悲しきかな、会社人間

 とある講演会の受付近くで耳に入って来た会話。

 「いやー、物産にいましたからね、こういう講演会には興味があるんですよ」
 七十に手が届こうかという身なりの良い男性(以後「A氏」としておこう)の言葉が耳に入って来た。受付氏が職業を聞いた訳でも、来場された理由を尋ねたわけでもない。「物産にいましたからね」に受付氏が返事をする間もなくA氏は講演会場へと入って言った。

 「物産」とは勿論、三井物産のことだ。「商事」と呼ばれる三菱商事とともに日本を代表する総合商社。つまり、日本を動かす企業のひとつと言っても過言ではない「物産」だ。

 見たところ、少なくとも部長職以上で退職(あるいは転籍)し、関係会社の役員を数年務めて自適の生活に入ったであろうと思われるA氏である。やや小柄なA氏だが、背筋をピント伸ばした姿勢は堂々としている。着ている物の品もいい。若々しくも見える。そのA氏の口から、問われた訳でもないので出た言葉が「物産にいましたからね」。

 余計な一言が無ければ「品の良い初老の紳士」であったものが、「物産」の一言で台無しである。A氏には「物産」に勤務していたこと以外には自らを語れるものが無かったのだろうか。大体、初対面の受付氏にそんなことをいう必要も無いはずだ。いや、A氏としてはその必要があったのだろうな。自らを語れる最大かつ唯一のものが「物産」だったのだ。悲しいから「物産」。悲しいかなA氏。

 「物産」に勤めようなどとは考えたことも無いし、もし思ったとしても門前払いの郷秋<Gauche>だけれど、その分、日本を代表する企業に勤めていたことだけが自慢の老人にならなくて済む、問われもしないのに「元勤務先」を吹聴しないで済むのは幸せと云うものだ。


 例によって記事本体とは何の関係もない今日の一枚は、ユニークな花の季節以外には見向きもされないと思っていたら、実が染料の元となるらしく、秋にはその実だけを求めて歩く方もいる程の人気者であったとつい最近知った、キブシの紅葉。
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君の名は

 コスモスのような菊のような、なんとも不思議な花。コスモスは「秋桜」なんて素敵な名前をつけてもらって千年前から日本にいるような顔をしているけれど、日本に渡来したのは江戸時代末期のことで、メキシコ原産の花。

 秋桜と云う名前からつい惑わされますが、まさか桜と同属のはずもなく、コスモスはキク科の花。だから植物にはまったく素人の郷秋<Gauche>が、菊のようなコスモスのような花と思っても仕方がないわけですね。

 はてさて、このコスモスのような菊のような花の名前をご存知の方がおいででしたら、どうぞ教えてくださいな。


 カメラやレンズにお詳しい方からは「バックのボケが汚い」というご指摘を頂きそうです。いかにも。所謂最近流行の超高倍率標準ズームです。便利で一見万能にも思えますが、やはりこうしたショットでは馬脚を現してしまいますね。
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4週間ぶりで森へ

 前回行ったのが10月19日でしたから25日振りに森を歩いたことになります。2週間振りと云うことはあっても、こんなに長く森に行くことができなかったのはこの5年間で初めての事でした。

 前回は秋たけなわと云ったところでしたが、ほぼ1ヶ月振りの森はすっかり晩秋の装い。毎週歩いているとすぐには気づかない季節の移り変わりを大いに感じた一日でした。すみよしの森の老人福祉施設の工事も、なるせの森の墓地の造成も随分と進んでいました。すみのしの森の北端近くでは携帯電話の基地局の建設が始まっていました。

 季節の移ろいだけではなく、森が少しずつ侵食され小さくなってきているのにも気づいた今日の散歩でした。老人福祉施設も墓地も携帯電話の基地局も、確かに日々の生活に必要なものではありますが、それらのために貴重な自然が失われていくのは何とも寂しい限りです

