先日、歩いて10分ほどのところに住んでいる私と同年齢ほ
どの方(Aさん)から私の書いた本を読んでお話をしたいとお
誘いを受けました。ありがたくその方のお宅へ出かけました。
Aさんは数年前夫を亡くされて今は結構な家にお一人で住ん
でいらっしゃるといっていました。お子さん達は町内と近くの
市に住んでいるお2人がいるということでした。
初対面の挨拶が終わるとAさんは用意していたらしくお茶を
入れてくれました。それから私の本を読んだ感想を話してくれ
ました。Aさんは空襲当時久松町に住んでいらしたそうです。
久松町というのは私の住んでいた蛎殻町とはほんの少ししか
離れていない所です。
東京大空襲のとき逃げ回った経験やその後転居先から福島
へ集団学童疎開、終戦後東京へ戻ってきたときの東京の様
子など共通の話題が次から次へと続き気が付いたときには
日が落ちて夕闇がせまっていました。1冊の書籍が見知らぬ
人と知り合いになれました。
引き留めて下さったのですが、初対面の方ですからまた会
う機会を約束して辞去しました。
今ひとり暮らしの高齢者が結構な数いるようですが、その
方達が話をする機会が無いと何日も会話なしの生活が続くこ
とがあるようですね。私は幸い妻と長男と一緒に住んでいる
のですが、時々長い時間話どころか顔を合わせないこともあ
ります。
私は時間の許す範囲内で1人暮らしの方と世間話をするよ
うにしています。しかしその前に家族との会話をしなければ
いけませんね。