前回はウィークデーの開催でしたけど、今回は日曜開催。なんとなく一安心。
にしても、僕のR-1の優勝予想、全然当たりませんね。キングオブコントやM-1ではけっこう当ててるんですけど、R-1はたぶん3年連続でかすりもしてない。なんなんでしょうねー。どうでもいいっちゃどうでもいいんですけど。
まずはファーストステージの感想から。
チョコレートプラネット 松尾・・・売れるのはいいことなんですけど、IKKOモノマネとかTT兄弟とか、わかりやすいお笑いにはどうしても冷ややかな僕。
安定のIKKOさんでくるのか、新ネタで勝負をかけるのか。後者であってほしいと思ってたら前者。でもIKKOの一休さんという、ひとひねり入ってたのはよかったです。モノマネのクオリティに関しては、もはやケチのつけようがないくらい高水準。最後にイスが壊れたのがネタの流れとして不自然。変にドタバタした感じで終わっちゃいました。
やっぱ前座というか、盛り上げ要員として呼ばれたんでしょうね。ありがTございましたー!
クロスバー直撃 前野悠介・・・優勝予想の記事で「コンビの歌ネタ面白い」って書きましたけど、あれアイロンヘッドと間違えてました。すみません。
オリジナルの小道具を用いた、動体視力検査とメルカリの2部構成。前段のほうは笑いよりも感心の声が上がってて、後段のほうが笑いを生み出せてた。なので、2部構成にしないで、2つを足し合わせた作りにしてればよかったんじゃないかと。あと、チョコプラ長田みたく、小道具に頼りすぎの感もありました。印鑑の天丼はよかったよ。
こがけん・・・とにかく器用。日本のメジャーな歌をアメリカの80年代ロックに置き換え、なおかつ歌いきる技術はお見事。カラオケのみならず、どんな音にも反応するマイクという設定だったので、もっと長尺でいろんな音のパターンを見せられたら、後半に行くほど笑いが大きくなっていたんじゃないかと思います。
セルライトスパ 大須賀・・・ヒソヒソ声で行う変則的な漫談。声が小さいのはネタをやるうえでマイナスと思われるかもしれないが、さにあらず。観客はちゃんと聞こうとして聞き耳を立てるので、ネタに対する注意力が高まるし、秘密の話を共有しているかのようなワクワク感も生まれる。このスタイル、過去になかったとすれば大須賀の大発明。ひとつひとつの話題のチョイスも素晴らしい。たしかにボールペンは安すぎる。
おいでやす小田・・・お金持ちになったけど、思ってたような幸せとちがうという、お笑いの形式としてはわりと古典的。不平不満の数々もオーソドックスな感じで、実にわかりやすい笑いでした。個人的にはもうちょっとひねりがほしかった。終わるのが早く感じたので、長尺向きのネタかもしれません。
霜降り明星 粗品・・・原点回帰のパジャマ姿。フリップちょっと詰め込みすぎかな、と思いました。ひとつひとつは文句なく面白いんですけど、ゆっくりと味わう時間がなくて、笑いきる前に次のフリップに行っていました。もっとゆっくりのほうが笑いが増えるのではないかと。詰め込んだほうが面白くなるというものでもないですからね。
ルシファー吉岡・・・ルシファーの過去のネタってほぼ下ネタだったように記憶していて、それがどうしても生理的にムリって人が一定数いて、マイナスになってるんじゃないかという気がしてたんですね。今回は男子高校生の「性」という、中和された受け入れられやすい下ネタでした。「驚きすぎての静寂」とか、「タッチの差で卒業する3年生に黙祷」など、ワードセンスに磨きがかかってましたね。去年も成長を感じましたけど、今年もそれを実感。まだ続きが観たかった。これが2ポイントしか入らないなんてなあ・・・。
マツモトクラブ・・・ウソをつくと犬に吠えられる、というのは笑いの形として実にシンプル。作品としてはすごくきれいにまとまってるけど、あまり笑い声が起こるようなネタではない。なんでこれ持ってきちゃったかなあ・・・。
だーりんず 松本りんす・・・わかりやすくて薄いネタを、わざとゆっくり見せる、というスタイル。ネタそのものではなく、スタイルが生み出す空気が笑いに繋がっていました。カツラ芸とか、やってることはしょうもないんだけど、空気感は好き。「ヒヤヒヤしないでください」というセリフは、アキラ100%という先駆者ありき。こういうタイプの芸人ほど売れてほしいんですけどね。
河邑ミク・・・臆面もなく大阪をこきおろす姿勢にまず拍手。ノリツッコミの切り替わりの緩急に演技力を感じました。「コテコテの大阪のボケ」に対応した「コテコテの演技」ね。「このご時世もっとコスパのいい犯罪ある」という、炎上しかねないセリフが特によかったです。今後も怖いもの知らずの態度を貫いていただきたい。
三浦マイルド・・・やっぱり広島弁は三浦にとって最大の武器なんですね。漢字ドリルという形式を使って、「仁義なき戦い」風の小学校を浮かび上がらせるという構成。ネタが進行するにつれ、小学校の世界観が固まっていき、その中での人間関係を想像して笑いが起きる、という仕掛けになってました。ドリルの内容だけでなく、こちらの想像によっても笑いが起きるわけですね。なので、もっと長く観たいと思いました。長くなればなるほど小学校の世界観はメチャクチャになっていき、それによって喚起される想像もより笑えるものになるからです。
岡野陽一・・・パチンコ好きで借金かかえてるダメ人間岡野(これを「芸人らしい芸人」と評価するつもりはない)。パチンコ漫談も面白いんですけど、巨匠時代と同じ独特の世界観ネタできましたね。笑いより悲鳴が大きかったのは個人的に快感でした。こういうおかしなオジサンって昔は町内に一人ぐらいいましたよね。観客の若い女の子はこの種のオジサンに対する免疫がないんでしょう。
これきっかけで岡野がちょっとでも売れてくれればなあ・・・。
続きましてファイナルステージ。
セルライトスパ 大須賀・・・猛獣に囲まれた状態でのヒソヒソ話。「緊張と緩和」を利用したパターンですね。たしかに食パンの「食」はいらない。「下敷き高い」の天丼が一番ウケてたのが難点だったか。いずれにせよ大須賀の評価が変わりました。文句なしに今大会のMVP。もっとヒソヒソ聞きたいぞ!
