悠山人の新古今

日本初→新古今集選、紫式部集全、和泉式部集全、各現代詠完了!
新領域→短歌写真&俳句写真!
日本初→源氏歌集全完了!

輝け 若者たち

2022-05-01 00:00:00 | literature

     輝け 若者たち

若者よ
 いま世界は
 核戦争による人類の破滅か
 愛と平和による人類の繁栄かの
 大きな岐路に立たされている

若者よ
 君には聴こえるか
 平和よりも戦争を
 愛よりも憎しみを
 という悪魔の甘いささやきが

若者よ
 人の世に人として生まれ
 人を愛することをはじめた君は
 いま人間になろうとしている
 人間としてのやさしさだけが
 人間としての気高さだけが
 人間としての尊厳だけが
 この世に
 愛と平和をもたらすのだ

若者たちよ
 しのびよる軍靴を蹴ちらし
 おおいかぶさる悪魔を払いのけ
 愛する人のために
 世界の平和のために
 人間として
 限りなく輝け


【2022年05月01日】2005年06月28日開設から 6151日
【アクセス数】トータル閲覧数3034628PV トータル訪問数736899UU


 

 


image3284 美術館-初冬

2020-11-18 01:00:00 | literature

2020-1118-yim3284
image3284 美術館-初冬
title: museumtothewinter
note: 須田悦弘・栗田弘一展を観る。廊下からは初冬の風景。きのう、山梨県立美術館。
memo-WSMu:(YT) 「Tchaikovsky: Violin Concerto - 1st movement (Benjamin Zander - Interpretation Class)」。c25m、158k+vst。


和歌刻書土器

2017-09-11 00:00:00 | literature

先日の「和歌刻書土器」記事の補遺。
01 「土器」の公表は、2017年08月25日、和歌一首仮名刻書としては日本初と。
02 古代史しんぽじうむ「和歌刻書土器の発見」は、09月03日、甲州市で開かれた(出席)。
03 写真上は、9月3日、展示実物を私が撮影したもの。下は甲州市文化財調査報告書第25集(発行日なし)所収のもの。
04 刻書和歌(写真上)は、変体仮名(草仮名)5行書きで、「われにより おもひくるらむ しけいとの あはすやみなは ふくるはかりそ」(一案)と解読された。
05 さらに原形漢字(写真下)は、「和礼尓与利 於毛比久留良無 之計以止能 安波数也見奈波 不久留波可利所」(一案)と比定された。
06 これらから、漢字仮名混交体では、「我により 思ひ暮るらむ 絓糸の 逢はず止みなば 更くるばかりぞ」(一案)とされる。
07 推定和歌一首は、従来のどの文書・歌集にも見当たらない。
08 課題としては、中央・地方の和歌文化の関係、墨書・刻書の関係、欠損1字・未定1字の解明、甲斐国府の所在地、発掘地(ケカチ遺跡)の位置づけ、などがある。
09 なお当日説明されなかった「ケカチ」は、電網調べでは、「飢渇」が対応漢字として現存する。
memo-WSM:(mru) 「Жмурки」。2005、露、1時間40分強。大学での講義、女教授がソ連の成立と混乱を思い出せ、そこからロシアが学び取るのは社会経済の確立ではないか、と。場面転換、死体満室のモルグで注射器を持つ男が、猿轡の男から情報を得ようとしている。そのとき覆面3人男が乱入してきて・・・猿轡男と注射器男を殺して覆面を取ったら、警官。という(ことらしい)ブラック・コメディ。原題直訳は「盲人のバフ」。


高楼

2017-08-29 00:00:00 | literature

先日の記事「惜別の歌」の補遺。
01)「惜別の歌」の詩は、島崎藤村「若菜集」所収の「高楼(たかどの)」の一部である。
02)「若菜集」と、のちの自選詩集「若菜集」とでは、「高楼」に僅かな異同がある。
03)「高楼」は、すべて平仮名・歴史仮名で書かれている。
04)「惜別の歌」は、「高楼」の一部を使った、藤江英輔の作曲である。
05)藤江は、1941年の作曲当時、中央大学の工場動員学徒であった。
06)藤江は、旧知(小学校同級)の巌本真理から、ヴァイオリンを教わっていた。
07)猪間駿一は、1966年12月に、同時代同窓として藤江について講演した。
08)藤江は、2010年10月に、「惜別の歌」について講演した。
09)「高楼」は、藤村の愛した小諸城址(写真は電網から一部借用して加工)
と推測される。
10)以下、著作権等に留意して紹介する。

島崎藤村自選詩集(青空文庫による。ただし、平仮名詩を仮に悠山人が漢字交じり表記にした)