今日の一枚は、すみよしの森にある「椎之木大明神」。

☆☆☆

 今日、恩田の森で撮影した写真をこちらに掲載しておりますので、ぜひご覧ください。
恩田Now 
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日本カー・オブ・ザ・イヤー2008-2009は、トヨタiQ

1位:トヨタiQ(526点)
2位:シトロエンC5(223点)
3位:日産GT-R(201点)
 ダントツ、文句なし、ぶっちぎりの1位だ。ファン投票ならGT-Rだろうけど。それにしてもC5が2位(インポート・カー・オブ・ザ・イヤー受賞)とは驚いた。これで少しは売れるかしらん。

 郷秋<Gauche>としてもiQが2008-2009のCOTYに選ばれることにまったく依存はない。依存がないどころか、その資格大いにありと旗を振っても良いほどである。ヨヨタは2年前にもレクサスLS460が2006-2007のCOTYを獲得している。超弩級の高級車でCOTYを獲得したかと思うと、今度は軽自動車よりも(全長が)小さいiQがCOTYを獲得。これがいまのトヨタの強さなんだろうな。

 と思いながら、どうして一般消費者が買うことのできなくクルマが2008-2009のCOTYなのか郷秋<Gauche>は不思議で仕方がない。そう、iQはまだ発売されていないのである。

 COTYのオフィシャルサイトを確認したら、こう書かれていた。
1.対象車は原則として、前年の11月1日から当年の10月31日までに日本国内で発表または発売された全ての乗用車で、次の条件を満たしていること。
1-2.選考委員にそのクルマを充分に理解する機会が与えられており、事前にテストドライブ、資料提供等が可能であること。
1-3.当年の12月下旬までに一般消費者が日本国内で購入出来ること。

 トヨタはiQを11月20日に販売開始することを10月15日に発表している。従って、発表・発売に関する日程的な条件はすべて満たしていることになるが、現時点では「発売されていない」クルマである事実には変わりなく、郷秋<Gauche>はCOTYの規定そのものに大いに違和感を覚える。もっともトヨタはそのCOTY選考の日程までをも視野に入れて発表・発売の日程を調整したということなんだろうな。トヨタ、さすがである。


 例によって記事本体とは何の関係もない今日の一枚は、何気ない晩秋の一こま。
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最初に消えるのは110(ワン・テン)(後編)

 昨日はシートフィルムについて書いたが、いよいよロールフィルムだ。ロールフィルムはその名の通り「巻かれた」フィルム。もっとも古くに登場したのは60mm幅のフィルムを巻いた「120」で通常「ブローニー」と呼ばれるが、これはこの規格のフィルムを最初に採用したカメラの名前がブローニーであったことから。裏紙をフィルムの前と後ろだけにしてフィルムの長さを2倍にした(2倍撮れる)220という規格もあるが、基本的には120と同規格と考えて良い。

 1901年に登場しているからすでに100年の歴史を持っているが、後述する135に取って変わられ現在は業務用、マニア用の少数派となっている。最初は60mm×90mmの画面サイズであったが、その後、幅が70mm、60mm、45mmと小さな画面サイズで使うカメラが出現している。それぞれ「ろくきゅう」「ろくなな」「ろくろく」「ろくよんご」と呼ばれる。「ろくろく」を採用したハッセルブラッドはスクエアな60mm×60mmの画面サイズを持つカメラの代表格である。

 120の次に出現したロールフィルムが1925年にドイツのエルンスト・ライツ社の「ライカⅠ(A)」と共に登場した135。通称「35ミリ」。35mm幅の映画用フィルムを流用したものである。パトローネと呼ばれる金属ケースに入っており、明るい場所で取り扱いが可能なこと、120に比し小型であることからカメラ本体も大幅に小型化することが可能なために、1950年代以降急速に普及し一般的にフィルムと言えばこの135を指すまでになっている。ちなみに画面サイズは通称名よりも1mm幅が広い36mm×24mmである。デジタル方式一眼レフ(DSLR)で使用される撮像素子の中で「フルサイズ」と言われるものの大きさは、この135の「フルサイズ」のことである。

