高橋大輔選手が現役引退を表明しましたね。
私が高橋選手を注目し始めたのは、トリノオリンピックが終わってからでした。
関西大学に通う学生で、関西在住ということで関西ローカル番組あちこちに出演して素顔を紹介され、
エキシビジョンの「シークレットガーデン」による「ノクターン」を披露、演技に、彼独特の自分の世界を持っている人だなあと強く思ったものでした。
東京で開催された世界選手権大会に向けて練習の風景もよくテレビで観ました。
この世界選手権で日本男子では、初めての銀メダルを獲得。FSの演技を終えて泣きながらリンクサイドに帰ってきて、モロゾフコーチに抱きついて、
泣いていた顔が昨日のことのように思い出されます。
その翌年のSPでは、「白鳥の湖」のヒップホップバージョンを見事にこなし、グランプリシリーズアメリカ大会では、アメリカの観衆から大声援を受けて優勝。
FS[ロミオとジュリエット」で、四大陸選手権では、当時の世界最高記録を出して優勝。四回転ジャンプを1プログラムに2回入れて、見事に跳んで見せました。
高橋選手というと、華のある演技が魅力で、スポーツに華やかさなんて必要かと思いますが、フィギュアスケートとはそういうスポーツだということを高橋選手が実証してくれました。
ヒップホップ、タンゴ、ブルース、・・・様様なダンスをスケートに取り入れて、自分のものにしてしまう。華やかに魅せてくれる。
高橋選手のファンは当然多く、いつも会場が埋め尽くされてしまうほどでした。
高橋選手というと靭帯斬絶の大けがを乗り越えて、バンクーバーオリンピックで日本男子初めての銅メダル獲得ということで、日本中で知らない人はいませんが、
バンクーバーオリンピックのすぐあと、トリノで開催された世界選手権で4回転フリップをみごとに成功させての、日本男子初めての金メダル獲得。
エキシビジョンではトリを努めました。
けがに泣かされて、ソチでは6位に終わりましたが、エキシビジョンでは(6位という成績にもかかわらず、ロシア国籍でないにもかかわらず、)
前半のトリという大役を務め、高橋選手が国際的にいかに知名度の高い選手であるかということを、あらためて世界中に証明づけました。
高橋選手の演技にあこがれて、高校、大学と高橋選手と同じ学校に通い、スケートを磨いてきた町田樹選手の存在も見逃せません。
高橋選手の後を追うように、町田選手はソチ五輪に5位入賞、そのあとの東京開催の世界選手権では、世界選手権初出場ながら、優勝した羽生選手に僅差で2位。
2位とはいえ、SP、FSどちらもそろえてで、特にSP「エデンの東」では最高の演技で会場を沸かせました。
その他、高橋選手が後輩選手たちに与えた影響は、計り知れないものがあります。
日本では、フィギュアスケートは女子のスポーツという概念を覆した高橋選手の功績は大きいと思います。
その結果が、ソチオリンピック選考会を兼ねた全日本選手権大会のあのレベルの高い壮絶な戦いでした。
トリノオリンピック以降の男子といえば、ランビエール、バトルなど、海外の選手に人気が集まったあのころに、いや、日本には高橋がいるぞ!
と思わせてくれたのも、今日のフィギュアスケート日本男子の人気を牽引してくれた高橋選手の功績が大きいと思います。
高橋選手、長い間本当にお疲れ様でした。
*10月18日追記
関西大学HP 高橋大輔 「皆様へ」
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