高 楼

別れゆく人を惜しむと今宵より
遠き夢路にわれ山訪はむ

妹 遠き別れに 堪へかねて
  この高楼に 登るかな
  悲しむなかれ わが姉よ
  旅の衣を ととのへよ

姉 別れと言へば 昔より
  この人の世の 常なるを
  流るる水を 眺むれば
  夢はづかしき 涙かな

妹 慕へる人の もとに行く
  君の上こそ 楽しけれ
  冬山越えて 君行かば
  何を光の わが身ぞや

姉 ああ花鳥の 色につけ
  音につけわれを 思へかし
  今日別れては いつかまた
  相見るまでの 命かも

妹 君がさやけき 目の色も
  君くれないの 唇も
  君がみどりの 黒髪も
  またいつか見む この別れ

姉 汝が優しき 慰めも
  汝が楽しき 歌声も
  汝が心の 琴の音も
  またいつ聴かむ この別れ

妹 君の行くべき 山川は
  落つる涙に 見え分かず
  袖の時雨の 冬の日に
  君に贈らむ 花もがな

姉 袖に覆へる 美しき
  汝が顔ばせを 上げよかし
  汝がくれなゐの 顔ばせに
  流るる涙 われは拭はむ


惜別の歌(中央大学HPの表記による)
作詞 島崎藤村/作曲 藤江英輔

一 遠き別れに耐えかねて
 この高楼に 登るかな
 悲しむなかれ わが友よ
 旅の衣を とゝのえよ  
 
二 別れといえば 昔より
 この人の世の 常なるを
 流るゝ水を ながむれば
 夢はずかしき 涙かな

三 君がさやけき 目のいろも
 君くれないの くちびるも
 君がみどりの 黒髪も
 またいつか見ん この別れ

四 君の行くべき やまかわは
 落つる涙に 見えわかず
 袖のしぐれの 冬の日に
 君に贈らん 花もがな


ミアルカ

2017-08-20 00:00:00 | literature

先日の映画「Elena et les Hommes」紹介記事の補遺。
映画のなかで歌われるのは、ベル・エポックを堪能させる多くのシャンソン。そのなかのひとつだけ、活字化しておく。写真は電網から借用・加工。

”Miarka”
Jean Renoir/ Joseph Kosma/ Juliette Gréco

Ô nuit, mon amie, je t'attends
Ô nuit, donne-moi un amant
Ô nuit, mêle-toi à ma chevelure
La la la...

Un amant qui moi seule aimera
Au matin, sans bruit, il partira
La la la...

Ô nuit, dans ton noir firmament
Ô nuit, le signe du croissant
Ô nuit, brillera dans ma chevelure
La la la...

Un amant que je veux voir souffrir
Un amant que je ferai mourir
Hmm hmm hmm...

Ô nuit, je te fais le serment
Ô nuit, d'oublier mon amant
Ô nuit, lorsque cessera ma brûlure
La la la...

D'oublier la chaleur du matin
D'oublier les cailloux du chemin
La la la...
 (詩 lyrics.wikia.com/wiki/Juliette_Gr%C3%A9co:Miarka)
 (歌 youtube.com/watch?v=jqzzpC5bEkU)

(大意)夜よ、友よ、恋人よ・・・朝には静かに消える恋人よ・・・
三日月の夜空を恨めしく見て・・・彼を死なせたくなる・・・
恋の悩みは、身を熱くして・・・


yv02 夾竹桃

2016-08-15 01:00:00 | literature

夾竹桃


例年になく凌ぎやすい平和公園に
蝉がせわしなく鳴き
赤く
白く
夾竹桃の花が咲いている

一九九一年八月六日のそのとき
五万五千の会衆は
静かに頭を垂れ
思いを込めながら
身まかりし人々に
声もなく 言葉もなく
語りかけていた

四六年前の あの一閃
人の世に
人として生まれた人が
瞬時にして
一吹きの空気になり
一塊の肉になり
一個の物になり
時を経て
熱さにあえぎ
痛さにうめき
放射能に冒されて
いのちに別れを告げていく
その数 十数万

広島の透きとおった青い空の下で
いま 夾竹桃は
平和都市の
尊い犠牲者の
忘るべからざる象徴として
美しく咲いている


          一九九一年八月  悠山人

*旧稿、広島市平和祈念式典参列、後日献詩。きょうは第71回平和祈念日。


yv01 輝け 若者たち

2016-08-09 01:00:00 | literature

輝け 若者たち


若者よ
 いま世界は
 核戦争による人類の破滅か
 愛と平和による人類の繁栄かの
 大きな岐路に立たされている

若者よ
 君には聴こえるか
 平和よりも戦争を
 愛よりも憎しみを
 という悪魔の甘いささやきが

若者よ
 人の世に人として生まれ
 人を愛することをはじめた君は
 いま人間になろうとしている
 人間としてのやさしさだけが
 人間としての気高さだけが
 人間としての尊厳だけが
 この世に
 愛と平和をもたらすのだ

