GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

又吉、芥川賞受賞おめでとう

2015-07-17 03:39:43 | BOOK/COMICS
全英オープンじゃないけどこちらも歴史ある賞。
第153回芥川賞が7月16日発表された。
又吉直樹の「火花」が芥川賞に選ばれた。

6月21日のブログで「又吉に芥川賞をあげてほしい」って書いたが、芥川賞を取れてよかった。
羽田圭介の「スクラップ・アンド・ビルド」との同時受賞ってのは、審査員の苦悩が伺われる。
「コメディアンの小説に芥川賞を選んだら権威が」とか考えたか?「でも、“火花”は売れてるしな」とか、三島由紀夫賞を逃したときのSNSでの「何故?」ってコメントの多さは尋常じゃ無かったしなとか、今回もマスコミが注目してるしな・・・とか。
なんてやり取りが事があったのか無かったのかは知らないがね。

売れてるものはいくら権威がどうこう言っても、面白いから売れてるんだよ。
たとえ作者がコメディアンだろうが歌手だろうが関係ないよ。歴代受賞者の辻仁成や町田康なんかがいい例じゃないか?

116回芥川賞を受賞した元エコーズのボーカリスト、ミュージシャンの辻仁成(この時も柳美里の『家族シネマ』と同時受賞だった)は受賞作の『海峡の光』以外にも、「冷静と情熱の間に Blu」(「 Rosso」は江國香織著)、「サヨナライツカ」『パッサジオ』『千年旅人』『嫉妬の香り』『目下の恋人』と名作を次々と世の中に送り出した。中には映画化やテレビ化されてるのも多い。







STALINの遠藤ミチロウと並び80年代じゃパンパンクロックの雄、INUの町田町蔵も、小説「くっすん大黒」で文壇デビュー。「へらへらぼっちゃん」とか「つるつるの壺」ってINU時代の名作「メシ喰うな!」の収録曲のタイトルと同じエッセイ等を書いてたが、彼も「きれぎれ」で第123回芥川賞受賞してる。何故こんな改行や句読点さえ知らない作家の小説が芥川賞に選ばれたのかは、未だに不思議。読んだ事無い人は是非読んでくれ。ただしめっちゃ読みにくいぞ。





不思議な事に、辻も町田も又吉も、三島由紀夫賞にノミネートされて、落ちて芥川賞を受賞してる。
これはなんかあるのかね。まぁあっても無くてもどうでもいいけど。

まぁ、何はともあれ、又吉君。芥川賞受賞おめでとう。
次回作を楽しみにしてるよ。プレッシャーの中、是非頑張って書いてみてくれ。



第144回全英オープンゴルフ開幕

2015-07-17 00:22:20 | BOOK/COMICS
ジ・オープン。
ゴルフ界最高峰のメジャー大会、全米オープン、全米プロ、マスターズそして全英オープン。
1860年に初開催され、今年で144回目を迎える歴史あるこの全英オープンだけは、THE(ジ)と冠されるほど別格。正式名称"The Open Championship"。
イギリスはこういった格付けが好きね。スコッチでも“THE”が冠についたものは別格だもの。The GLENLIVETとかね。これぞ本物って王室お墨付きみたいなもんかな。ロイヤルワラント(英国王室御用達)とはちょっと違うけど、歴史と伝統、そして品質を守る国だからだろうね。

テニスの四大大会(グランドスラム)でも全英オープンは別格。勿論“THE”が冠されてる。全豪オープン(Australian Open:1905~)、全仏オープン(Les Internationaux de France:1891~)、全英オープン (The Championships:1877~)、全米オープン(U.S.Open:1881~)。大会名を見ても全英テニスもチャンピオンシップだからね。他の大会で優勝するより全英で勝つ事が頂点って言う事だな。

ウィンブルドンがテニスプレーヤーの聖地だとしたら、セントアンドリュースはゴルフの聖地。ジ・オープンは毎年、ターンベリーをはじめ7つのリンクスコースを順番に使用する。帝王ジャック・ニクラウスの引退大会は、一年前倒しでセントアンドリュースを使ったくらい別格。
ここで優勝することをすべてのゴルファーが夢見てると言っても過言ではないだろう。