 ロールフィルムは120と135だけかと言えば、実はそうではなく昨日と今日の記事のタイトルである110(ワン・テン)や画面サイズ8mm×11mmの「ミノックス」、コダックが開発した画面サイズ24mm×24mmの126「インスタマチック」などがある。「ミノックス」は007などのスパイ映画に出てくる超小型カメラとしてご存知の方も多いことと思うが、小さな割には(小さいから)高価であり、用途が特殊な為に使ったことのある方は少ないはず。

 110やミノックス、126の共通点はフィルムがカートリッジに入っており、カメラへの装着が簡単なことと、巻き戻しをせずに取り出して現像できること。特に126はカメラへの装着の簡易性を考えて1963年に作られた規格だが、結局普及しないまま早々に姿を消している。また、似たようなコンセプトで1996年には画面16.7mm×30.2mmのIX240フィルムが登場している。

 IX240フィルムを使う「進化した写真システム」、Advanced Photo System(アドバンストフォトシステム)通称APSは富士フイルム、イーストマン・コダック、キヤノン、ミノルタ、ニコンによって共同で開発されたものだが、同時期にデジタルカメラが登場したことから普及せず、現在はIX240フィルムを使うカメラの製造・販売はされていないはずです。

 さて、いよいよ110(ワン・テン)。「ポケットフィルム」と呼ばれることもあるこの110はイーストマン・コダック社が1971年に発売したもの。8年前に登場した126は普及しなかったが、110は小型であることからそれなりに普及し、1970年代から80年代にかけては各社から製品が発売された。中でもペンタックスが1979年に発売した「AUTO110」はレンズ交換システム、ワインダー等のアクセサリを揃えた110フィルムを使う一眼レフシステムカメラであり、特筆に価するだろう。

 その110フィルムがいよいよ風前の灯となって来ている。富士フイルムが今年5月に110フィルム2種(ISO100のカラー、12枚撮りと24枚撮り)の販売を2009年9月をもって終了することを発表していたが、コダックもすでにその製造を中止しており、在庫も今年末辺りで払拭するとのこと。ネット上で検索するとAGFAブランドの110フィルムが入手可能のようだが、いつまで入手可能なのか・・・。

 仮にフィルムが入手できたとしても、富士フイルムとコダックが販売を中止したとなると遠からず現像ができなくなるだろ。もし、モノクロームの110フィルムがあるのだとすれば自家現像が可能だと思うが、調べた限りでは現在入手可能な110フィルムはすべてカラーのようなので、数年後には110フィルムを使うカメラはすべて「近代産業遺産化」することだろ。

 既に消えてしまった規格は別とすると、最初に消えるロールフィルムが110と云うことになるだろうか。残るのは120と135そしてIX240ということになるが、110の次に消えるのはIX240だろ。これを利用するAPSカメラの販売期間が短かったこと、名機と呼ばれ長く使われる機種もないことから早晩消え行く運命だろう。

 IX240が消えると残るは120と135と云う事になるが、これは少なくとも郷秋<Gauche>が写真を撮っている間は無くなることはないだろ。少数になったとは言えこのフィルムを使って撮影するプロと愛好家が確実に存在し、またその為の機材も多数存在しているからである。ただしフィルムの価格と現像料がじわりじわりと上がってくることを避ける事はできないだろ。

 LPがSPを駆逐しCDがLPを駆逐した事実を例に引くまでもなく、技術の革新は常に古い規格を駆逐しながら進んできたことは事実である。写真を撮るためのフィルムには音盤の規格よりもはるかに多くのものがあったが、その多くは20世紀中に消え去り21世紀まで生き延びたのは135他ほんの数種だが、いよいよその生き残りにも淘汰の時代がやってきたわけである。