若者たちよ
 しのびよる軍靴を蹴ちらし
 おおいかぶさる悪魔を払いのけ
 愛する人のために
 世界の平和のために
 人間として
 限りなく輝け

     一九八八年四月  悠山人

*2016年、71回目の長崎の日に、旧稿を公開する(手書き部分は当時のまま)。
 


【履歴】さきはひ(幸ひ)の歌句

2014-06-30 00:10:00 | literature

私の歌句履歴、きょうまでの「さきはひ(幸ひ)」をまとめてみた。

2014年06月30日 万葉擬歌1411かぎりなき http://blog.goo.ne.jp/goo2049/d/20140630

2011-0913-yts1073 短歌写真1073 さきはひの http://blog.goo.ne.jp/goo2049/d/20110913
2011-0706-yts1049 短歌写真1049 家標も http://blog.goo.ne.jp/goo2049/d/20110706
2011-0826-yts970 短歌写真970 この世をば http://blog.goo.ne.jp/goo2049/d/20100826

2010-0602-yts940 短歌写真940 うす紅き http://blog.goo.ne.jp/goo2049/d/20100602
2010-0315-yhs652 俳句写真652 さきはひも http://blog.goo.ne.jp/goo2049/d/20100315
2010-0124-yts890 短歌写真890 願ひても http://blog.goo.ne.jp/goo2049/d/20100124
2009-1230-yts880 短歌写真880 さきはひも http://blog.goo.ne.jp/goo2049/d/20091230
2009-0401-yhs460 俳句写真460 さきはひも http://blog.goo.ne.jp/goo2049/d/20090401
2008-1105-yts669 短歌写真669 さきはひに http://blog.goo.ne.jp/goo2049/d/20081105
2008-0824-yhs346 俳句写真346 ちひさきは http://blog.goo.ne.jp/goo2049/d/20080824
2008-0207-yts531 短歌写真531 幸ひを http://blog.goo.ne.jp/goo2049/d/20080207
2007-0626-yts391 短歌写真391 獅子吼せる http://blog.goo.ne.jp/goo2049/d/20070626
2006-1123-yts258 短歌写真258 遥かなる http://blog.goo.ne.jp/goo2049/d/20061123 (ブッセ独語詩つき)
2006-1112-yts250 短歌写真250 帰り来よ http://blog.goo.ne.jp/goo2049/d/20061112 (プレヴェール仏語詩つき)
2006-0922-yts224 短歌写真224 爽やかに http://blog.goo.ne.jp/goo2049/d/20060922 (フランス語訳つき)


 


資料-日本国憲法前文(全)

2013-12-28 00:00:00 | literature

日本国憲法前文(全) 1947年(昭和26年)11月3日公布 翌年5月3日施行

 日本国民は、
正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、
われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、
わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、
政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、
ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。
そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、
その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、
その福利は国民がこれを享受する。
これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。
われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

 日本国民は、
恒久の平和を念願し、
人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、
平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、
われらの安全と生存を保持しようと決意した。
われらは、平和を維持し、
専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、
名誉ある地位を占めたいと思ふ。
われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、
平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

 われらは、
いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、
政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、
自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。

 日本国民は、
国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。

○再読熟考を願って…すべての日本国民に、政治家に、そして最高指導者に。


洩らさばや-有房

2013-02-26 00:00:00 | literature

千載集・恋歌にこの歌がある。(岩波版大系、緑本)

  洩らさばや 忍びはつべき 涙かは
  袖のしがらみ かくとばかりは  源有房(千載和歌集 11-0680)

切ない恋の涙が川となって流れ落ちる。その流れを止められるか。(いやいや、とてもとても)
「涙」が核になって、「涙川」「(反語)かは」が掛詞、それに「洩る」が縁語。
「涙」と「袖」が対語、「しがらみ(柵)」は「川」の縁語。
「かく」は「(袖を)掛く」と「斯く(=これほどまでに)」の掛詞。

類似歌として拾遺集・恋歌に

  涙川 落つる水上 早ければ
  せきぞかねつる 袖のしがらみ  紀貫之(拾遺和歌集 14-0876)

がある。(岩波版大系、緑本)