霜降り明星 粗品・・・2本目はさほど詰め込まれていませんでした。フリップ裏にバンクシー入れてくる変化球はさすが。だったら、いつの間にかフリップがシュレッダーにかけられてた、っていうのも入れといたらよかったかもね。
だーりんず 松本りんす・・・「あらびき団」が好きだった身としては、こういうしょーもないのにどうしても引きつけられてしまう。なんかベテラン芸人の余裕の構えが表れていて、それが芸風にプラスに働いてる感じがしました。とにかく一つでも多くのボケを詰め込もうとする若手は、松本を見習ってみてはどうか。
前回も書いた気がしますけど、放送時間短いですね。審査員の感想あんまり聞けなかったし、あわただしく進行してる感がありました。ダラダラしてないのはよかったですけどね。
敗者復活はとにかくせいやが来なくてよかった。ほんと、霜降りはほっといても売れるんだから、出ちゃダメだよ。
粗品は元々ピン芸人でしたから、R-1へのこだわりがあったんでしょうね。売れてない芸人に優勝してほしかったけど、そこは素直におめでとうと言いたい。でもあんまり喜んでるように見えなかったですね。それが謎。
にしても、僕のR-1の優勝予想、全然当たりませんね。キングオブコントやM-1ではけっこう当ててるんですけど、R-1はたぶん3年連続でかすりもしてない。なんなんでしょうねー。どうでもいいっちゃどうでもいいんですけど。
まずはファーストステージの感想から。
チョコレートプラネット 松尾・・・売れるのはいいことなんですけど、IKKOモノマネとかTT兄弟とか、わかりやすいお笑いにはどうしても冷ややかな僕。
安定のIKKOさんでくるのか、新ネタで勝負をかけるのか。後者であってほしいと思ってたら前者。でもIKKOの一休さんという、ひとひねり入ってたのはよかったです。モノマネのクオリティに関しては、もはやケチのつけようがないくらい高水準。最後にイスが壊れたのがネタの流れとして不自然。変にドタバタした感じで終わっちゃいました。
やっぱ前座というか、盛り上げ要員として呼ばれたんでしょうね。ありがTございましたー!