 今日の一枚は、ロールフィルムの代表格、135フィルムとそのフィルムを使うカメラの一例。ただし、135規格の36mm×24mmをそのまま使うのではなく、半分のサイズで使う「ハーフサイズ」のカメラ、OLYMPUS-PEN F。「ハーフカメラ」唯一の一眼レフである。カメラとフィルムの左側にあるのは「現代のフィルム」とも言えるデジタルカメラ用のメモリカード、CF(Compact Flash)。ただし、フィルムがフィルムベースに塗られた感光剤の化学反応により光を記録できる形に変換して記録していることをデジタルカメラに置き換えれば、正確にはカメラ本体とメモリカードを合わせてフィルムの代わりであると言うことになる。
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最初に消えるのは110(ワン・テン)(前編)

 写真の、フィルムの話だ。
 フィルムには様々な規格があるが、大きくシートフィルムとロールフィルムとに分けることができる。

 シートフィルムは文字通りシート状になったフィルムのことで、写真の歴史の黎明時に使われた乾板(ガラス板に感光剤を塗布したもの)の流れを汲み、そのガラスが樹脂性に変わったものと考えればいい。写真師が蛇腹の付いた箱のようなカメラの後ろにある黒い布を被ってピントを合わせて、なにやら木枠のようなもの(ホルダーという。撮影前に暗室内でこのホルダーにフィルムをセットしておかなければならない)をガシャリとカメラに差し込んで撮影するカメラのフィルムがこれだ。

 写真の歴史上一番古い形式のフィルムがこのシートフィルム。多くはないが、高価であっても使いたいという写真館やプロの写真家などの需要があることから、現在も販売されている。現在使われているのは主として4×5(「しのご」と読む。4インチ×5インチ)、8×10インチ(「えいと・ばい・てん」と読む。8ンチ×10インチ)だが、ほとんど手作り状態らしく、特注で任意のサイズ(8×20のような)フィルムを製作することもできるようだ。(8×20のフィルムについてはこちらの関連記事をご覧いただきたい)

 シートフィルムはすでに問題にならないくらい小さなマーケットなので話をロールフィルムに移したい。と、ここまで書いたところで眠たくなっていてしまいました。と云う訳で、今日はここまで。(明日に続く)


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、皇帝ダリア。草丈3メートル程、11月に咲く珍しいダリア。育てるのも難しいとか。
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今日のびっくり

今日のびっくり、その1 もうクリスマス?!
 ハロウィンの飾りを取り外すと同時にクリスマス・ツリーが登場。いくらなんでも早過ぎはしませんか?クリスマスは言うまでもなくイエス・キリストの誕生日。そのイエスの誕生(降誕)を待ち望む期間が降誕節(アドベント)。だから降誕節最初の日からクリスマスが始まると言っていいだろう。問題はその降誕節がいつから始まるかと云うこと。

 12月25日の直前の日曜日が待降節第4の主日(日曜日)と云われ、一週遡るごとに第3主日、第2主日、第1主日となる。今年のカレンダーだと、11月30日が待降節第1主日で、この日からがクリスマスと云うことになるな。だから、ハロウィンが終わった途端のクリスマス・ツリーは、1ヶ月早いぞ!と云うことになる。

今日のびっくり、その2 授業料を払わなくても卒業できる?!
 神奈川県教委が、授業料未納のまま県立高校を卒業した卒業生に支払いの督促をするとの報道。当面、成人した卒業生百数十名を対処に督促するという。おいおい、待てよ。授業料を未納のまま卒業させたのか?授業料は「教育というサービスの代金」だろう。その代金を払っていないのに卒業証書を渡すってどういうことだ?

 レストランで食事をしたのに代金を払わなければ、無銭飲食ですぐに「お縄」だ。クルマにガソリンを入れながら代金を払わず走り去ったら、すぐさまパトカーが飛んでくるだろ。でも、高校の授業料は払わなくても卒業できるらしい。でもでも、高校は義務教育じゃないんだからそれは変なんじゃないか?

