じている。

 一方、米国海軍研究所(Office of Naval Research)が「Directed Energy Weapons: Counter Directed Energy Weapons and High Energy Lasers」サイトが詳しく解説している。

また同時に海軍調査研究所も2020.6.2 USNI org「Report on Navy Laser, Railgun and Gun-Launched Guided Projectiles」(最新版)は 動画も含め確認できる。

 さらに連邦議会調査局(CRS) はUpdated July 28, 2020 連邦議会Congressional Research Service Report 「Navy Lasers, Railgun, and Gun-Launched Guided Projectile: Background and Issues for Congress」最新版等が閲覧可である。いずれわが国でも専門家の解析が出てこよう。

(筆者注6) 同法案の正式名称はFAA Reauthorization Act of 2018(FAA再授権法案、H.R.4)。同法案のポイントは次の通り:

  1. ホビー・ユーザーは「オンラインで提供する航空知識および安全性テストの合格義務」の実施を義務付け、資格認定書を発行する。
  2. FAAは同法案成立後、180日以内に資格試験を実施する義務を追う。
  3. ホビー用機体のFAA登録を義務付け、FAAまたは法執行機関の要請に応じてオペレータは登録証明書を提示する義務が課せられる。 (2018年5月小池良次氏「規制緩和で拡大する米商用ドローン・ビジネスの現状」から一部抜粋)

(筆者注7) §1362.通信回線、ステーション、またはシステムの損傷

§1362. Communication lines, stations or systems を仮訳する。

 いかなる無線、電信、電話、ケーブル、回線、局、システム、または米国が運営または管理するその他の通信手段、または建設中または建設中のいずれであっても、米国の軍事または民間防衛機能に使用または使用されることを意図したあらゆる作業、財産または材料を故意または悪意を持って傷害または破壊する者、またはそのような回線またはシステムの動作または使用に故意または悪意を持って干渉したり、そのような回線またはシステムを介した通信の伝達を故意または悪意を持って妨害、妨害、または遅延させたり、そのような行為を試みたり共謀したりすることは、この編の下で罰金を科されるか、または10年以上の拘禁刑ならびにその両方を併科される。

(筆者注8) FAAの資金支援承認のための同意(Grant Assurances)について仮訳して解説する。

 空港の所有者またはスポンサー、計画機関、または他の組織・団体等がFAAが管理する空港の財政援助プログラムからの資金を受け入れる場合、彼らは特定の義務(または保証)に同意する必要がある。これらの義務は、指定された条件に従って、安全かつ効率的に施設を維持し、運営することを受取人に要求する。この保証は、申請または連邦援助のための助成金に添付され、最終的な助成金の申し出の一部になるか、財産行為に対する制限的な契約に結び付けることができる。これらの義務の期間は、受取人の種類、開発中の施設の耐用年数、および保証に規定されているその他の条件によって異なる。

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1.100%原データに基づく翻訳と内容に即した権威にこだわらない正確な訳語づくり

2.本ブログで取り下げてきたテーマ、内容はすべて電子書籍も含め公表時から即内容の陳腐化が始まるものである。筆者は本ブログの閲覧されるテーマを毎日フォローしているが、10年以上前のブログの閲覧も毎日発生している。

このため、その内容のチェックを含め完全なリンクのチェック、確保に努めてきた。

3.上記2.のメンテナンス作業につき従来から約4人態勢で当たってきた。すなわち、海外の主要メディア、主要大学(ロースクールを含む)および関係機関、シンクタンク、主要国の国家機関(連邦、州など)、EU機関や加盟国の国家機関、情報保護監督機関、消費者保護機関、大手ローファーム、サイバーセキュリテイ機関、人権擁護団体等を毎日仕分け後、翻訳分担などを行い、最終的にアップ時に責任者が最終チェックする作業過程を毎日行ってきた。

 このような経験を踏まえデータの入手日から最短で1~2日以内にアップすることが可能となった。

 なお、海外のメディアを読まれている読者は気がつかれていると思うが、特に米国メディアは大多数が有料読者以外に情報を出さず、それに依存するわが国メデイアの情報の内容の薄さが気になる。

 本ブログは、上記のように公的機関等から直接受信による取材解析・補足作業リンク・翻訳作業ブログの公開(著作権問題もクリアー)が行える「わが国の唯一の海外情報専門ブログ」を目指す。

4.他にない本ブログの特性:すべて直接、登録先機関などからデータを受信し、その解析を踏まえ掲載の採否などを行ってきた。また法令などの引用にあたっては必ずリンクを張るなど精度の高い正確な内容の確保に努めた。

その結果として、閲覧者は海外に勤務したり居住する日本人からも期待されており、一方、これらのブログの内容につき著作権等の観点から注文が付いたことは約15年間の経験から見て皆無であった。この点は今後とも継続させたい。

他方、原データの文法ミス、ミススペリングなどを指摘して感謝されることも多々あった。

5.内外の読者数、閲覧画面数の急増に伴うブログ数の拡大を図りたい。特に寄付いただいた方で希望される方があれば今後公開する筆者のメールアドレス宛にご連絡いただければ個別に対応することも検討中である。

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関係者のアドバイスも受け会員制の比較検討を行っている。移行後はこれまでの全データを移管する予定であるが、まとまるまでは読者の支援に期待したい。

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