エメラルドの瑕疵

旧 『楽母の人見知り日記』です。 毎日更新しています。気候の良い時期は地元(京都)の寺社散策に励みます。

夏を喪くす

2022-09-22 20:21:16 | 
原田マハ 著  講談社文庫  2022年 3月22日 第25刷

原田さんの本を何冊か読んだけれど、この『夏を喪くす』が一番暗めで、今までのものと違うのは読後が少しどんよりしたことかな。

4つの短編がおさまっている。どれも主人公は女性でしかもそんなには若くない。

ふと思ったのは、青春、朱夏、白秋、玄冬・・・の朱夏の季節が終わることをタイトルにしているのかな、ってこと。
そろそろ、夏の季節を過ぎて人生の秋にさしかかりそうな女たち。
なんて思いながら読み終えて、巻末の文芸評論家の斎藤美奈子さんの解説に進んだら

人生の夏を謳歌してきた主人公が、予期せぬかたちで現れた「人生の秋」を迎えるに際しての決意を表しているように思えるタイトルだ、、、みたいなことを書いていて、私のヨミも、まんざら間違ってなかったわねーなんてほくそ笑んだり(笑)

この本も泣けるんだわ。 じわっと泣ける。
でも、今までの原田さんの本の涙と違って、確かに、感動して優しい気持ちになるんじゃなく、4人の女たちの決意みたいなものにおされる涙なのかも。

夏の終わりに読むにはぴったり(意味が違うw)

で。

私の買った文庫は「著者が選んだ特製セレクション・カバー」というもので、キュレーターでもあった原田さんのお見立てはクリムトの「Flower Garden」のもので、絶対こっちのほうが可愛いよ・・・ね?


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