今日のびっくり、その3 GMが経営破たん?!
 世界最大の自動車メーカー(2008年のその座はトヨタなのかも知れないが)、GM(ゼネラル・モーターズ)の業績悪化がますます深刻な状況。アメリカ政府の支援がなければ破綻する可能性も出てきているようだ。GMだけではなく、世界中の自動車メーカーが業績見込みを下方修正している昨今ではあるけれど、一番深刻なのが世界一(だった?)のGM。

 2008年にはGMを抜いて世界一の座を獲得すると見られているトヨタだって、つい最近得企業利益の見込みを1兆円下方修正したばかり。だけど、少なくともトヨタに関するニュースの中に「経営破たん」という言葉は出てこない。GMの凋落はアメリカの凋落。おっと待てよ、アメリカ凋落の次は日本か?


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、晩秋を彩る数少ない花のひとつ、ツワブキ。ツワは艶(つや)が訛ったもので「葉に艶のある蕗(ふき)」という意味の名前です。
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学園祭シーズンも終わり間近

 「学園祭も終わりま~近かで」という歌があったけど、今週末辺りが大学祭・学園祭シーズンの最後ということになるでしょうか。天気がいまひとつでちょっと気の毒ですね。

焼きそば、たこ焼き、チョコバナナ。学園祭=模擬店祭?
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森に行きたい

 このところ土日の野暮用が続いているために、森に行けないでおります。当然恩田Nowもまったく更新できないままになっています。

 これまでにも年に数度、恩田Nowの更新ができないことはありましたが、3週続けて更新ができない、つまりは森への散歩&撮影に行けないのは初めてです。少々疲れていても森の中を歩くことで、少なくとも精神的な疲れは大幅に軽減されます。自然の中を歩くことで癒されるのですね。

 それがないままの3週間は、やはりつらいです。近くに森林などの自然がない都会の雑踏の中で365日暮らしている方はどうなんでしょう。都会で生まれ都会で育った人は感じないのかも知れませんが、郷秋<Gauche>のように自然豊かな場所(わかり易く言えば「いなか」)で生まれ育った者は、定期的に自然に触れていないと心身ともに不調を来たすようです。

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Website恩田の森の更新ができないでおります

 Website恩田の森のメインコンテンツである恩田Nowですが、お気づきの通りこのところ更新が滞っております。郷秋<Gauche>が病気であるとかトラブルを抱えているということではなく、たまたま毎週末の野暮用が続き撮影に行けないでいるためです。変則ですが来週中頃には更新できる見込みです。楽しみにしてくださっている皆さんには申し訳ありませんが、今しばらくお待ちくださいますようお願いかたがたお知らせいたします。
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WILLCOMからオリジナルストラップ到着

 7月25日に、WILLCOM(ウィルコム、いまや唯一となったPHSキャリアだ)から10年以上の長期利用者向けプレゼントの案内が届いたことを書いたが、そのストラップがようやく届いた。それ程楽しみにしていたわけではないけれど、希望の色の連絡をしてから届くまでに3ヶ月もかかるっていったい・・・。

 郷秋<Gauche>が使っているのはAH-K3001Vという機種。もう5、6年使っているような気がしていたけれど、調べてみたら購入したのは2005年の1月だった。まだ3年10ヶ月だた。あと5年くらい使いたいところだけれど、バッテリーのもちが悪くなってきているのでそろそろ買い替えの時期かも知れない。ストラップは新しい電話用に取っておくことにしようっと。

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CAR GRAPHIC vs 郷秋<Gauche>


 片や世界に冠たる自動車雑誌、此方しがない・・・。CGのグラビアと郷秋<Gauche>の写真を比べるって、お前さんはいったい何を考えているのだねとおっしゃりたい方が山ほどおられることは郷秋<Gauche>とて先刻承知。何もその写真の優劣を問おうとしているのでは毛頭ない。