クロスバー直撃 前野悠介・・・優勝予想の記事で「コンビの歌ネタ面白い」って書きましたけど、あれアイロンヘッドと間違えてました。すみません。
オリジナルの小道具を用いた、動体視力検査とメルカリの2部構成。前段のほうは笑いよりも感心の声が上がってて、後段のほうが笑いを生み出せてた。なので、2部構成にしないで、2つを足し合わせた作りにしてればよかったんじゃないかと。あと、チョコプラ長田みたく、小道具に頼りすぎの感もありました。印鑑の天丼はよかったよ。
こがけん・・・とにかく器用。日本のメジャーな歌をアメリカの80年代ロックに置き換え、なおかつ歌いきる技術はお見事。カラオケのみならず、どんな音にも反応するマイクという設定だったので、もっと長尺でいろんな音のパターンを見せられたら、後半に行くほど笑いが大きくなっていたんじゃないかと思います。
セルライトスパ 大須賀・・・ヒソヒソ声で行う変則的な漫談。声が小さいのはネタをやるうえでマイナスと思われるかもしれないが、さにあらず。観客はちゃんと聞こうとして聞き耳を立てるので、ネタに対する注意力が高まるし、秘密の話を共有しているかのようなワクワク感も生まれる。このスタイル、過去になかったとすれば大須賀の大発明。ひとつひとつの話題のチョイスも素晴らしい。たしかにボールペンは安すぎる。
おいでやす小田・・・お金持ちになったけど、思ってたような幸せとちがうという、お笑いの形式としてはわりと古典的。不平不満の数々もオーソドックスな感じで、実にわかりやすい笑いでした。個人的にはもうちょっとひねりがほしかった。終わるのが早く感じたので、長尺向きのネタかもしれません。
霜降り明星 粗品・・・原点回帰のパジャマ姿。フリップちょっと詰め込みすぎかな、と思いました。ひとつひとつは文句なく面白いんですけど、ゆっくりと味わう時間がなくて、笑いきる前に次のフリップに行っていました。もっとゆっくりのほうが笑いが増えるのではないかと。詰め込んだほうが面白くなるというものでもないですからね。
ルシファー吉岡・・・ルシファーの過去のネタってほぼ下ネタだったように記憶していて、それがどうしても生理的にムリって人が一定数いて、マイナスになってるんじゃないかという気がしてたんですね。今回は男子高校生の「性」という、中和された受け入れられやすい下ネタでした。「驚きすぎての静寂」とか、「タッチの差で卒業する3年生に黙祷」など、ワードセンスに磨きがかかってましたね。去年も成長を感じましたけど、今年もそれを実感。まだ続きが観たかった。これが2ポイントしか入らないなんてなあ・・・。
マツモトクラブ・・・ウソをつくと犬に吠えられる、というのは笑いの形として実にシンプル。作品としてはすごくきれいにまとまってるけど、あまり笑い声が起こるようなネタではない。なんでこれ持ってきちゃったかなあ・・・。
だーりんず 松本りんす・・・わかりやすくて薄いネタを、わざとゆっくり見せる、というスタイル。ネタそのものではなく、スタイルが生み出す空気が笑いに繋がっていました。カツラ芸とか、やってることはしょうもないんだけど、空気感は好き。「ヒヤヒヤしないでください」というセリフは、アキラ100%という先駆者ありき。こういうタイプの芸人ほど売れてほしいんですけどね。
河邑ミク・・・臆面もなく大阪をこきおろす姿勢にまず拍手。ノリツッコミの切り替わりの緩急に演技力を感じました。「コテコテの大阪のボケ」に対応した「コテコテの演技」ね。「このご時世もっとコスパのいい犯罪ある」という、炎上しかねないセリフが特によかったです。今後も怖いもの知らずの態度を貫いていただきたい。
三浦マイルド・・・やっぱり広島弁は三浦にとって最大の武器なんですね。漢字ドリルという形式を使って、「仁義なき戦い」風の小学校を浮かび上がらせるという構成。ネタが進行するにつれ、小学校の世界観が固まっていき、その中での人間関係を想像して笑いが起きる、という仕掛けになってました。ドリルの内容だけでなく、こちらの想像によっても笑いが起きるわけですね。なので、もっと長く観たいと思いました。長くなればなるほど小学校の世界観はメチャクチャになっていき、それによって喚起される想像もより笑えるものになるからです。
岡野陽一・・・パチンコ好きで借金かかえてるダメ人間岡野(これを「芸人らしい芸人」と評価するつもりはない)。パチンコ漫談も面白いんですけど、巨匠時代と同じ独特の世界観ネタできましたね。笑いより悲鳴が大きかったのは個人的に快感でした。こういうおかしなオジサンって昔は町内に一人ぐらいいましたよね。観客の若い女の子はこの種のオジサンに対する免疫がないんでしょう。
これきっかけで岡野がちょっとでも売れてくれればなあ・・・。
続きましてファイナルステージ。
セルライトスパ 大須賀・・・猛獣に囲まれた状態でのヒソヒソ話。「緊張と緩和」を利用したパターンですね。たしかに食パンの「食」はいらない。「下敷き高い」の天丼が一番ウケてたのが難点だったか。いずれにせよ大須賀の評価が変わりました。文句なしに今大会のMVP。もっとヒソヒソ聞きたいぞ!
霜降り明星 粗品・・・2本目はさほど詰め込まれていませんでした。フリップ裏にバンクシー入れてくる変化球はさすが。だったら、いつの間にかフリップがシュレッダーにかけられてた、っていうのも入れといたらよかったかもね。
だーりんず 松本りんす・・・「あらびき団」が好きだった身としては、こういうしょーもないのにどうしても引きつけられてしまう。なんかベテラン芸人の余裕の構えが表れていて、それが芸風にプラスに働いてる感じがしました。とにかく一つでも多くのボケを詰め込もうとする若手は、松本を見習ってみてはどうか。
前回も書いた気がしますけど、放送時間短いですね。審査員の感想あんまり聞けなかったし、あわただしく進行してる感がありました。ダラダラしてないのはよかったですけどね。
敗者復活はとにかくせいやが来なくてよかった。ほんと、霜降りはほっといても売れるんだから、出ちゃダメだよ。
粗品は元々ピン芸人でしたから、R-1へのこだわりがあったんでしょうね。売れてない芸人に優勝してほしかったけど、そこは素直におめでとうと言いたい。でもあんまり喜んでるように見えなかったですね。それが謎。