一部のメディアは、もしかしたら、かなりのメディアが、オミクロン株は大したことがないばかりを、伝えている。感染症は人と人との接触で広がる。オミクロン株をこわがって、人と人の接触を控えても良いのではないか。こわがるをバカにするのはやめるべきである。
2週間近く前、田園都市線急行で、隣の座席の乗客がひっきりなしに咳をするので、失礼だと思いつつも、私は席をたった。いま、考えると、急行で一駅の利用、たった4分間の区間であったから、隣の乗客が陽性者であったとしても、15分が濃厚接触の目安だから、席を立つ必要がなかった。それでも、私は、一週間が過ぎても風邪の症状が現れなかったので、ホッとした。
きょう、月曜日にNPOに出勤すると、スタッフの一人が陽性者であることが、判明したと伝えられた。この10日間、彼と会っていないので、これもまた、私は濃厚接触者でない。
私のNPOでは、2週間に1度、スタッフ全員のPCR検査を唾液の提出で行っている。きょう、また、検査があった。私たちは対面で子どもたちと接触する。知的な問題を抱えてマスクをはずす子もいる。
いま、市中の無料PCR検査所で100人、200人の行列ができているという。一部のメディアはこれもバカにしている。人と人の接触が伴う仕事をしている人びとは少なくない。人にうつさないために検査をする人がいても良いのではないか。
すべての感染者がオミクロン株というわけではない。デルタ株の人もいる。オミクロン株は単に増殖スピードが速く、感染者数の増加スピードが速いだけである。年初にはデルタ株の感染が増えていた。オミクロン株は大したことがないから、熱がでても自分で療養していれば良いとして、デルタ株で重症化したら、誰が責任を負うのか。オミクロン株のほうが感染者を急激に増加させているが、ゆっくりとデルタ株も感染者を増やしているはずだ。
1月22日、全国の新規感染者数がはじめて5万人を超えた。5万4576人である。東京都も、新規感染者は初めて1万人を超えた。すでに、昨年の第5波を大幅に越えている。
こわがる人がいて、PCR検査をしたり、不要不急の外出を控えるからこそ、ワクチン接種が感染をふせぐのに無力な現状で、感染爆発を抑えられているのではないか。
オミクロン株がたいしたことがないと、旅行したり、宴会したりする人々に共感するメディアは、少しイカレテいると私は思う。政府の感染対策が爆発的流行に追いつかないからといって、オミクロン株がたいしたことがないという屁理屈で感染対策を放棄するのは、やけくそになっているか、頭が狂っていると思う。
[追記]
現在のワクチンを接種しても、オミクロン株の感染を防げるかは疑問視されている。また、3回目接種が行われないと、免疫効果が下がっているので、デルタ株の感染も防げないと言われている。ワクチン接種が重症化を防げるのではと希望的に期待しているだけである。これが、ワクチン接種か陰性証明で行動規制から除外するパッケージを尾身茂分科会長が今回撤回した理由である。ところが、ワクチン接種すると感染しない、したがって、感染拡大を防げるとTBS『ひるおび!』で八代英輝と言っているが、これは、正しくないと思う。