沖縄にミサイルを配置するという計画を日本政府が進めているが、私は沖縄県民に本当に申し訳ない話だと思っている。78年前に、日本帝国政府と軍部が沖縄を本土決戦の前の前哨戦と位置づけ、多くの沖縄県民が米軍に殺されたことを思い出す。沖縄県民が大量に死んだのだが、本土決戦は行われなかった。日本帝国政府と軍部は降伏したからだ。沖縄県民は無駄死にしたである。
日本政府(自公民政権)の方針、沖縄にミサイルを配置し、反撃能力をもつということ自体の意義がわからない。本当に反撃であれば、どこにミサイルがあるかわからない状態にすべきであろう。それを、沖縄の特定の島にミサイル基地を作れば、反撃する前に、真っ先に攻撃され壊滅状態になろう。島民は自衛隊の基地を作ったばかりに、巻き添えになって殺されるだろう。78年前の再現である。
反撃のミサイルは海に散在する大型潜水艦から発射するものである。北朝鮮は潜水艦からのミサイル発射や、陸上なら発射場所を大型トラックで山の中を移動してのミサイル発射訓練を繰り返している。
すると、沖縄にミサイル基地を作るというのは、単なる「こけおどし」にすぎない。しかし、こけおどしは相手を挑発しているから、戦争になるリスクを高めている。
ミサイル基地は反撃能力にならない。配備したミサイルが機能するとすれば、1941年12月8日の真珠湾奇襲攻撃、先制攻撃しかない。日本政府は敵基地攻撃といっているから、たぶん、真珠湾奇襲攻撃をマネたいのであろう。
しかし、自公に投票した人たちは本当にそれをしたいのだろうか。深く考えないで、安倍晋三の切り開いた積極的外交(武力の脅しで紛争を解決)に騙されて、踊っているだけではないか。本当に本土にミサイルが雨あられのように降るという事態を目前にしたら、沖縄を犠牲にしたまま、日本政府は降伏するのではないか。
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いま、日本政府が、中国、ロシア、北朝鮮を敵国として、ミサイルをはじめとする軍備を強化せんとするが、これは、日本政府がアメリカ政府の言いなりになっているからではないか。78年前に、日本帝国政府と軍部とは、本土防衛のために沖縄を犠牲にしたが、現在、アメリカ政府も、日本国民を犠牲にしてアメリカ本土を防衛しようとしているのではないか。
ウクライナの防衛戦争はもう1年と3カ月になるが、アメリカ政府はウクライナに戦う兵器をちょぼちょぼとしか供給しない。アメリカ政府は、戦争がエスカレートして、ロシアとアメリカの戦争になるのを避けている。だいたい、1年半前、アメリカ政府がウクライナからアメリカ人を引き揚げたから、ロシアは、ウクライナ侵攻をためらわず決断できたのである。
自公に投票した人たちは、日本を犠牲にして、アメリカ政府がアメリカを防衛している現実を真剣に考えるべきである。
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きょう、NHKが1976年のアメリカ映画『7月4日に生まれて(Born on the Fourth of July)』を放映していた。トム・クルーズの扮するロニーが、ケネディー大統領の「国があなたのために何かをするのではなく、あなたが国のために何をするのかだ」という言葉に愛国心を煽られ、ニクソン大統領の「共産主義者が攻めてくる」の言葉に騙され、ベトナム戦争に志願し、ベトナムで負傷し、下半身まひになって帰還してから、自分は騙されていたことに気づくという映画である。ハリウッド映画であるから、最後に希望を示す。それは、反戦運動に参加し殴られ踏みつけられ、4年たって、大統領選の集会で車いす姿でスピーチに壇上へ上がるところで映画は終わる。
NHKは、親切にも、あなたは自公政権に騙されていると、日本国民に、告げたかったのだろう。