飯塚事件30年、それぞれの「正義」。
「正義の行方~飯塚事件 30年後の迷宮~」が、4月23日(土)午後7時、
NHKのBS1スペシャルで放送されます。
1992年に福岡県内で女児2人が殺害された「飯塚事件」に
関わってきた人たちを追ったドキュメンタリー番組です。
刑の執行後も無実を信じる元死刑囚の妻が、裁判のやり直しを求めている事件です。
捜査や裁判を担ってきた元警察官や弁護士の言葉を通し、
それぞれが信じる「正義」を浮き彫りにするという内容です。
「番組を見ずとも、内容は自ずと分かりますね」。
袴田巌さんの事件と同じです。 ←クリック。
久間三千年を逮捕起訴した刑事、検事、
そしてこの事件の裁判官は、口をそろえて言います。
「彼(久間三千年さん)が犯人だ」と。
袴田巌さんを殺人犯にでっち上げた刑事、検事、裁判官と同じです!!
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新たな目撃証言「別人の車に2女児」。
飯塚事件、2度目の再審請求 西日本新聞。
福岡県飯塚市で1992年に小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」で、
死刑が確定し、執行された久間三千年さんの遺族が2021年9月9日、
2度目の再審請求を福岡地裁に申し立てた。
確定判決が認定した遺体遺棄の時間帯に、現場から離れた場所で
「怪しい男が車に幼い女の子2人を乗せて走っていた」
とする目撃証言を「新証拠」として提出した。
証言したのは福岡県内の男性(72)。
再審請求書によると、男性は女児2人の遺体が遺棄されたとされる
1992年2月20日午前11時ごろ、
飯塚市と福岡都市圏を結ぶ八木山バイパスを福岡方面に走行中、
追い越した軽ワゴン車の後部座席にいた小学生の女の子2人を目撃。
1人はランドセルを背負って「うらめしそうな、今にも泣きそうな表情」、
もう1人は横になっていたという。
運転手は元死刑囚とは特徴が異なる「丸刈りで色白、細い体の30~40代くらいの男性」
としている。
その日の夜、男性は「飯塚市内で女児2人が行方不明」というニュースを見て
翌21日朝に警察に通報。(警察は1週間もホッタラカシていた)。
約1週間後に警察官に事情を話したが、
聴取はその1度きりで供述調書は作成されなかったという。
(1週間後に警察が訪ねてきた。その時、手帳にメモしただけです)。
記者会見した男性は、目撃した女児は写真で見た被害者と「非常によく似ていた」と説明。
運転手は、一審の初公判の傍聴席から見た元死刑囚とは別人だったと話した。
弁護団は「印象的な表情や不審に感じた状況、事件に関心を持ち続けていたことなど、
記憶は定着しており証言の信用性は高い」と強調。
「久間三千年さんの犯行と結びつかない証拠として、無視されたのではないか」と指摘した。
久間三千年さんは一貫して無罪を主張し続けました。
犯行を裏付ける直接証拠はなく、確定判決は、
(1)DNA型と血液型鑑定
(2)遺留品遺棄現場で元死刑囚の車と似た不審車両を見たとする目撃供述
(3)元死刑囚の車から検出された血痕・尿痕
(4)繊維鑑定-などの状況証拠から有罪とした。
久間氏にアリバイがないことや、
久間氏の車内座席から微量の血痕と尿痕が検出され、
血液型が被害者の1人と一致したこと。
(久間氏の家族にも同じ血液型がいる。車の中で尿を漏らした家族がいる)。
被害者に付着した繊維片が久間氏の車座席シートと類似していること。
(久間氏の車だけを調べた。同じ座席シートの車は多数ある)。
また、被害者のランドセルなどが発見された場所での目撃された車の特徴が、
久間氏が所有するワゴン車の特徴と一致したこと。
(警察が久間氏の車を何度も見て、目撃者から聞き出している)。
そして、被害者の遺体から見つかった血液によって血液型とDNA型が判明したが、
それが久間氏と一致したこと。
(足利事件と同じ方法で同じ検査官がDNA鑑定を行った)。
これが有罪判決の何よりの決め手とされた。
そうして2006年10月に最高裁で死刑は確定。
わずか2年後の2008年10月28日に久間氏の死刑は執行される。
再審無罪となった「足利事件」と同じ手法のDNA型鑑定が問題視されたが、
第1次再審請求では福岡地裁、高裁ともにDNA型鑑定の証明力を否定しながらも請求を棄却。
最高裁も今年(2021年)4月、地・高裁の判断を踏襲し再審を認めない決定をした。
(西日本新聞:森亮輔)。
【私の結論】
この事件は明らかに冤罪事件です。
しかし、日本の司法は行政に支配されています。
死刑執行が行われた殺人事件が無罪になることはあり得ません。
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-----は じ め に------
飯塚事件について、無実を訴えていた久間三千年さん死刑が執行されてから9年が経過した。
死刑判決確定から2年後、再審請求準備中に突如として強行された死刑(2008年)は、
遺族にとってはもとより、私たち弁護団にとっても耐え難い苦痛であり、
何よりも私たちに悔悟と自責とを迫るものであった。
あの時、私たちがもっと早く再審請求書を提出していれば、
死刑執行はなかったのではないか、その意味で、
私たちの怠慢が死刑執行を許したのではないか、そうした思いから、
私は、この9年間を針のむしろに据えられているとの思いを抱きながら、
再審に取組んできた。
本書は、こうした思いで私たち弁護団が取組んできた飯塚事件再審開始に向けての
活動の集大成として、飯塚事件の問題点を明らかにしたものである。
飯塚事件は、死刑執行された再審事件としては、
現在係属している唯一の事件である。それだけに、再審開始となり、
久間さんの無実が明らかになるということは、
国が無辜の国民のいのちを奪ったということになる訳で、
死刑制度そのものの存在意義が問われることになることは必至である。
また、本書をご一読いただければ、
この事件の有罪判決の柱とされた科警研のDNA鑑定や血液型鑑定が
鑑定写真に加工する等の工作がなされたり、
極めて非科学的な方法でなされているということや、
目撃証言が警察官の誘導によって作られたものであること等が
手に取るようにご理解いただけるのではないかと思う。
その意味で、飯塚事件はいわゆる冤罪事件の典型的な特徴を備えた事件であり、
その再審無罪を勝ちとることは、
日本の刑事司法のあり方に大きな一石を投じるものと信じている。
2017年10月 飯塚事件弁護団共同代表 德田靖之
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