 届いたばかりのCG12月号96-97頁見開きの写真と、右上に乗せた郷秋<Gauche>撮影の写真を良く見比べて欲しい。同じ場所で撮ったものだということにお気づきいただけるだろうか。郷秋<Gauche>の写真はようやく芽吹き出した5月初旬の撮影、CG掲載の写真は秋も深まろうという頃に撮られたものである。が、同じ場所である。

 CGのグラビアには名車中の名車であるポルシェ、最新の911カレラ(とカレラS) が鎮座しているが、郷秋<Gauche>の写真の方は、車齢11年の老体プジョー3076Xsi。写真の格も違えば被写体たるクルマの格もまた大きく異なる。まっ、306が1990年代に生まれた実用車の範たるモデルであると言えることは間違いないのだが。

 CGがいつからこの場所を撮影場所としているの定かではないが、記憶の限りでは郷秋<Gauche>がこの場所に目をつけたのとそう変わりはないはず。もっとも郷秋<Gauche>がこの場所を見つけてから実際に愛車の写真を撮るまでには20年以上が経過している。その間にCGはこの場所に、煌くばかりの名車を幾度並べたことか。

 ホントにいい場所なのです。絶好のスポットなのです。季節ごとに訪れて、水面を渡る、梢を渡る風の音に耳を澄ませたい、そんな場所なのです。その美しい姿をバックに美しいクルマを撮ってみたくなる、そんな場所なのです。それがいったいどこなのか、ここには書きません。美しい場所は美しいまま、いつまでもひっそりとしていて欲しいから。
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「考える人」2008年秋号

 
 考えてもみれば、発売から一カ月以上も経った雑誌について書くなんぞは、まったく考えていない者のすることである。が、その雑誌が年に4回しか刊行されない季刊雑誌であるなれば、今号発売から一カ月と云うことは次号の発売まであと二カ月あるということになる訳であるから、まぁ許される範囲だろうと、自己弁護してみる。10月29日に発売になった『考える人』2008年秋号の話である。

 2008年秋号の特集は「堀江俊幸と歩く パリとその周辺」。郷秋的には「カルチェラタンのピアノ工房。記憶の中の音色。」が一番印象的だった。「パリ左岸」でも、もはや少なくなった云うピアノ再生工房を取材した記事である。道具と名のつくものであればなんであれ、修理しながらでも長く使うことが好きな郷秋だから、興味深く読むことができたのかも知れないが。

 レギュラーの記事では、やり今森光彦氏の「琵琶湖水系の旅」だ。琵琶湖を知り尽くした今森氏だからこそ活写できる、さりげない琵琶湖をめぐる数葉である。郷秋のフィールドたる恩田の森も琵琶湖の大きさと多様性とを持っていたならば、郷秋の写真ももう少し良いものになるだろうとは、自分の感性と技術とを棚に上げての戯言である。

 いまひとつとあげるならばこれもまた毎回楽しみにしている、さげさかのりこ氏の「娘と私」である。氏の娘であるハナちゃんの「あ~きょうはたのしかった。もう一回、さいしょからやりたい」とは、何と真理を突く奥の深い一言であることか。楽しい事だけを繰る返すことができるのならば、郷秋だって、してみたい。

 原 武史氏(明治学院大学教授、日本政治思想史)の新規連載「西武と郊外の戦後思想史」の第一回「ひばりヶ丘前史」は、西武線およびその沿線についてほとんど何も知らない郷秋にもなかなか面白内容であった。ただ、この連載が今後どのように展開し「戦後政治思想史」を検証することになるのか、本文内容よりも今後の論理展開の仕方が大いに気になる郷秋である。

刊誌「考える人」2008年秋号 発売中 新潮社
B5判 定価1,400円(税込み)

