ドヴュッシーとは俺のことかとドビュッシー云い

 Web上のコンサート情報で「ドヴュッシー」と書かれているのが目に入った。
 ドビュッシーなら知っているけれど、ドヴュッシーってだれ? 

 「ギョエテとは俺のことかとゲーテ云い」とは斎藤緑雨の川柳ですが、文明開化当時のゲーテ(Goethe)の日本語表記は、ゲョエテ、ギョエテ、ギョーツ、ギョーテ、グーテ、ゲエテなど数十種類に及んだと云うことです。ことほど左様に外国人の名前を日本語で表記するのは難しいわけですが、緑雨の川柳は座布団五枚級であるなぁ。

 先に書いた「ドヴュッシー」はクロード・アシル・ドビュッシー(Claude Achille Debussy)のことだと思いますが、「ドビッシー」と書かれているのを見かけることもあります。ドヴュッシー」も「ドビッシー」も、クラシック音楽には余り詳しくない方が一所懸命考えて書いたものとは思われるのですが、「ドヴュッシー」は明らかな間違いですね。

 何故なら、ヴと表記するのはアルファベットでVと書かれている場合に限られるからです。ベートーヴェン(Beethoven)を例に引くのが判り易いでしょうか。ベートーベンとも書きますが、音楽関係者の間ではベートーヴェンと書かれるのが通例です。後半はvenですので「ヴェン」ですが、頭はBで始まっていますのでヴェートーではなく、ベートーと書きます。

 同様に、Violinのことはバイオリンではなくヴァイオリンと書きます。Violaはヴィオラと書きますが、ビオラと書かれることも多いようです。私の想像ですが、植物のViolaがビオラと表記されることが多いことが影響しているのかも知れません。

 ちなみに、それまでは無かった「ヴ」と云う文字を世に広めたのは福澤諭吉であると云う話を聞いたことがありますが本当か知らん。

 「恩田の森Now」 http://blog.goo.ne.jp/ondanomori に、ただいまは2月17日に撮影した写真を7点掲載いたしております。梅三昧をご覧いただければ嬉しいです。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、咲き始めた馬酔木(あせび)。

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