唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
ガスパール・カサドの新譜!
ユニバーサルミュージックTYGE-60020(2014.02.19)SACDと通常CDのハイブリッド盤
ミッシャ・エルマン/ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」
ガスパール・カサド/マルチェルロ:ソナタ第一番/シューベルト:アルペジョーネ・ソナタ
よもやこのようなアルバムが登場しようとは思いもよらなかった。
1958年5月、カサドは第一回大阪国際芸術祭に参加するために来日している。このアルバムにはその折の公演の内5月8日に大阪フェスティバルホールで演奏されたマルチェルロ作曲(ピアッティ編曲)ソナタ第1番F Durとシーベルト作曲(カサド編曲)アルペジオーネ・ソナタ D.821が収められている。
この来日公演のうち6月6日の京都、同19日の東京・読売ホールでの演奏は「デュオ・カサド」として原智恵子のピアノにより行われているが、残念ながら(と云わざるを得ないが)大阪フェスティバルホールでのピアノは長くカサドの伴奏を務めたヘルムート・バルトである。ちなみにカサドが原智恵子と結婚式を挙げるのはこの来日公演の一年後1959年5月9日の事である。
シューベルトのアルペジオーネ・ソナタのチェロ演奏版は各種の楽譜が存在しているが、先にカサド編曲と書いた通りこの録音は彼自身の編曲によるものである。いまだ聴きながら楽譜を追ってはいないが、カサドがチェロ協奏曲に編曲したもののピアノ伴奏版であるはずであり、その楽譜は今も入手が可能である(SCHOTT ED1550)。
最後になぜいま頃になってこのようなアルバムが登場したのかについて触れておかなければならないだろう。実は、ラジオ東京(現TBSラジオ)が自局の番組「百万人の音楽」の放送用にライブ録音していたのである。長く倉庫で眠っていたテープをからデジタルマスタリングしたものが今日ご紹介するアルバムに収められているのである。繰り返しになるが、まさに僥倖である。
「恩田の森Now」
16日に撮影した写真を4点掲載いたしております。大雪のち晴れの恩田の森をどうぞご覧ください。次の撮影・掲載は25日を予定しております。
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