徳丸無明のブログ

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R-1ぐらんぷり2020 寸評

2020-03-09 23:13:29 | 雑文
新型コロナウイルスのために、初の無観客試合となった今大会。客がいないと会場が静まり返っちゃうんじゃないかと心配しましたが、それほどでもなかったですね。番組スタッフが笑い声を振り絞っていたのでしょうか。お疲れ様です。M迫さんの代理の粗品もね。

個別の感想は以下の通り。まずはファーストラウンドから。


メルヘン須長・・・『科捜研の女』の沢口靖子モノマネ。「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」か何かで観たことありました。SNS事件簿という設定はいいんだけど、ほとんどただの悪口になっちゃってる。もう少しヒネりが欲しいところ。せっかくのモノマネもあまり活かせてないように感じました。

守谷日和・・・刑事の取り調べを受けてたら説明が落語口調になってしまう男。落語っていうのは話の面白さだけでなく、噺家のしゃべりに聞きほれるという、「気持ちよさ」の楽しみもあるわけですが、刑事の視点を通じてその気持ちよさに共振できる作りになっていました。「時ソバ」という古典を取り入れてくるのは落語ファンにはたまらない演出でしょう。「重要亭参考人」という命名もいい。最後のオチ(サゲ)が、「いかにも落語」というダジャレになってたらなおよかったですね。

SAKURAI・・・「ガキの使い」の「山-1」に出てましたね。「山-1」から「R-1」へ。SAKURAIの頼りなさげで華のないルックスはなんとも言えない良い味出してる。「どうしても伝えたいことがある」と言っておきながらどうでもいいことを歌い上げるネタ。脱力系の、つねに60点ぐらいをキープし続けるネタで、優勝狙うのはちょっと難しいっつーか、これでファイナリストまで上がってきただけで充分すごい。「ビーチバレーが根付いてない国」と「モロヘイヤの生産量第5位から10位」が特によかったです。
これをずっとやり続けたら、いずれは伝統芸能の域に達する・・・かもしれません。

マヂカルラブリー 野田クリスタル・・・トリプルファイナリストは史上初?オリジナルゲームを使ったネタって・・・。野田のキャラとミスマッチしてない?
「桃鉄」のダジャレから出発してネタに使える奇形的ゲームまで昇華できたのはお見事。YouTubeのゲーム実況を観る感覚で楽しめるネタ。ただ、前もって「太ももが鉄のように硬い」のが「もも鉄」と説明されてるので、課金の「全鉄」は「全身が鉄」のことだってオチを聞くまでもなくわかっちゃうのが弱み。あと、鉄の部分と普通の肌の色があまり違わないので、見分けがつきにくかったです。もっと極端な色分けしとくべきでしたね。野田は破天荒というキャラ設定がそもそも間違っていたのでは。

ルシファー吉岡・・・なんかルシファーが企画モノのAV男優に見えてきた。顔のほくろが変態性欲の表れみたい。間接キスだけでずーっとネチネチ話してんのって、ある意味ド直球の下ネタよりいやらしい。

ななまがり森下・・・拍手。とにかく拍手。「どうしても乳首を隠せない」という、あまりにもくだらなすぎるネタで勝負をかけてきたその姿勢にただただ拍手。全力でスベっている状況が、視点をずらすと面白く見えるということなのか、スベり続けているさまがいつの間にか反転して面白くなってくるということなのか、いずれにせよ「お前優勝狙ってねーだろ」とツッコまずにはいられませんが、個人的にMVPを送りたいです。

パーパー ほしのディスコ・・・普段のパーパーと同じ、男女間の、ほしのが100パーセント被害者になるネタ。どうせピンでやるならコンビとは違うネタが観たかったですけど、これで必ずしも相方は必要ではないということが証明されました。あと顔のアップが多かったため、鼻の穴が左右で違うという発見。パーパーどうなる。あいなぷぅ、どうする。

すゑひろがりず南條・・・「今昔またぎ」は、わかりやすくて老若男女に幅広く受け入れられるネタ。でもあまりにも普遍的すぎて、ひねくれ者の僕は好きじゃない。変化の流れが「今から昔」という一方向ばかりで、逆の流れとか、今と昔を何度も往復するような変則的なパターンなんかも入れてあるともっとよかったと思います。最後の「ドレミの歌」で行ったり来たりがありましたが、「レへへ」とか言われても、合ってるのかどうかがわかりません。

ヒューマン中村・・・ラノベで最近流行りの異世界転生ものかと思いきや、メッセージ受信の受信料を強制徴収してくるという変化球。これはねえ、テレビを設置したら、たとえ視聴していなくても受信料の支払いを請求してくる、NHKを批判したネタですよ!そうか、NHKは当たり屋だったのか・・・。

おいでやす小田・・・ら行の巻き舌一本だけでよくやりました。怒鳴り声の勢いで笑わせるネタで、何言ってるのか聞き取れなくても笑えるというか、むしろ聞き取れないほうが面白く感じるようになってくる。巻き舌のパワーを活かしたというか、巻き舌のパワーに気づいたおいでやすの慧眼ですね。

ワタリ119・・・本筋と関係ないところに時間を割く手法はサンシャイン池崎と相通じるネタ。キャラが似てると芸風も似てくるのか。池崎も大声と力技でなんとか誤魔化してると思われがちですが、ネタ自体はすごく計算された作りになってるんですよね。ワタリのこのネタもしかり。個人的に今大会の中で一番面白かったです。
ところで、「キラキラ関係」の表記がなかったけど、解散したわけじゃないよね?お疲レスキュー!!

大谷健太・・・コミュ障っぽい雰囲気の大谷。他者とのコミュニケーションを円滑にするために、自分と他者の間にフリップを挟んでる、という印象。出だしのセリフで「ん、大丈夫か?」と不安になりました。滑舌がいいというよりも、ギリギリ言い切れるレベルの微妙な滑舌で、大谷のキャラと相まって「あらびき団」のようでした。


続きましてファイナルステージ。


マヂカルラブリー 野田クリスタル・・・「モンモンとするぜ!!ストッキング姉さん」略して「モンスト」・・・。うーん、面白かったですか?僕はあんまり・・・。

すゑひろがりず南條・・・1本目と同じシステムによる「またぎ・ザ・ベストテン」。万人受けする、安定感のあるネタですが、やはり今と昔を行ったり来たりしてほしかった。

大谷健太・・・ネタの内容よりも、ネタの合間に大谷が見せる謎のドヤ顔のほうが面白かったです。あと、ダイイングメッセージのところでスベってシーンとなってたので笑いました。大谷は扱い方次第ではテレビの人気者になれる個性を秘めている気がします。


なんだかんだありつつも無事終了。お茶の間ⓓボタン投票とツイッター投票、どっちも同じなんじゃないか、っていう気がしました。
野田クリスタルと上沼恵美子の今後の絡みが気になる。そう・・・野田よ、今こそえみちゃんに復讐するのだ!!