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最終戦、最終周の最終コーナー

 「事実は小説より奇なり」と云う言葉は、まさに昨日の2008年F1最終戦、ブラジルGPのために用意された言葉のようである。

 直前の雨により10分のスタート・ディレイで始まったレースは残すところ8周という段になって再び雨。中嶋一貴ら最後尾を走るドライバーが真っ先に、続いてトップ集団がレインタイヤに交換する中、ドライタイヤで最後まで走りきることを選んだトヨタのグロックがマッサの敗北を、つまりはハミルトンの2008年タイトル獲得のキーとなったのはご存知の通り。Web上に数多の情報があることだろうから、郷秋<Gauche>はこれ以上書かない。

 2008年は例年になく雨のレースの多いシーズンだったと言える。そして雨のレースは面白い。速いマシンの優位はそがれ、遅いマシンは相対的な速さを得ることになる。遅いマシンがために自身のドライビングスキルを発揮できないでいたドライバーがマシンの劣勢を跳ね退けてその速さをアピールする。ドライコンディションのレースでは決して上位を狙えないチームやドライバーがリザルトの上位に名前を記す意外性はF1の楽しみの一つでもある。

 マッサには申し訳ないけれど、そんな面白さを最大限に見せてくれたのが昨日のインテルラゴスでのレースである。ただしだ、昨年、郷秋<Gauche>は「マッサはチャンピョンの器ではない」と書いたが、71周のレースの間見せ付けた熱い中にも沈着冷静なドライビング、表彰台で見せた多くのファンへの感謝の気持、悔しくないわけはないのに落ち着いてインタビューに応えるマッサにはこの一年の大きな成長が見て取れた。

 果たして来期がどんな戦いになるのはわからないけれど、ライッコネン、アロンソ、ハミルトンらとともに、再び熾烈なチャンピョン争いをマッサが見せてくれることを大いに楽しみにしている。


 例によって記事本体とは何の関係もない今日の一枚は、晩秋の陽に輝く薄(ススキ)。
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2008年F1天王山

 3月14日、メルボルンで開幕した今年のF1チャンピョンシップも17戦を終え、いよいよ最後の決勝レースを残すのみとなった。最大の興味はもちろんドライバーズチャンピョンシップ。

ハミルトンのチャンピョン獲得条件
・5位以上でのフィニッシュ:マッサがレースに優勝しても可
・7位フィニッシュ:マッサが2位以下
・8位フィニッシュ:マッサが3位以下
・ポイント獲得なし:マッサが3位以下

マッサのチャンピョン獲得条件
・レース優勝:ハミルトンが6位以下
・2位フィニッシュ:ハミルトンが8位以下

 ハミルトンは、自身が5位以上に入ればマッサの順位に関係なくタイトル獲得。あるいは、たとえ自身がノーポイントだったとしても、マッサ3位以下ならタイトルを獲得できるのに対して、マッサがタイトルを獲得するためには自身が2位以上であることだけではなく、ハミルトンが下位に沈むことが必要になる。つまり、ハミルトンが相当有利な状況だということだ。

 だけれど、マッサ(とマッサのファン)が必要以上に悲観しなくても良い状況が日本時間の昨夜起こった。それは日本時間で今朝1時から行われた予選の結果である。

 ポールポジションを獲得したマッサに対して、ハミルトンはまさかの4位。ハミルトンの前には3位のライッコネン、2位のトゥルーリがいる。ハミルトンを援護すべき立場のコバライネンはハミルトンの後ろの5位。このところ好調を維持しているアロンソが6位に付けていることにも忘れてはならない要素のひとつと言って良いだろ。

 もっとも、この予選順位の通りにフィニッシュしたとすればハミルトンが2008年のタイトルを獲得することになるが、ハミルトンが予選順位から2つポジションを落とすことになると、目の前のタイトルをマッサにさらわれることになる。2007年の悪夢の再来である。

 火がついた時のマッサは確かに速い。それになんと言ってもブラジルGP、多くのファンの応援がある。無いはずのターボチャージャーのブースト圧が上がることは必至。対するハミルトンは、焦る気持ちから、2008年の「乱暴(あるいは慢心)ドライブ」の総決算をしでかす可能性も大いにある。そうなると結果は・・・。

どんぐりの小径
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