2006-1231-yts279 die Neunte Sym. Beethovens
ああ友よ往にしによらず楽しかり
歓びあふる響き尋むべし 悠山人
○短歌写真、詠む。
○大晦日を「第九」で過ごす、という私の生活習慣病とは、もう長い付き合い。
O Freunde, nicht diese Töne! Sondern
laßt uns angenehmere anstimmen,
und freudenvollere. -L. v. Beethoven
このレチタティーヴォは、B. 自身の作詞で、このあとの合唱部が S. の <An die Freude>(歓びに寄せて) になる。聴くたびに、フロインデ Freunde(友人たち)が、フロイデ Freude(歓び)に重なる。
□短写279 ああともよ いにしによらず たのしかり
よろこびあふる ひびきとむべし
【写真】いつも通り、変母音文字(o-ウムラウト。o を jpeg に取り入れたあと、変母音記号を合成する)、合成文字(sz エスツェット。ギリシャ文字ベータを画像に取り込んで、変形させる)に、いちばん時間がかかった。MSさん、来月、個人向け発売の Vista では、改良してくれたかな? 師走の海岸で。
【memo】to the readers: ことしも支えてくれた皆さんに多謝♪ 恙ない年越しが出来ますように・・・。
2006-1231-yhs044
落陽に
なほ希見ゆ
大晦日 悠山人
○俳句写真、詠む。
○Mehr Licht! 落日の国、でも希望を捨てるわけにはいかない。
□俳写044 らくやうに なほのぞみみゆ おほみそか
【写真】借用(fron NL)して、大幅にレタッチ。
2006-1231-yim226
title : electro-magnetic wave
yyyy/mm : 2006/12
memo : ますます増え続ける、身の回りの、そして地球上の電磁波、というイマージュ。
【写真】画像処理ソフトの機能の、まだまだほんの一部しか使っていない。
2006-1230-yis060
夜更けてのお見えのことは知らないの
せめて笛など吹いて下さいな 悠山人
○和泉式部集、詠む。
○詞書は、「人の、夜ふけて来たりけるを、聞きつけで、寝たるがすることなど言ひたるに」。『正集』に、「ねたりけるなどつとめていひたるに」とする由。つまりすっかり寝込んで、気が付かないまま朝を迎えた、ということである。
¶ふし=<「臥し」と「節」をかける。>(新潮版)
¶ふえたけの=<「音」にかかる枕詞。「ふし(節)」「音」「よ(節)」は「笛竹」と縁語。>(同)
¶よ(節)=「①竹や葦などの茎の、節(ふし)と節との間。・・・②節(ふし)のこと。・・・和歌では、多く「世」や「夜」との掛詞として用いられる。」(旺文版「古語辞典」) ここから「よふけ」は、「夜更け」「節(笛)吹け」になる。
□和060:ふしにけり さしもおもはで ふえたけの
おとをぞせまし よふけたりとも
□悠060:よふけての おみえのことは しらないの
せめてふえなど ふいてくださいな
【memo】to the readers: 和泉式部さん、しばらく御簾の中でお休みです。
2006-1230-yim225
title : quo vadis?
yyyy/mm : 2006/12
memo : 熱心な読者への歳暮として、ヒント・解答なしの、これな~に? I wish your completely philosophical thinking...
【写真】借用(from NL)して、再構成。
2006-1229-yis059
幾つまで雁の卵を下さるの?
この世は仮と分かっていても 悠山人
○和泉式部集、詠む。
○「雁の子を、人のおこせたるに」。雁の卵を、ある人から頂いたので、と詞書。なかなか手に入らなかったでしょうに、こんなにたくさんの雁の卵を下さって・・・。でも、この世はすべて仮の世界、どれだけ頂いたたところで、人の心の真実が分かりましょうか。
¶かりのこの世=「仮」「雁」が掛詞。
□和059:いくつづつ いくつかさねて たのままし
かりのこのよの ひとのこころは
□悠059:いくつまで かりのたまごを 下さるの?
このよはかりと わかっていても
星の子と誰ぞつけたる冬菊の
寒しき大地をあかく照らすや 悠山人
○短歌写真、詠む。
○きみ、だあれ?と聞いたら、ぼく、スプレー菊の「星の子」です、と。
□短写278 ほしのこと たれぞつけたる ふゆぎくの
さむしきだいちを あかくてらすや
【写真】先日、花園で。
2006-1228-yis058
何ごとも心に秘めて耐えるのに
どうして涙が先に出ちゃうの? 悠山人
○和泉式部集、詠む。
○「ものをおもひつづくるに、いたうかなしければ」。恋しい人のことを思い続けていると、とても悲しいので、と詞書。
□和058:なにごとも こころにこめて しのぶるを
いかでなみだの まづしりぬらん
□悠058:なにごとも こころにひめて たえるのに
どうしてなみだが さきにでちゃうの?
花ありて咲きてし後は花散りぬ
幻のごと夢のごとくに 悠山人
○短歌写真、詠む。
○花の季節感が、とくに都会では、すっかり失われている。
□短写277 はなありて さきてしのちは はなちりぬ
まぼろしのごと ゆめのごとくに
【写真】撮影は先月。
2006-1227-yis057
いつまでもしつこい人には言い訳を
「全く暇がないのですよ」と 悠山人
○和泉式部集、詠む。
○詞書、「わりなくうらむる人に」。依拠本注は、「筋の通らないことで恨みに思っている男、無体に恋慕する男、の意。」 和泉が、相手の面子を考えてやんわりと、しかし自分の意思をきっぱりと伝える。才人藤原公任(きんとう)が評価した一首、とか。枕詞を並べた技巧歌で、現代詠には、入りきらない。
¶津の国の=短歌の世界で、「津」と言えば、「摂津」(大阪)。これを枕詞とする作品は多い。「こや」にも、「此(こ)や」「来(こ)や」「昆陽(こや)」からとして、多く掛かる。
¶こや=昆陽は、「今の兵庫県伊丹市、昔の児屋(こや)郷の地。行基が開基した昆陽寺、行基の築造と伝える潅漑用溜池の昆陽池がある。(歌枕)」(広辞苑) 「来や」(come to me)と懸ける。
¶葦の八重ぶ(葺)き=「八重葺き」は、「屋根を幾重にもあつく葺くこと。また、その屋根。」(広辞苑) (前句と合わせて)「年中暇なし。スケジュール、ぎっしり」。なお依拠本の「蘆」を「葦」にした。
□和057:つのくにの こやともひとを いふべきに
ひまこそなけれ あしのやへぶき
□悠057:いつまでも しつこいひとには いいわけを
「まったくひまが ないのですよ」と