悠山人の新古今

日本初→新古今集選、紫式部集全、和泉式部集全、各現代詠完了!
新領域→短歌写真&俳句写真!
日本初→源氏歌集全完了!

短歌写真2005-1231 見る我も

2005-12-31 06:30:00 | 短歌写真

 若き日の作者悠山人。一歳誕生日。scanned and enlarged。
 ひらかな:みるわれも みらるるわれも われなれど
       てんいむほうは かへらざるなり
☆message for you all:ある日、天啓受託(?)で創館半年。多くの人び
とから叱咤激励を受けた。ありがとうございました。goo スタッフにも多謝。
いい年越しに


135 荒れ果てた畑の

2005-12-29 07:30:00 | 新古今集

 なんとも荒涼とした叙景歌である。鳩が烏になっていたら、さらに「すごし」。
 ひらかなy135:あれはてた はたけのがけの きにとまり
          はとなくこえが ひびくゆうぐれ
 ひらかなs1674:ふるはたの そばのたつきに ゐるはとの
          ともよぶこゑの すごきゆふぐれ
【略注】○そば=小学版は「岨(そば)。崖(がけ)。」とする。ここでは従う。
    (補説)
    ○鳩=この語で私は採歌した。たしかに『古今集』にも出て来るが、
    『新古今集』にとは、珍しい。ただし、古語の通例として、動植物の名
    に多く異同があるので、油断は出来ない。
    ○西行=悠 006 (07月04日条)既出。
【補説】。嶮岨(険阻)の熟語でお馴染み。しかし、少し調べると、あまり単
    純ではない。
    ①広辞苑 「そわ([歴史仮名は]そは)。山の切り立った斜面。がけ。
    きりぎし。そば。[略]」。
    ②旺文社版古語辞典 「そは。(近世以後は「そば」とも)山の険しい
    ところ。がけ。」 また、「そば」の見出しはなく、「そばだつ」に、こうあ
    る。「峙つ。[略]。<そばたつ>とも。(1)そびえ立つ。高くそびえる。
    [略]」。
    こうして考えてみると、西行の歌では「荒れた畑に、聳えている木」と
    も読めそう。さらに「側、傍」との掛詞とも思われる。ただし、小学版は
    これらに全く言及しない。


134 風流な住まい

2005-12-28 06:30:00 | 新古今集

 都人が庵を訪ねてくれるのは嬉しいが、決まって「いいお住まいですね」と口にする。お世辞のつもりらしいが、そんな生半可な気持ちではないよ、と。半ば怒り、半ばたしなめているか。現代の都会人には耳がいたいところ。
 ひらかなy134:ふうりゅうな すまいですねと いなかやを
          たずねるひとが くちそろえいう
 ひらかなs1669:やまざとに とひくるひとのことぐさは
          このすまひこそ うらやましけれ
【略注】○言種=言い草。口癖。
    ○こそ~けれ=今さらながらの係り結び。「こそ」の結びは已然形。平易な典型
    なので紹介しておく。
    ○慈円=悠 002(06月29日条)既出。

短歌写真2005-1226 夜もすがら

2005-12-26 06:30:00 | 短歌写真

 種子島の穏やかな浜の向こうに、穏やかな海(Mare Pacificum/Pacific Ocean)が広がる。長い周期の、やさしい波音で眠りに就き、眠りから目覚めた。Mare mater est.(海は母なり)。
 撮影は二〇〇四年夏の朝六時。
 ひらかな:よもすがら ましろきはまに よせかへす
       しほねやさしく さはやかにあく

133 遠くてもきっと

2005-12-25 06:30:00 | 新古今集

 あれほど信頼していたのに、僻地へ送られたらもう知らんぷり。人の心というものは分からないものだ、とは私の解釈。作者は総理大臣級なので、これは百首奉歌に際しての慮りの作。
 ひらかなy133:とおくても きっといくよと いったのに
          さくらがゆきに なってしまった
 ひらかなs1665:わすれじの ひとだにとはぬ やまぢかな
          さくらはゆきに ふりかはれども
【略注】○忘れじの人=「忘れられない人」ではなくて、「忘れない」と言った
    人。ましてや他の人は、を含意する。
    ○藤原良経=悠 029(08月01日条) 既出。
    

132 布引の夏の

2005-12-23 06:30:00 | 新古今集

 障子絵に感じての作歌。「最勝四天王院(名所)障子絵和歌」としても伝わる。
 ひらかなy132:ぬのびきの なつのころもを なびかせて
          たきにてんにょの まぼろしをみる
 ひらかなs1651:ひさかたの あまつをとめが なつごろも
          くもゐにさらす ぬのびきのたき
【略注】○雲居=(雲の中。そこの住居→)天上の世界、天の宮中。
    ○布引の滝=(神戸市中央区葺合町布引)前二首もこの滝に寄せる。都に
    も知られていた、滝の名所。『伊勢物語』に「長さ二十丈、広さ五丈なる石の
    おもて、白絹に岩を包」むようだ、と。
    ○藤原有家=悠 103(11月12日条)既出。
【補説】布引の滝。「神戸を代表する滝。新幹線新神戸駅の北約100mの所に雌滝が
    あり、その上の200mの所に雄滝がある。その二つの滝の間にはさまれて夫婦
    滝、鼓ヶ滝があり、これらの4滝の総称を<布引の滝>という。都会に近い場所
    に位置する滝だが、喧騒を離れ静かに森林浴も楽しめる。<日本の滝100選>
    に選ばれている。」(JRおでかけネット)

短歌写真2005-1223 遍はる

2005-12-23 06:00:00 | 短歌写真

 惑星地球の歴史は五十億年近く、人間のそれは多く見ても五百万年、人口爆発が始まった産業革命から二世紀半。地球と同等、またはそれ以上の惑星は、未だに発見されていない。それなのに、この地球はヴァン-アレン帯(放射能)に包まれ、オゾンの穴が開き、北極から南極まで、高山から平地まで、深海まで、汚染が広がっている。すべて、傲慢な人類の所業である。
 悠山人の研究室・・・は冗談だが、しばしばここへ通って、短歌を作っている。
 ひらかな:あまねはる けうまんふそんの ひとむれや
       ひらめきてのち やみにしづめる