著 又吉栄喜 文春文庫
表題の作品と「背中の夾竹桃」という二篇が併録されています。
「豚の報い」は、第114回芥川賞を受賞したそうです。
いい小説とは何なんだろう、と考えてしまいました。
私には、「豚の報い」は、まったく良いところなしのように思え、「背中の夾竹桃」のほうが、面白いと思いました。
「豚の報い」は、ちょっと横へ置いておいて、「背中の夾竹桃」の登場人物は、リアルで共感が持てます。ベトナムに行きたくなくて、ミチコの部屋に転がり込んできたGIジャッキー。ミチコもまた、自分の人生に向き合うことから逃げているという点で、二人の暮らしは、似た者同士の傷の舐め合いとも言えるのでしょう。人生で一番甘美なものは、似たもの同志の傷の舐め合いなのかもしれないなぁ。
対照的に、表紙の田中一村の装画は、素晴らしい。何かに挑んでいくような迫力を感じます。
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