FCC日記

子どもたちのクライミングスクールの活動記録と教育、スポーツ、そしてクライミングに関して想うこと。

<アウトドアレッスン日誌>初級

2012-06-06 12:01:54 | クライミングレッスン報告
5月20日(日) メンバー:たけくん(小3)、ユキちゃん(小4)、しいちゃん(小6)

湯河原の幕山公園内に点在するエリア。
クライマーの間では「幕岩」と呼ばれている。
今月のメンバーはすでに中級になっている子どもたちばかり 
毎回のことだけれど、初級用のアウトドアレッスンなのに初級からの参加が極端に少ない。。。これって、後続のクライマーが育っていないっていうこと。。。

でも、今日のメンバーはインドアもアウトドアもモチベーションが高い精鋭揃いだ。
安全に対する高い意識に基づいた、正確で安定した技術と健全で逞しい精神力。
アウトドアでの活動はインドアでは得難い経験をたくさんもたらしてくれる。
これを享受できる機会があるのだから、使わない手はないだろう。

みんな、今日はがんばろうぜ

しいちゃんとたけくんは中級に上がったばかり。
なので、今日はアウトドアでのリードクライミングが出来るように、練習をしっかりとしよう。

1本目はウォーミングアップも兼ねて、「桃源郷」エリアのシルクロード5.7から。
前回の中級で初リードを果たしたしいちゃんが、今度はマスタースタイルでチャレンジするとのこと
なかなかやる気があって頼もしいぞ

マスタースタイルとは、岩に打ち込まれたボルトにクリックドローと言うロープを通す器具を自分でセットしながら登るスタイルのこと。インドアではすでにクイックドローがセットされていて安全が確保されているが、アウトドアでは自分の安全性は自分で確保して行くテクニックが要求される。守られたインドアでの意識は、アウトドアでは通用しない。
マスタースタイルでは、先ず自分で岩に打ち込まれたボルトがどこにあるかを探しながら登らなくてはならないし、クリップをするにもひと手間増える上に一手上がらないとクイックドローがセット出来ないため、精神的にも体力的にもよりシビアな状況で登ることになるのだ。

さて、初マスタースタイルのしいちゃん、落ち着いて完登


次にユキちゃんがリードで完登し、たけくんがトップロープでトライした。
何度もこのルートを登っているユキちゃんも安定して完登
続くたけくん。
インドアでは真面目に練習を重ね、驚くほどの上達を見せたたけくんだが、アウトドアとなると月に一度きりのことなので安定した技術力を身につけるには、かなりの時間がかかりそうだ
今日も下部から大弱り でも、何とか完登 ゆっくりだけれど、上達しているね


2本目、「いんちきするな」5.8。
こちらはユキちゃんがマスターでトライするとのこと。おっ近頃自分から目標ルートに積極的にトライするようになってきた。精神的に成長しているぞ
ユキちゃんは危なげなくマスターで完登。
続いてこのルート初トライのしいちゃんがトップロープでリハーサルの後リードでトライするが、1回目は精神的にやられてテンションが入った これに負けずにリベンジし、2回目でレッドポイントした 
たけくんはトップロープでトライ。
1回目は登れなかったが、2回目で完登出来た

しいちゃんとたけくんが「いんちきするな」と格闘している間、ユキちゃんは「アボリジニ」10aをトップロープでムーブ練習
ちょうどたけくんのトライを見ているとき、ユキちゃんの「先生出来た~」の声。
「たけくんが終わったらリードで登るので見てください」とユキちゃん。
ちょうどたけくんが完登出来たので、みんなで「アボリジニ」の前に集合

みんなの注目の中、ものすごいハイステップムーブでユキちゃんは「アボリジニ」を見事レッドポイントした
冷静でとても良いトライだったよ
この一年間、初級も中級も月に2回は必ずアウトドアに参加して頑張って来た甲斐があったね



そのあとしいちゃんとたけくんもトップロープで「アボリジニ」をトライ。
微妙な足置きが難しいこの課題は外岩でないとなかなか練習できないテクニックだから、良い練習になったと思うよ。
先月トップロープでこのルートを一撃したしいちゃんだが、それ以降出来なくなったあれれなんでだろう???
「前は出来たのにっ」と少々ムキになってトライするので動きが雑になっているよ
インドアはある程度の力があれば押し切れてしまうところがあるけれど、外岩はそうはいかない。まさに心・技・体の三拍子がそろって初めて登れる。面白いね。
あ、あと、多分「忘れる」ことも大切だ。出来たことも、出来なかったことも。
過去の「出来た」思いにとらわれるとメンタルの歯車が狂う。外岩では良くあることだよ