ただでさえ「18ホールの中に四季がある」と言われるほど、イギリス(スコットランド)のリンクスコースは厄介だ。さっきまで晴れてたのに、雨が降る。風向きは平気でコロコロ変わる。天候が良い年は「全英オープンらしくない」とさえ言われるほどだ。
コースも、これでフェアウェイと呼んでいいのか?ってくらいアンジュレーションに富んでる。どこからがフェアウェイでどこからがラウかわからない。壁面を干しレンガで垂直に切り立たせた深いバンカー(以前中島常幸が優勝争いから脱落した通称「トミーズバンカーも有名)、フェスキューを腰の高さまで伸ばした「あるがまま」のラフ。その他にもゴースが待ち受ける。ゴルフって言うよりトライアスロンみたいだ。
7つのコースとも初心者なら300くらいは平気で叩きそう。(その前にギブアップするか)
以前、セントアンドリュースは、ファミコンのゴルフゲームで70代で回れたんだけどな。

前述のジャック・ニクラウス(1966,1970,1978年の3回優勝)とトム・ワトソン(1975,1977,1980,1982,1983年の5回優勝)の1977年の死闘は今も語り継がれる名勝負。これはVIDEO化されてるから是非見てほしい。Youtubeにもあるかな?あれこそ全英オープンの醍醐味だよ。

全英オープンだけは何故か毎年見てる。プレー時間、放映時間がちょうど深夜だから、他の大会より見やすいせいもあるんだけど、何故かTVをつけたらやっていたってのも多々ある。
1995年のジョン・デイリーの優勝も見た。飛ばし屋、悪堂と呼ばれてたデイリーの男泣きは印象的だった。
1999年の最終ホールまで3打リードしていたジャン・ヴァン・デ・ヴェルデの悲劇が忘れられない。18番ホールのティーショットはフェアウェイキープ。その時点でトロフィーに名前が印字され始めてたのに、まさかのトリプルボギー。プレッシャーか?見てて「神様頼むからこの池越えはグリーンオンさせてやってくれ」とか思ってしまったよ。結果ポール・ローリーにプレーオフの末に敗れた。見ててあんなにつらかった全英は無い。

一転して翌年の2000年はタイガーウッズの圧倒的な優勝。当時の彼は神懸かりな強さだった。全英を含め2000年の全米オープンから2001年マスターズまで、一気に勝ってメジャー大会4連覇(勿論グランドスラム)を達成。
ちなみに彼は全英は2005,2006年も優勝、マスターズは1997,2001,2002,2005年優勝、全米オープンは2000,2002,2008年優勝、全米プロは1999,2000,2006,2007年優勝。ジャックニクラウスとタイガーウッズはゴルフ界の化け物だね。

伝統をほこり、数かずの名勝負、名だたるゴルファーが優勝者に名前を連らねるこのジ・オープン。
聖地セントアンドリュースでの114回目の開幕前日に大会歴代優勝者によるエキシビションマッチが行われた。その名もチャンピオンズ・ゴルファーズ・チャレンジ(The Champion Golfers' Challenge)。
アーノルド・パーマー、ゲーリー・プレーヤー、ダレン・クラーク、ポール・ローリー、ビル・ロジャース、ニック・ファルド、トム・ワトソン、タイガー・ウッズ、フィル・ミケルソン・・・。新旧のスタープレイヤーがそれぞれチームを組んでプレー。
これも老舗ならではのイベントだね。

さて、今年はどうなるか。

TV中継を見ながらこのブログを書いてるんだが、期待の松山英樹は初日イーブンパー。
松山と同組で全米オープン2位のダスティン・ジョンソンが7アンダーで今のところトップ。ジョーダン・スピースが5アンダー。まだまだわからない。

今まで日本人では倉本昌弘(1982年)の4位が最高位。丸山茂樹(2002年)谷原秀人(2006年)が5位。松山英樹は(2013年)6位。
ちなみに解説者でおなじみの青木功さんは(1988,1979,1978年)7位だ。

ちなみに青木さんは1980年の全米オープンでジャックニクラウスと死闘を4日間繰り広げ、結果2位だったがその名を世界に広めた人。今の若者が長嶋茂雄を知らないように、青木功やジャンボ尾崎の名前も過去のものとなりつつある。
青木さんの凄いところは、この人は打った瞬間に「あれ?これかなり右に行ったよ」とか「あそこからは3パットで上出来だ」って解説するんだけど、それが的確なので恐れ入る。モニター越しで何故わかる?

松岡修造もさすがに全英でのラウンドレポートは押さえ気味だ。
入りそうな簡単なパットが外れたり、コースに悪戦苦闘してるシーンばかりの全英オープンは、TVで観ててもストレスが結構たまる。
でも、それがゴルフ。

ゴルフ漫画の名作、「風の大地」を読み返してしまいそうだ。